スタート

 

 

 


 

TV中継では放送が始まった時には既に競技車両がグリッドに並んだ状態となっているため、レーススタートがどのような手順で行われるのか知るには実際にサーキットで観戦する必要があります。

スタートの進行手順だけでなく、レースのスタートの手順にはスタンディングスタートとローリングスタートの2種類があり、それぞれのスタート方式の進行手順ややり直し手順をわかりやすく説明します。

以下に説明するスタート手順は国内における一般的なレースの手順となります。シリーズによって特別な手順がある場合は特別規則書に記載されます。

 

 

スタート進行

 

グリッドへの試走

決勝のスタートに先駆けて、ピットロード出口のシグナルが赤から緑に点灯しコースオープンとなります。競技車両は自身のピットからコースインし、コースを1周走行した後にメインストレートにある自身のグリッドに着きます。これを四輪のレースではグリッドへの試走と呼びます。

F1などの国際レースにおいては、レコノサンスラップと呼び、コースイン後もすぐにグリッドに着く必要はなく、ピットインすることで時間内であれば何周も走行することができます。

予め決められた時間になるとピットロード出口のシグナルが赤に変わり、コースインすることができなくなります。時間内にコースインできなかった車両はピットスタートとなります。

ピットスタートはレーススタート後に競技車両がピットロード出口付近を全車通過した後、ピットロード出口のシグナルが緑に変わり、ピットスタートの車両はレースに加わることができます。

 

カウントダウン

全競技車両がグリッドに着き、レーススタートに向けてカウントダウンが始まります。カウントダウンの内容は特別規則書や公式通知などて事前にチームに案内されるので、それに従い、作業の禁止やピットクルーの退去などの時間を守る必要があります。

 

スタートシグナルによるカウントダウン表示

フォーメーションラップ開始までの時間がスタートシグナルを使って表示されています。グリッド上のスタッフやドライバーはスタートシグナルを見れば、フォーメーションラップ開始までのおおよその時間を知ることができるようになっています。シグナルの点灯個数とフォーメーションラップ開始までの残り分数は一致していないので注意が必要です。

フォーメーションラップ開始時刻になるとグリーンシグナルが点灯しますが、フォーメーションラップ開始から30秒後に消灯され、レーススタートに備えます。

 

 

スタートの方式

レースのスタートは以下の2種類があります。

  • スタンディングスタート
  • ローリングスタート

 

 

スタンディングスタート

スタンディングスタートは全ての競技車両がグリッドに停止し、シグナルの合図によって一斉にスタートします。

 

フォーメーションラップ

スタートに先立ち、レース開始時刻になるとフォーメーションラップが行われます。全てのポストでグリーンフラッグが振られ、先頭の車両から順次、コースを1周回走行します。

フォーメーションラップ中は追い越しが禁止され、前後の間隔が開きすぎないように走行する必要があります。1周回走行した後、全ての競技車両は自身のグリッドに停止します。

グリッドに正しく停止したかどうかはグリッドマーシャルによってチェックされ、全ての競技車両が正しくグリッドに停止すると、グリッド後方でグリーンフラッグが振られます。

 

スタートシグナル

グリッド前方のシグナルブリッジでレッドシグナルが点灯し、消灯したタイミングでレーススタートとなります。レッドシグナル点灯から消灯するまでの時間は2〜3秒です。

レッドシグナルが消灯する前に動いた車両はジャンプスタートとなりペナルティの対象となります。

 

5ユニットスタートシグナル

F1などで使用される5ユニットのシグナルの場合は、1秒毎に1つずつレッドシグナルが点灯し、5つのレッドシグナルが点灯した後、全てのレッドシグナルが同時に消灯されレーススタートとなります。

start_signal_5unit

 

シングルユニットスタートシグナル

シングルユニットの場合はレッドシグナル点灯の5秒前に、スターターによって5秒前ボードが提示され、5秒経過後にレッドシグナルが点灯、その後消灯され、レーススタートとなります。

 

スタートのやり直し

エンジンストールなどによりスタートできなくなった場合、ドライバーは手を振るなどの合図により、グリッドマーシャルに知らせます。グリッドマーシャルは黄旗を振ることによってスターターに異常を知らせます。

レッドシグナルが点灯する前にスタートができないと判断された場合は、スターターによって赤旗が振られ、START DELAYEDボードが提示されます。スタートはやり直しになります。

やり直しの手順は特別規則書に規定されますが、通常はフォーメーションラップ開始3分前や5分前からやり直しとなります。レース周回数はスタートをやり直す度に1周減算となります。

 

レッドシグナル点灯後にスタートできなくなった場合、レッドシグナルが点灯したままイエローライトの点滅が表示され、START DELAYEDのボードが提示されます。やり直しの手順は特別規則書に規定され、レース周回数は1周減算となります。

スタートディレイの原因となったドライバーは最後尾からのスタートになります。

 

エクストラフォーメーションラップ

F1などエクストラフォーメーションラップの規定がある場合は、スタート手順をやり直すことなく、すぐにフォーメーションラップが開始されます。

開始の合図はイエローシグナルが点滅したまま、グリーンシグナルが点灯されます。グリーンシグナルが点灯するとそれまで点灯していたレッドシグナルは消灯します。

 

 

ローリングスタート

ローリングスタートは競技車両が停止することなく、グリッド順の隊列を組んで走行したままレースをスタートします。

 

ローリングラップ

スタートに先立ちレース開始時刻になると、ローリングラップが開始されます。フォーメーションラップと異なり、グリッド前方にペースカーと呼ばれる先導車が着き、競技車両はペースカーに続いて走行します。

グリッド前方のポストではローリングラップ開始の合図としてグリーンフラッグが振られますが、その他の全てのポストでは黄旗が振られます。

SUPER GTやスーパー耐久ではスタートはローリングスタートで行われますが、ローリングラップではなくフォーメーションラップと呼ばれます。ただし、手順はローリングラップと同じです。

ローリングラップが開始されると、隊列の速度はペースカーがコントロールしコースを1周回走行します。コントロールライン上のシグナルブリッジではレッドシグナルが点灯されます。

 

GRIDボードの提示

次にコントロールラインを通過するときにレーススタートとなる合図として、事前にコース上のあらかじめ決められた位置でGRIDボードが提示されます。GRIDボードの提示位置は事前に公式通知やドライバーズブリーフィングなどによって事前にチームやドライバーに知らされます。

GRIDボードが提示されたら競技車両は2列の隊列を形成する必要があります。その後、ペースカーがピットインし競技車両は隊列を組んだままメインストレートを立ち上がります。レッドシグナル点灯中に加速することは禁止されます。

gridboard

 

スタートシグナル

レッドシグナルが消灯すると同時にグリーンシグナルが点灯しレーススタートとなります。加速しても構いませんがコントロールラインを通過するまではグリッド順を保つ必要があります。

start_signal_5unit_rolling

 

スタートのやり直し

隊列が形成できていないなど、スタートができないと判断された場合はペースカーはピットインせずにそのまま走行を続け、再度ローリングラップをやり直します。ローリングラップがやり直される度にレース周回数は1周減算となります。

ペースカーがピットインした後にスタートできないと判断された場合はレッドシグナルが点灯したままとなり、全てのポストでイエローフラッグの提示が継続されます。

競技車両は追い越しすることなく1周回し、その後、隊列の先頭にペースカーが着き、再度ローリングラップをやり直します。この場合、レース周回数は2周減算となります。