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安全装備『HANS』について知ろう

 

レーシングドライバーにとってヘルメットと同じくらいに大切な『HANS』をご存知でしょうか?HANSとはHead and Neck Supportの略で『ハンス』と読みます。

HANSは開発したメーカーの商標となっているため、FIAはこのデバイスを『FHR (Frontal Head Restraint systems)』と呼んでいますが、一般的にHANSて通じます。

HANSはヘルメットに装着し、ドライバーの頭部や首を保護する安全装備です。F1では2003年から装着が義務付けられ、一気に世界へ広まっていきました。国内においても、2017年からすべてのJAF公認レースでHANSの装着が義務付けられています。

出典:hansdevice.com

 

 

HANS導入前

大きなクラッシュの際、ドライバーの身体はシートベルトによってしっかりとシートに固定されていますが、HANSが無かった頃は頭部を支えるものは何もありませんでした。

そのため、クラッシュの衝撃によって生じる大きなGによって、ドライバーの身体を固定しているシートベルトが伸びるだけでなく、ドライバーの首も大きく伸びました。

ドライバーの頭部とステアリングにはじゅうぶんにクリアランスが確保されているのですが、クラッシュの大きな衝撃で頭部をステアリングに打ち付けてしまい頭部を損傷する事故や、Gによって首が伸びたり、振り回されたりすることで、頸椎を損傷する事故が多く発生しました。

HANSはあらゆるアクシデントから守ってくれるわけではありませんが、当時、HANSがあれば被害を抑えることができたと考えられる事例はいくつかあります。

 

1995年 F1 第17戦 オーストラリアGP
ミカ・ハッキネン

1995年F1第17戦オーストラリアGPの公式予選ではマクラーレンのミカ・ハッキネン選手がスピンをしたあと、タイヤバリアに衝突し、頭部を激しくステアリングに打ち付け、瀕死の重傷を負いました。

 

2002年 フォーミュラ ニッポン 第2戦 富士スピードウェイ
道上 龍

国内では2002年に富士スピードウェイで開催されたフォーミュラ ニッポン第2戦でTEAM 5ZIGENの道上龍選手が高速コーナーの100Rでクラッシュし、ステアリングに頭部を激しく打ち付け、重傷を負いました。この時の事故の経験から、道上選手は国内でのHANSの普及に貢献しました。

 

HANS導入後

HANSはドライバーの肩に乗せ、その上からシートベルトで固定をするため、HANS導入当初は肩の痛みや首の動きが制限されるなど、装着感に対して批判的な意見もありました。HANSの改良が進み、高い安全性が証明されていくうちに、HANS装着を渋るドライバーはいなくなりました。

国内のレースにおいては、2003年のF1でのHANS装着義務化以降、任意でHANSを装着しているドライバーはいましたが、装着は義務化されていませんでした。

HANSを装着するには、専用のアンカーが埋め込まれたヘルメットが必要になります。導入当初は、HANSを装着するために、ヘルメットを買い替えたり、加工する必要があり、費用がかかることが足かせとなり、装着義務化が遅れました。

 

出典:formula1.com

 

国内の四輪モータースポーツを管轄するJAF (日本自動車連盟) は2015年に排気量2000cc未満のナンバー付きレースを除くレースでHANSの装着を義務付けました。ただし、義務化対象外となるN-ONE OWNER’S CUPTOYOTA GAZOO Racing 86/BRZ Raceなどの排気量2000cc未満のナンバー付きレースにおいても、レギュレーションによってHANSの装着を義務付けていました。

そして、2017年に全てのJAF公認レースでHANSの装着が義務付けられるようになりました。国内で開催されるすべての四輪レースはHANSを装着しなければ参戦できません。

 

まとめ

モータースポーツは300km/hを超えるスピードで競われるため、高い安全性が求められます。現在のモータースポーツは安全性が向上し、激しいクラッシュが発生しても、ドライバーに大きな怪我はなく、自力でマシンを降りることができるケースがほとんどです。

しかしながら、今でもモータースポーツにおける不運な事故はゼロではありません。

HANSはドライバーの安全性を大きく高めたデバイスの1つであることに間違いはありません。HANSだけでなく、レーシングカーの構造や設計の技術進化があり、サーキットのレイアウトや設備の安全性も向上しています。当然ながら、ヘルメットもまだまだ進歩しています。

このような技術の進歩や様々な取り組みによってモータースポーツの安全性が高まっています。モータースポーツの性質上、車両同士の接触やアクシデントはどうしても避けることは困難です。したがって、これからもモータースポーツを安心して観ることができるように、さらなる安全性の向上を期待したいです。

 

 

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