2024年 F1 第24戦 アブダビGP 開催概要

 

2020年 SUPER GTにおけるBoPによる車両の性能調整

2020年

 

2021年シーズンの内容については
こちらを参照ください。

 

SUPER GTはエンジン排気量やレイアウト、ボディ形状などが異なる様々な車両が混走するカテゴリーであるため、車両の違いによって有利、不利が発生します。その車両違いによる不公平を解消し、レースがより接戦となるように『BoP(Balance of Performance)』というシステムによって車両性能の均一化が図られています。BoPは日本語では『性能調整』という意味になります。

レース開催前になると大会毎にGTAからBoPの対象となる車両と内容が発表されます。BoPの内容は主に以下のようになっています。

  • 最低車両重量
  • エアリストリクター径
  • 最低地上高
  • 最大過給圧

 

BoPは主にJAF-GTやFIA-GT3など様々な規格の車両があるGT300クラスに対して行われます。

GT300クラスのFIA-GT3車両のBoPは世界的なFIA-GT3車両によるレースシリーズである『BLANCPAIN GT SERIES (ブランパンGTシリーズ)』を統括するSRO Motor Sports Groupが規定しているBoPを参考にして適用されています。

 

 

【参考】2019年 NSX-GTに対するBoP

GT500クラスの車両は『JAF-GT500』という車両統一規則に則って制作されるため、通常はGT500クラスの車両は性能調整を行う必要がありません。

車両規則ではGT500クラスの車両は『フロントエンジン・リアドライブ:FR』と規定されてます。しかしながら、2019年シーズンまではHonda NSX-GTは『ミッドシップエンジン・リアドライブ:MR』のレイアウトを採用していました。市販車のNSXがミッドシップエンジンレイアウトを採用しているため、特例としてNSX-GTもミッドシップエンジンレイアウトの採用が認められたためです。

一般的に、ミッドシップエンジン車はフロントエンジン車に対してアドバンテージがあると考えられています。そこで2019年シーズンまではHonda NSX-GTに対してBoPが適用され、フロントエンジン車の最低車両重量1020kgに対して、Honda NSX-GTの最低車両重量は1049kgに調整されていました。

2020年シーズンからHonda NSX-GTも車両統一規則に則り、『フロントエンジン・リアドライブ:FR』のレイアウトを採用するため、GT500クラスの最低車両重量は1020kgに統一されることになります。

 

2019年 Honda NSX-GTに対するBoP

GT500クラス

対象車種 : HONDA NSX-GT
参加条件 : 競技車両最低重量 : 1049kg
但し、GTAが指定するバラストウェイトを指定位置に搭載しなければならない。

 

 

2020 SUPER GT 第8戦 富士スピードウェイ BoP

青文字は第7戦からの変更箇所

 GT300クラス

JAF-GT300

車両 最低車重 エアリストリクター BoP 重量 備考
TOYOTA PRIUS #30 1200kg 29.67mm ×2 +25kg HYBRID重量:無し(非搭載)
TOYOTA PRIUS #31 1200kg 30.27mm ×2 +25kg HYBRID重量:+51.0kg
SUBARU BRZ 1150kg None +15kg *過給圧は下表参照
TOYOTA SUPRA 1200kg 29.67mm ×2 +25kg  

*最低地上高はスキッドブロック厚10mm(±2mm)、基準面とスキッドブロックの間にスペーサー15mmを装着とする。

*燃料補給装置 流量リストクター(内径27.5mm)は適用しない。

 

JAF-GT300 マザーシャシー

車両 最低車重 エアリストリクター BoP重量 備考
TOYOTA 86 MC
LOTUS Evora MC
1100kg 40.00mm x1 28.29mm x2 +35kg  

*最低地上高はスキッドブロック厚10mm(±2mm)、基準面とスキッドブロックの間にスペーサー15mmを装着とする。

*燃料補給装置 流量リストクター(内径31.2mm)が適用される。

 

FIA-GT3

車両 最低車重 BoP 重量 エアリストリクター 備考
HONDA NSX GT3 EVO 1260kg +70kg None *過給圧は下表参照
Aston Martin AMR Vantage GT3 1285kg +20kg None *過給圧は下表参照
AUDI R8 LMS EVO 1235kg +90kg 41mm x2  
BMW M6 GT3 1290kg +20kg None *過給圧は下表参照
Lamborghini HURACAN GT3 2019 1230kg +90kg 40mm x2  
LEXUS RC F GT3 1300kg +45kg 40mm x2  
Mercedes-Benz AMG GT GT3 1285kg +60kg 36mm x2 Lambda Min 0.92
NISSAN GT-R NISMO GT3 1285kg +35kg None *過給圧は下表参照
Porsche 991 GT3-R 1230kg +50kg 43mm x2  

 

最大過給圧

  JAF-GT300 FIA-GT3
SUBARU BRZ Aston Martin AMR Vantage GT3 HONDA NSX GT3 NISSAN GT-R NISMO GT3 BMW M6 GT3
エンジン回転数 過給圧レシオ @Lambda        
[rpm]          
4000   1.54 @0.91 1.87 @0.88 1.94 @0.88 1.78 @0.92
4250         1.83 @0.92
4500   1.64 @0.91 1.93 @0.88 1.93 @0.88 1.86 @0.92
4750 4.11 @0.92       1.89 @0.92
5000 4.04 @0.92 1.75 @0.91 1.95 @0.88 1.90 @0.88 1.91 @0.92
5250 3.85 @0.92       1.94 @0.92
5500 3.64 @0.92 1.79 @0.91 1.97 @0.88 1.88 @0.88 1.96 @0.92
5750 3.45 @0.92       1.94 @0.92
6000 3.23 @0.92 1.81 @0.91 1.99 @0.88 1.85 @0.88 1.91 @0.92
6250 3.06 @0.92       1.89 @0.92
6500 2.93 @0.92 1.82 @0.91 2.00 @0.88 1.81 @0.88 1.75 @0.92
6750 2.85 @0.92 1.79 @0.91     1.66 @0.92
6900       1.79 @0.88  
>/ 7000 2.70 @0.92 1.77 @0.91 1.99 @0.88 1.51 @0.88 1.62 @0.92
>/ 7250 2.53 @0.92        
>/ 7500 2.39 @0.92   1.95 @0.88    
8000          
8100          

*上記過給圧は過給圧レシオであり、GTA が公示する基準大気圧に上記レシオをかけて最大過給圧が決定される。

*チームは各イベントにおいて GTA が発表する現地大気圧に合わせて過給圧を調整しなければならない。

©GTA

 

 

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