2022年
2023年シーズンの内容については
こちらを参照ください。
SUPER GTはエンジンの排気量やレイアウト、ボディ形状、駆動方式などが異なる様々な車両が混走するレースシリーズであるため、車両の違いによって有利、不利が発生します。
GT500クラスは統一のテクニカルレギュレーションに準拠して車両やエンジンが開発されているため、通常は車両の違いによる性能調整は行われません。
GT300クラスに関しては、テクニカルレギュレーション自体が『GT300 (旧 JAF-GT300』、『GT300MC (旧 JAF-GT300MC)』、『FIA-GT3』と3種類あり、車両の大きさ、駆動方式、エンジンなどがそれぞれ異なることから、性能調整によって車両の違いによる性能差が均一化されています。
BoPは各大会ごとに見直され、すべての車両のパフォーマンスが高すぎないよう、低すぎないように車両の最低重量やエアリストリクターの径などが設定されます。
様々な種類の車両が争うSUPER GTですが、BoPによって車両間の性能差が調整され、レースの公平化が図られています。
BoP (Balance of Performance)
SUPER GTでは車両ごとの性能差の違いによる不公平を解消し、レースがより接戦となるように『BoP (Balance of Performance)』というシステムによって車両性能の均一化が図られています。BoPは日本語では『性能調整』という意味になります。
レースの開催前になると大会ごとにSUPER GTを統括するGTアソシエイションからBoPの対象となる車両と内容が発表されます。
BoPは主に以下の項目をレギュレーションで規定することで実現しています。
- 最低車両重量
- エアリストリクター径
- 最低地上高
- 最大過給圧
BoPは主にGT300、GT300MC、FIA-GT3といった複数の規格の車両が参戦するGT300クラスに対して行われます。
GT300クラスのFIA-GT3車両のBoPは世界的なFIA-GT3車両によるレースシリーズである『BLANCPAIN GT SERIES (ブランパンGTシリーズ)』を統括するSRO Motor Sports Groupが規定しているBoPを参考にして適用されています。
【参考】2019年 NSX-GTに対するBoP
2022年シーズンのGT500クラスの車両は『Class1 (クラス・ワン)』と呼ばれるテクニカルレギュレーションに準拠した車両とエンジンで構成されるため、GT500クラスの車両に対しては性能調整を行う必要がありません。
しかし、2019年シーズンまではHonda NSX-GTに対してBoPが適用されていました。
GT500クラスの車両はテクニカルレギュレーションでエンジンのレイアウトと駆動方式が『フロントエンジン・リアドライブ:FR』と定められていますが、NSX-GTは『ミッドシップエンジン・リアドライブ:MR』のレイアウトを採用していました。
市販車のNSXがミッドシップエンジンレイアウトを採用しているため、特例としてNSX-GTもミッドシップエンジンレイアウトの採用が認められたためです。
一般的に、ミッドシップエンジン車はフロントエンジン車に対してアドバンテージがあると考えられています。
BoPによって、フロントエンジン車の最低車両重量として定められている1020kgに対して、Honda NSX-GTの最低車両重量は1049kgに調整されました。
2020年シーズンからNSX-GTはClass1に準拠し、『フロントエンジン・リアドライブ:FR』のレイアウトを採用したため、GT500クラスの最低車両重量は1020kgに統一され、GT500クラスにおけるBoPは撤廃されました。
2019年 Honda NSX-GTに対するBoP
GT500クラス
対象車種 : HONDA NSX-GT
参加条件 : 競技車両最低重量 : 1049kg
但し、GTAが指定するバラストウェイトを指定位置に搭載しなければならない。
AUTOBACS SUPER GT SERIES
2022年 第8戦 モビリティリゾートもてぎ BoP
青文字は第7戦オートポリス大会からの変更点
GT500クラス
燃料流量リストリクターは 95.0kg/h を装着し、燃料補給装置 給油ホースリストリクター(内径 25.0mm)が引き続き適用される。
GT300クラス
GT300
車両 | 最低車重 | エアリストリクター | BoP重量 | 備考 |
SUBARU BRZ | 1150kg | None | +75kg | 過給圧は下表参照 |
TOYOTA PRIUS #31 | 1200kg | 29.08mm ×2 | +70kg | BoP重量はHybrid重量含む |
TOYOTA SUPRA | 1200kg | 29.08mm ×2 | +50kg | |
TOYOTA GR86 | 1200kg | 29.08mm ×2 | +50kg |
*2022年JAF国内競技車両規則第3章第10条10.3.2に従った燃料補給装置給油リストリクター(内径φ33.0mm)が適用される。
*最低地上高はスキッドブロック厚 10mm(±2mm)、基準面とスキッドブロックの間にスペーサー15mmを装着とする。
*燃料補給装置給油ホースリストリクター(内径φ27.5mm)が適用される。
