前回のシグナルの解説においてはレーススタートに先駆けて、競技車両がピットアウトし、フォーメーションラップを開始するまでの間のシグナルの点灯方法について解説しました。
今回はフォーメーションラップの開始からレースをスタートするまでの間のシグナルの点灯方法について解説します。前回と同様に、ここに記載している内容は『Recommended light signals for standing starts in circuit events』に記載の内容を日本語でわかりやすく解説したものになります。
FIAが定める方法以外でシグナルを運用する場合には、特別規則書に記載するなどして、ドライバーやチームへ周知する必要があります。
レーススタートにおけるシグナルの点灯方法②
レーススタートに向けてグリッドに着いた車両はフォーメーションラップに向けて最終調整を行います。そして、あらかじめ決められた時刻になるとフォーメーションラップが開始となります。各車両がフォーメーションラップを走行し、再びグリッドに着くと、レーススタートに向けてシグナルが点灯します。ここでは、F1でのフォーメーションラップ開始からレーススタートまでの間のシグナルの点灯方法について解説します。
フォーメーションラップ開始
フォーメーションラップの開始時刻になると、グリーンシグナルが点灯します。これがフォーメーションラップ開始の合図となります。競技車両はグリッドを離れ、フォーメーションラップを開始します。

フォーメーションラップ開始から30秒後
フォーメーションラップが開始されてから30秒が経過すると、レーススタートに向けて、点灯していたグリーンシグナルがすべて消灯されます。

すべての車両がグリッドに到着
フォーメーションラップを終えた車両から自身のグリッド着きます。最後尾の車両がグリッドに着き、すべての競技車両が正しくグリッドに着いたことが確認できたら、グリッド後方ではグリーンフラッグが振られます。スターターはレーススタートに向けてレッドシグナルの点灯を開始します。

4秒前
1秒ごとにレッドシグナルが1列ずつ点灯していきます。レーススタート4秒前。

3秒前
レーススタート3秒前

2秒前
レーススタート2秒前。

1秒前
レーススタート1秒前。

レーススタート
すべてのレッドシグナルが点灯してから、0.2秒から3.0秒経過した後にレッドシグナルが消灯します。このレッドシグナルの消灯がレーススタートの合図となります。レッドシグナル消灯のタイミングはスターターの裁量で決定します。

レースがスタートするとピットロード出口のシグナルがグリーンに点灯します。ピットスタートの車両はグリーン点灯後にコースインし、レースに加わることができます。レーススタートと同時にピットロード出口をオープンにすると、レースをスタートした車両とピットアウトする車両が交錯してしまうため、通常はレーススタートから少し遅れてピットロード出口のシグナルがグリーンに変わります。
ちなみに、JAF公認の国内で開催されるレースにおいては、レッドシグナル点灯から消灯までの時間は2秒から3秒と定められています。
レース中
レース中はグリッド前方のシグナルは消灯したままとなります。ピットロード出口のシグナルはグリーンが点灯します。
メインストレートを走行する車両がピットロード出口付近に差し掛かろうとしているとき、ピットロード出口のシグナルがブルーに点滅します。

まとめ
フォーメーションラップ開始からレーススタートまでのシグナルの点灯方法を解説しました。スタートの時、レッドシグナルが点灯してから消灯するまでの時間が0.2秒から3.0秒だったと知っていた方は少なかったのではないでしょうか。
ちなみに国内で開催されているレースにおいては、レッドシグナル点灯から消灯するまでの時間は2秒から3秒と定められているので注意が必要です。
次回は、スタートに向けてレッドシグナルが点灯している間に、エンジンストール車両が発生するなどして、スタートのやり直しとなった場合の点灯方法について解説したいと思います。
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