2023年
SUPER GTの2023年シーズンからのスポーティングレギュレーションの主な変更点を紹介します。
基本的に2022年シーズンのスポーティングレギュレーションを踏襲しているため、大きな変更点はありませんが、フルコースイエロー(FCY)の運用手順や、使用できるタイヤの本数の変更、レースが当初の周回数を完了できなかった場合に与えられるポイントの変更など、いくつかの変更点があります。
フルコースイエロー(FCY)の運用手順の変更
2022年シーズンのSUPER GTでは、フルコースイエローが導入されるとき、まず、すべてのオブザベーションポストで『FCYボード』が提示されコース全域で追い越し禁止となり、その後、FCYボードに加えて『イエローフラッグ』が追加され、コース全域で80km/hの速度制限となる手順で運用されてきました。
2023年シーズンでは、FCYボードとイエローフラッグの提示順が逆となり、まず、すべてのオブザベーションポストで『イエローフラッグ』が振られてコース全域が追い越し禁止となり、その後、イエローフラッグに加えて『FCYボード』が提示され、コース全域で80km/hの速度制限となります。
~2022年シーズン
①FCYボード提示
コース全域で追い越し禁止
②FCYボード提示 + イエローフラッグ振動
コース全域で追い越し禁止、さらに、80km/hの速度制限
2023年シーズン
①イエローフラッグ振動
コース全域で追い越し禁止
②FCYボード提示 + イエローフラッグ振動
コース全域で追い越し禁止、さらに、80km/hの速度制限
ドライタイヤは5セット、ウェットタイヤ6セットまで
2022年シーズンのSUPER GTでは各大会ごとに使用できるドライタイヤのセット数は『6セット』、ウェットタイヤのセット数は『7セット』と定められていました。
2023年シーズンから、各大会ごとに使用できるドライタイヤのセット数が『5セット』、ウェットタイヤのセット数が『6セット』となり、それぞれ1セットずつ削減されます。
2022年シーズンと同様に、第2戦以降はタイヤ供給先のいずれのチームもシーズン未勝利の場合は1台あたりのドライタイヤ持込み本数を1セット追加することが認められています。
当初のレース周回数を完了できずに終了した場合に与えられるポイントの変更
レース中にレッドフラッグ(赤旗)が振られて中断となり、そのまま再開されることなく途中でレースが終了となったり、再開された場合でも最大レース時間の制約により当初の周回数を完了する前にレースが終了となる場合があります。
2022年シーズンまでは、レッドフラッグが振られてレースが中断となり再開できずにそのまま中止となった場合は、それまでに完了した周回数によって、与えられるポイントが変化しました。
2023年シーズンから、レースの中断や再開に関わらず、レースが当初の周回数を完了できずに終了となった場合、それまでに完了した周回数によって、与えられるポイントが変化することになりました。
先頭車両が2周回を完了する前に中止・終了した場合
レースは成立せず、ポイントは与えられません。
先頭車両が2周回を完了し、レース距離の75%未満で中止・終了した場合
レースは成立しますが、与えられるポイントは半分になります。
先頭車両がレース距離の75%以上を完了した後で中止・終了した場合
レースは成立し、通常のポイントが与えられます。
危険な行動、行動の定義の追加
SUPER GTの『GTA ドライビング・モラルハザード防止制度』で危険な行為、行動の定義として以下の2点が追加されました。
2022年の富士スピードウェイで開催された第2戦においてメインストレートで発生したアクシデントに起因する追加と考えられます。
- 『車両トラブルによりスロー走行となった場合の安全措置を怠り他車を危険な状態に陥らせる行為』
- 『ピットインの意思を示した、もしくはトラブルによるスロー走行車両の後方につく行為』が追加
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