【12/1新着】F1 第15戦 バーレーンGP クビアト選手とストロール選手の接触

 

判定に納得できない時は『抗議』をする

 

モータースポーツの場合、他のスポーツと異なり、レースでの判定結果に不服がある場合は、『抗議』をすることができます。抗議をするにはレースごとに定められる抗議料を添えて、文書にて正式な手続きを行う必要があります。

ドライバーやチーム関係者がレースコントロールに行き、判定結果に対して『納得ができない』と不満を訴えることは抗議ではありません。

 

 

抗議をするには

抗議をするには、正当な根拠が必要になります。『危険な行為をされたからペナルティにして欲しい』といった理由では根拠にはなりません。レギュレーションに違反しているなどの証拠を示す必要があります。

正式に抗議を提出するには、抗議の内容を示す文書に署名をして、決められた時間内に大会競技長へ提出する必要があります。抗議を提出する時間が決められているため、レースの正式結果が発表された後では抗議は受け付けられません。

レギュレーションにおける抗議の内容は『国内競技規則』に記載されています。

 

国内競技規則

12-2 抗議の提出
競技参加者の抗議は、抗議の趣旨および理由を示す文書に署名の上(宛先は競技会審査委員会)、本連盟が規定する抗議料を添えて当該競技会競技長に提出しなければならない。競技長が不在の場合には、競技会事務局長に提出することができる。
抗議が正当と裁定された場合抗議料は返却される。

12-3 抗議の対象および時間制限
競技参加者が抗議できる事項は次の各号のみとし、特別規則または競技会審査委員会が特に指定する場合を除き、各々に指定された時間内に提出しなければならない。

1) 競技参加者、競技運転者の参加資格の有効性あるいはコースの長さに関する抗議は、その競技のスタートの1時間前までとする。
2) ハンディキャップまたはヒートの編成に対する抗議は、その競技のスタートの1時間前までとする。
3) 自己の車両に関する技術委員または車両検査員の決定に対する抗議は、決定直後とする。
4) 競技中の過失または反則に対する抗議、あるいは車両規則違反に対する抗議は、その競技の終了後30分以内とする。
5) 競技の順位に関する抗議は、その成績発表後30分以内とする。

12-10 無根拠もしくは邪意による抗議の禁止
1) 抗議に根拠がないと判明したときは、抗議料は没収される。

2) 邪意をもって行ったことが確認されたときは、本規則の違反と見なされ罰則が課せられる。

 

抗議の理由 (一例)

判定やレース結果に不服があれば、抗議をすることができます。抗議をする根拠を示すことができれば、どのような理由でも抗議することができます。

レギュレーション違反を行ったと考えられるチームを訴えたり、レースコントロールの判定結果が間違っているといった場合が一例として挙げられます。

当然ながら、車両規則に対する違反を抗議することもできます。抗議により、ライバルチームのエンジンをバラしてレギュレーションに適合しているかどうかを確認してもらうこともできます。

 

レース中の接触に対する判定結果への抗議

  • 過去のペナルティと判定された車両同士の接触の事例から、今回の接触はレーシングアクシデントではなく、相手に過失があると考えられる。
  • レース中にゼッケン○番に対して『黒白旗』が提示されたが、レギュレーションの内容や過去の裁定結果から『ドライブスルーペナルティ』が正しいのではないか。

 

技術違反に対する抗議

  • ゼッケン○番が使用している空力パーツの形状がレギュレーションに違反していると考えられる。
  • ゼッケン○番のストレートでのスピードが異常に速いため、エンジンがレギュレーションに適合しているかどうかを確認してほしい。

 

2018年 スーパーフォーミュラ 第3戦 スポーツランドSUGO

2018年にスポーツランドSUGOで開催されたスーパーフォーミュラ第3戦での公式予選Q1では、UOMO SUNOCO TEAM LEMANSのトム・ディルマン選手がマシントラブルにより車両をストップしました。

