2024年 F1 第22戦 ラスベガスGP 開催概要

 

モータースポーツで使用される『フラッグ』の意味

 

モータースポーツではドライバーに対して、前方にある危険の存在を知らせたり、レースコントロールからの指示を伝えるために、コース脇にあるオブザベーションポストと呼ばれる小屋からフラッグ(旗)を振ることによって知らせます。

サーキットで使用されるフラッグは四輪レース(クルマ)と二輪レース(バイク)で同じ意味のように見えますが、実際にはフラッグの種類だけでなく意味も異なります。

以下の内容は四輪レースに関する内容です。

 

 

オブザベーションポストから提示されるフラッグは基本的に振動表示(旗を振る)ですが、オイルフラッグとゼッケンボードと併用して提示されるフラッグについては不動表示(静止表示)となります。

また、フラッグが振られるオブザベーションポストの場所やポストにおけるフラッグを振る位置はサーキットごとに決められ、FIAやJAFの承認を受けています。そのため勝手にフラッグを振る位置を変えたり、追加することはできません。

 

レッドフラッグ (赤旗)

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レッドフラッグ (赤旗)はセッションの中断を意味します。大雨などの急な天候の変更や、大きな事故が発生したときなど、走行を継続することが危険であったり、困難と判断されたとき、全てのオブザベーションポストで振られ、セッションの中断が伝えられます。

 

 

イエローフラッグ (黄旗)

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イエローフラッグ (黄旗)はコース上に危険が存在するときに、現場手前のポストで振られます。あわせて現場前方のポストではグリーンフラッグ(緑旗)が振られ、イエローフラッグからグリーンフラッグの間は黄旗区間とされ追い越しが禁止されます。

 

 

コード60フラッグ

2022年11月25日のH項の改訂でコード60フラッグ(コード60旗)が新たに追加されました。フルコースイエロー導入時にこれまでは、『黄旗の振動』と『FCYボード』が提示されていましたが、コード60フラッグで代替できるようになります。

 

 

オイルフラッグ

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オイルフラッグ (赤の縦縞のある黄旗)は提示された先のコース上に、オイルがあり路面が滑りやすくなっていることを知らせます。雨が降り出して路面が滑りやすくなったときや、コース上に砂利や落下物などがある場合にも提示されます。提示は不動表示で行われます。

 

 

ブルーフラッグ (青旗)

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ブルーフラッグ (青旗)は後方から速い車両が迫っているときに振られます。決勝においては周回遅れにされようとしている車両に対して振られます。

 

 

ホワイトフラッグ (白旗)

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ホワイトフラッグ (白旗)は振られた先に低速で走行する車両が存在することを知らせます。ストップした車両の撤去を行う作業車などがコース脇にいる場合にも振られます。

 

 

グリーンフラッグ (緑旗)

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グリーンフラッグ (緑旗)はコースクリアを意味します。イエローフラッグとセットで提示され、イエローフラッグの原因となった現場の前方のオブザベーションポストで提示されます。

 

 

黒白旗

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黒白旗 (黒と白に斜めに2分割された旗)はスポーツマン精神に反する行為を行ったドライバーにコントロールライン付近のオブザベーションポストでゼッケンボードと共に不動表示されます。

 

 

オレンジディスク旗

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オレンジディスク旗 (オレンジ色の円形(直径40cm)のある黒旗)はパーツが破損したり、オイルが漏れているなど機械的な欠陥がある車両に対してゼッケンボードと共に不動表示されます。オレンジボール旗と呼ばれる場合もあります。基本的にコントロールライン付近のオブザベーションポストで提示されます。

 

 

ブラックフラッグ (黒旗)

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ブラックフラッグ (黒旗)は失格を意味しコントロールライン付近のオブザベーションポストでゼッケンボードと共に不動表示されます。

 

 

チェッカーフラッグ

チェッカーフラッグはセッションの終了を示し、コントロールライン付近のオブザベーションポストのみで振られます。

 

 

国旗

レースのスタートは通常シグナルの点灯/消灯の合図によってドライバーに知らせますが、国旗による合図によってもレースをスタートさせることができます。

 

 

セーフティカー

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セーフティカーはコース上に危険な状態が存在し、レースを中断するまでもないときに導入されます。セーフティカーが導入されたらすべてのオブザベーションポストでSCボードが提示され、イエローフラッグが振られます。セーフティカー導入中はコース全域で追い越しが禁止されます。

 

 

インディカーシリーズのフラッグ運用ルール

北米で開催されているインディカーシリーズのフラッグルールは独自の運用ルールを定めています。そのため、F1に代表されるFIA公認のレースにおける国際モータースポーツ競技規則付則H項に準拠したフラッグの運用ルールと異なります。

 

 

二輪レースで使用されるフラッグ

MotoGPや鈴鹿8時間耐久ロードレース(鈴鹿8耐)に代表される二輪(バイク)のレースで使用されるフラッグの運用ルールは四輪レースと共通の部分が多いですが、細かい運用ルールは異なります。

 

 

デジタルフラッグ

人間がフラッグを振るのではなく、『デジタルフラッグ』と呼ばれるディスプレイにフラッグの色を表示させて、フラッグの運用を行うシステムが導入され始めています。

 

 

フラッグのサイズと色

四輪レースで使用されるフラッグのサイズは60cm×80cm以上、赤旗とチェッカーフラッグについては80cm×100cm以上と国際モータースポーツ競技規則 付則H項によって定められています。

また、フラッグの色はPANTONEコードで指定されています。

 

国際モータースポーツ競技規則 付則H項

(2019年4月5日発行版)

2.4.2 旗信号の仕様
寸法-信号旗の寸法は60cm×80cm以上とし、赤旗とチェッカーフラッグの寸法は80cm×100cm以上とする。
色彩-信号旗の色は、以下に定めるPANTONEコードに一致 すること。

 赤 : 186C
 黄 : YellowC
 青 : 298C
 緑 : 348C
 黒 : BlackC
 オレンジ : 151C