GT300 Mother Chassis
車両 | 最低車重 | エアリストリクター | BoP重量 | 備考 |
TOYOTA 86 MC | 1100kg | 40.00mm x1 28.29mm x2 |
+100kg |
*2022年JAF国内競技車両規則第3章第10条10.3.2に従った燃料補給装置給油リストリクター(内径φ33.0mm)が適用される。
*最低地上高はスキッドブロック厚 10mm(±2mm)、基準面とスキッドブロックの間にスペーサー15mmを装着とする。
*燃料補給装置 給油ホースリストリクター(内径φ27.5mm)が適用される。
*車両に搭載できる燃料の総容量は110L以下とする。
FIA-GT3
車両 | 最低車重 | BoP重量 | エアリストリクター | 備考 |
HONDA NSX GT3 2022 | 1260kg | +35kg | None | |
AUDI R8 LMS 2022 | 1260kg | +35kg | 36mm x2 | |
BMW M4 GT3 | 1265kg | +35kg | None | |
Ferrari 488 GT3 2020 | 1260kg | +40kg | None | |
Lamborghini HURACAN GT3 2019 | 1230kg | +80kg | 39mm x2 | |
LEXUS RC F GT3 | 1300kg | +5kg | 40mm x2 | |
Mercedes AMG GT3 2020 | 1285kg | +35kg | 34.5mm x2 | Lambda Min 0.92 |
NISSAN GT-R NISMO GT3 | 1285kg | +35kg | None |
最大過給圧
GT300 | FIA-GT3 | ||||
SUBARU BRZ |
Ferrari 488 GT3 |
Honda NSX GT3 |
Nissan GT-R NISMO GT3 |
BMW M4 GT3 |
|
エンジン回転数 [rpm] |
過給圧レシオ @Lambda | ||||
4000 | 1.47 @0.90 | 1.87 @0.88 | 1.90 @0.88 | 2.33 @1.10 | |
4250 | 1.49 @0.90 | 2.38 @1.10 | |||
4500 | 1.51 @0.90 | 1.93 @0.88 | 1.87 @0.88 | 2.42 @1.10 | |
4750 | 3.95 @0.92 | 1.53 @0.90 | 2.45 @1.10 | ||
5000 | 3.88 @0.92 | 1.55 @0.90 | 1.95 @0.88 | 1.85 @0.88 | 2.48 @1.10 |
5250 | 3.70 @0.92 | 1.57 @0.90 | 2.56 @1.10 | ||
5500 | 3.49 @0.92 | 1.58 @0.90 | 1.97 @0.88 | 1.79 @0.88 | 2.63 @1.10 |
5750 | 3.31 @0.92 | 1.59 @0.90 | 2.66 @1.10 | ||
6000 | 3.10 @0.92 | 1.58 @0.90 | 1.99 @0.88 | 1.76 @0.88 | 2.69 @1.10 |
6250 | 2.94 @0.92 | 1.57 @0.90 | 2.71 @1.10 | ||
6500 | 2.81 @0.92 | 1.56 @0.90 | 2.01 @0.88 | 1.73 @0.88 | 2.61 @1.10 |
6750 | 2.74 @0.92 | 1.55 @0.90 | 2.51 @1.10 | ||
6900 | 1.69 @0.88 | ||||
>/ 7000 | 2.59 @0.92 | 1.53 @0.90 | 1.99 @0.88 | 1.51 @0.88 | 2.38 @1.10 |
>/ 7250 | 2.43 @0.92 | 1.49 @0.90 | 2.23 @1.10 | ||
>/ 7500 | 2.29 @0.92 | 1.47 @0.90 | 1.96 @0.88 | 2.10 @1.10 | |
8000 | 1.30 @0.90 | 1.50 @0.88 | |||
8100 |
*上記過給圧は過給圧レシオであり、GTA が公示する基準大気圧に上記レシオをかけて最大過給圧が決定される。
*チームは各イベントにおいて GTA が発表する現地大気圧に合わせて過給圧を調整しなければならない。
©GTA
青文字は第6戦スポーツランドSUGO大会からの変更点
GT500クラス
SpR第23条サクセスウェイト制に従った燃料流量リストリクターを装着すること。 燃料補給装置 給油ホースリストリクター(内径 25.0mm)が引き続き適用される。
GT300クラス
GT300
車両 | 最低車重 | エアリストリクター | BoP重量 | 備考 |
SUBARU BRZ | 1150kg | None | +75kg | 過給圧は下表参照 |
TOYOTA PRIUS #31 | 1200kg | 29.08mm ×2 | +70kg | BoP重量はHybrid重量含む |