これにより、赤旗が提示され、車両回収のためセッションが一時中断となりました。このとき、ITOCHU ENEX TEAM IMPULの関口雄飛選手はQ1を通過できそうなラップタイムを記録していたため、セッション再開後に再度タイムアタックを行うことはしませんでした。

そのまま、公式予選Q1が終了し、関口雄飛選手はQ1を突破すると見られていましたが、突然、記録したラップタイムが削除され、Q1敗退となってしまいました。

Q1を突破したと考えらていたラップタイムはイエローフラッグ区間を通過していた周回に記録されていたとして、タイムを採択しないと判定されたためです。

赤旗中断中に、タイムが採択されないことが分かっていたら、再度タイムアタックをする機会があったとして、チームは納得することができず、正式に抗議文を提出しました。

審査委員会が抗議の内容を確認し調査した結果、抗議の内容は正当であると認められました。抗議料は返還され、大会競技長に注意喚起が行われました。しかしながら、関口選手の公式予選結果が変わることはありませんでした。

 

 

レース中に科されるペナルティに対する抗議

レース中にフラッグの無視や車両同士の接触行為などによって、『ドライブスルーペナルティ』や『ペナルティストップ』といったペナルティが科される場合があります。このようなレース中に科されるペナルティに対する抗議はできないことになっています。

判定結果に納得がいかず、科されたペナルティを消化することなく、無視して走行を続けると、更なるペナルティが科されたり、黒旗が提示されてレースを失格になったりする可能性があります。

抗議をする場合は、レース中に科されたペナルティを消化した上で、レース後に正式な手続きにより抗議をすれば良いだけです。

 

抗議に対する審査

正式に抗議が提出された場合、関係者への審問が行われ、そのレースイベントの大会審査委員会が抗議の裁定を行います。もし、抗議に対する裁定結果に不服がある場合は、JAFのモータースポーツ審査委員会へ『控訴』をすることができます。

控訴が行われた場合は、レース結果は暫定のままとなり、後日、再審査が行われます。

 

控訴 / 再控訴

控訴が行われた場合、モータースポーツ審査委員会によって再審査が行われ、控訴に対する裁定が行われます。

控訴に対する裁定結果にも不服がある場合は、JAFモータースポーツ中央審査委員会へ再控訴することができます。

JAFモータースポーツ中央審査委員会によって最終的な裁定が下され、レース結果が確定します。控訴や再控訴の内容はJAFが公開しますので、誰でも参照できるようになっています。

 

モータースポーツ審査委員会裁定 (一例)

 

JAFモータースポーツ中央審査委員会裁定 (一例)

 

抗議料 / 控訴料 (税込)

国内で開催されているレースにおいて正式に抗議もしくは控訴を行う場合に必要な抗議料、控訴料は以下のとおりとなっています。

高額ではありますが、抗議もしくは控訴が正当であると判断された場合、抗議料、控訴料は返還されます。その際の抗議料、控訴料は訴えられた側が支払うことになっています。

競技の格式 抗議料 控訴料
国際競技の場合 106,700円 266,900円
国内競技の場合 53,300円 160,200円
準国内、地方、クローズド競技の場合 21,200円 106,700円

また、JAFのモータースポーツ審査委員会に申請する控訴の場合は、控訴料は534,000円と定められています。

 

まとめ

モータースポーツの場合は、他チームの行為やレースコントロールの判定結果に不満がある場合、正当な根拠があれば抗議することができます。また、抗議の裁定結果に不服があってもさらに控訴できるシステムになっています。

ただし、抗議を行うには正当な根拠が必要になるため、抗議や控訴はあまり頻繁に行われることはありません。ドライバーやチーム関係者がレースコントロールに行き、不満を打ち上げることは少なくはないですが、これは抗議ではなく、不満や文句や愚痴といった部類に該当します。

他のスポーツでは記録された映像によって誤審を指摘されたとしても、審判が一度決定した判定結果が覆らないケースもあります。モータースポーツでは抗議や控訴によって一度決定された判定を覆すことが可能となっています。

 

 

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