メインストレートのグリッド前方にレーススタートの合図を行うシグナルが設置されています。また、ピットロード出口にもシグナルが設置されており、競技車両のコースインをコントロールしています。このシグナルがどのようにコントロールされて、レースが運営されているかご存じでしょうか?
シグナルの点灯方法は国際モータースポーツ競技規則 付則H項の『Race weekend light procedures』などに定められており、FIAは推奨するシグナルの点灯方法を『Recommended light signals for standing starts in circuit events』に定めています。オリジナル版は英語で記載されているため、ここでは、『Recommended light signals for standing starts in circuit events』に記載されている内容を日本語でわかりやすく解説したいと思います。
FIAが定める方法以外でシグナルを運用する場合には、特別規則書に記載するなどして、ドライバーやチームへ周知する必要があります。
プラクティスセッションにおけるシグナルの点灯方法
プラクティスセッションとは、日本語では『フリー走行』と呼ばれます。競技車両が走行できる時間があらかじめ決められており、時間になるとピットからコースに出て自由に走行を行うことができます。途中でピットインしたり、再度コースインすることもできます。走行時間の終了になると、チェッカーフラッグが振られ、競技車両はピットインしなければなりません。
このようなプラクティスセッションにおけるシグナルの点灯方法について解説します。基本的に公式予選においてもプラクティスセッションと同等のシグナルの運用となります。
セッションの開始
競技車両がサーキットを走行できる時間があらかじめ決められています。走行開始時刻になると、グリーンシグナルが点灯し、走行可能な状態になったことを表示します。
また、コースインすることができることを示すためにピットロード出口にもシグナルが設置されています。走行開始時刻になると、ピットロード出口のシグナルもグリーンに点灯します。
下図の左側の5連シグナルがコース側に設置され、右側の2連シグナルがピットロード出口に設置されます。

セッション中
走行可能な時間の間は、グリーンシグナルが点灯したままとなります。ピットロード出口のシグナルもグリーンが点灯したままとなります。
メインストレートを走行する車両がピットロード出口付近に差し掛かろうとしているとき、ピットロード出口のシグナルがブルーに点滅します。

セッション中断
もし、プラクティスセッション中に、赤旗が振られ、セッション中断となった場合、オレンジのシグナルが点滅します。オレンジシグナルの点滅は3分間継続されます。
ピットロード出口のシグナルはレッドに変わります。このため、コースインすることができなくなります。

走行の再開は、上記のセッションの開始と同じ手順となります。グリーンシグナルが点灯し、走行が再開されます。
セッションの終了
走行終了時刻になると、チェッカーフラッグが振られ、これまで点灯していたグリーンシグナルは消灯し、レッドシグナルが点灯します。また、ピットロード出口のシグナルも赤へ変わり、コースインできなくなります。

まとめ
フリー走行や公式予選でのシグナルの運用は上記のように行われています。何も難しくはありませんね。あまりシグナルの点灯の仕方に注目したことは少ないかと思いますが、たまには、レース観戦時に注目してみてはいかがでしょうか。
スタート進行時の点灯方法、レーススタート時の点灯方法、レース中断時の点灯方法については、後ほど、解説したいと考えています。
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