TOYOTA SUPRA | 1200kg | 29.08mm ×2 | +50kg | |
TOYOTA GR86 | 1200kg | 29.08mm ×2 | +50kg |
*2022年JAF国内競技車両規則第3章第10条10.3.2に従った燃料補給装置給油リストリクター(内径φ33.0mm)が適用される。
*最低地上高はスキッドブロック厚 10mm(±2mm)、基準面とスキッドブロックの間にスペーサー15mmを装着とする。
*燃料補給装置給油ホースリストリクター(内径φ27.5mm)が適用される。
GT300 Mother Chassis
車両 | 最低車重 | エアリストリクター | BoP重量 | 備考 |
TOYOTA 86 MC | 1100kg | 40.00mm x1 28.29mm x2 |
+100kg |
*2022年JAF国内競技車両規則第3章第10条10.3.2に従った燃料補給装置給油リストリクター(内径φ33.0mm)が適用される。
*最低地上高はスキッドブロック厚 10mm(±2mm)、基準面とスキッドブロックの間にスペーサー15mmを装着とする。
*燃料補給装置 給油ホースリストリクター(内径φ27.5mm)が適用される。
*車両に搭載できる燃料の総容量は110L以下とする。
FIA-GT3
車両 | 最低車重 | BoP重量 | エアリストリクター | 備考 |
HONDA NSX GT3 2022 | 1260kg | +45kg | None | |
AUDI R8 LMS 2022 | 1260kg | +40kg | 36mm x2 | |
BMW M4 GT3 | 1265kg | +40kg | None | |
Ferrari 488 GT3 2020 | 1260kg | +45kg | None | |
Lamborghini HURACAN GT3 2019 | 1230kg | +85kg | 39mm x2 | |
LEXUS RC F GT3 | 1300kg | +10kg | 40mm x2 | |
Mercedes AMG GT3 2020 | 1285kg | +40kg | 34.5mm x2 | Lambda Min 0.91 |
NISSAN GT-R NISMO GT3 | 1285kg | +35kg | None |
最大過給圧
GT300 | FIA-GT3 | ||||
SUBARU BRZ |
Ferrari 488 GT3 |
Honda NSX GT3 |
Nissan GT-R NISMO GT3 |
BMW M4 GT3 |
|
エンジン回転数 [rpm] |
過給圧レシオ @Lambda | ||||
4000 | 1.47 @0.90 | 1.87 @0.88 | 1.90 @0.88 | 2.33 @1.10 | |
4250 | 1.49 @0.90 | 2.38 @1.10 | |||
4500 | 1.51 @0.90 | 1.93 @0.88 | 1.87 @0.88 | 2.42 @1.10 | |
4750 | 3.95 @0.92 | 1.53 @0.90 | 2.45 @1.10 | ||
5000 | 3.88 @0.92 | 1.55 @0.90 | 1.95 @0.88 | 1.85 @0.88 | 2.48 @1.10 |
5250 | 3.70 @0.92 | 1.57 @0.90 | 2.55 @1.10 | ||
5500 | 3.49 @0.92 | 1.58 @0.90 | 1.97 @0.88 | 1.79 @0.88 | 2.62 @1.10 |
5750 | 3.31 @0.92 | 1.59 @0.90 | 2.65 @1.10 | ||
6000 | 3.10 @0.92 | 1.58 @0.90 | 1.99 @0.88 | 1.76 @0.88 | 2.68 @1.10 |
6250 | 2.94 @0.92 | 1.57 @0.90 | 2.71 @1.10 | ||
6500 | 2.81 @0.92 | 1.56 @0.90 | 2.01 @0.88 | 1.73 @0.88 | 2.61 @1.10 |
6750 | 2.74 @0.92 | 1.55 @0.90 | 2.51 @1.10 | ||
6900 | 1.69 @0.88 | ||||
>/ 7000 | 2.59 @0.92 | 1.53 @0.90 | 1.99 @0.88 | 1.51 @0.88 | 2.38 @1.10 |
>/ 7250 | 2.43 @0.92 | 1.49 @0.90 | 2.23 @1.10 | ||
>/ 7500 | 2.29 @0.92 | 1.47 @0.90 | 1.96 @0.88 | 2.10 @1.10 | |
8000 | 1.30 @0.90 | 1.50 @0.88 | |||
8100 |
*上記過給圧は過給圧レシオであり、GTA が公示する基準大気圧に上記レシオをかけて最大過給圧が決定される。
*チームは各イベントにおいて GTA が発表する現地大気圧に合わせて過給圧を調整しなければならない。
©GTA
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