2021年
2022年シーズンの内容については
こちらを参照ください。
SUPER GTはエンジンの排気量やレイアウト、ボディ形状、駆動方式などが異なる様々な車両が混走するレースシリーズであるため、車両の違いによって有利、不利が発生します。
GT500クラスは統一のテクニカルレギュレーションに準拠して車両やエンジンが開発されているため、通常は車両の違いによる性能調整は行われません。
GT300クラスに関しては、テクニカルレギュレーション自体が『GT300 (旧 JAF-GT300』、『GT300MC (旧 JAF-GT300MC)』、『FIA-GT3』と3種類あり、車両の種類も多いことから、性能調整によって、車両の違いによる性能差が調整され、レースの公平化が図られています。
BoP (Balance of Performance)
SUPER GTでは車両ごとの性能差の違いによる不公平を解消し、レースがより接戦となるように『BoP (Balance of Performance)』というシステムによって車両性能の均一化が図られています。BoPは日本語では『性能調整』という意味になります。
レースの開催前になると大会ごとにSUPER GTを統括するGTアソシエーションからBoPの対象となる車両と内容が発表されます。
BoPの内容は主に以下のようになっています。
- 最低車両重量
- エアリストリクター径
- 最低地上高
- 最大過給圧
BoPは主にGT300、GT300MC、FIA-GT3といった複数の規格の車両が参戦するGT300クラスに対して行われます。
GT300クラスのFIA-GT3車両のBoPは世界的なFIA-GT3車両によるレースシリーズである『BLANCPAIN GT SERIES (ブランパンGTシリーズ)』を統括するSRO Motor Sports Groupが規定しているBoPを参考にして適用されています。
【参考】2019年 NSX-GTに対するBoP
GT500クラスの車両は『Class1 (クラス・ワン)』と呼ばれるテクニカルレギュレーションに準拠した車両とエンジンで構成されるため、GT500クラスの車両に対しては性能調整を行う必要がありません。
GT500クラスの車両はテクニカルレギュレーションではエンジンのレイアウトと駆動方式は『フロントエンジン・リアドライブ:FR』と定められています。
しかしながら、2019年シーズンまではHonda NSX-GTは『ミッドシップエンジン・リアドライブ:MR』のレイアウトを採用していました。
市販車のNSXがミッドシップエンジンレイアウトを採用しているため、特例としてNSX-GTもミッドシップエンジンレイアウトの採用が認められたためです。
一般的に、ミッドシップエンジン車はフロントエンジン車に対してアドバンテージがあると考えられています。そこで2019年シーズンまではHonda NSX-GTに対してBoPが適用されていました。
フロントエンジン車の最低車両重量として定められている1020kgに対して、Honda NSX-GTの最低車両重量はBoPによって1049kgに調整されていました。
2020年シーズンからHonda NSX-GTもClass1に準拠し、『フロントエンジン・リアドライブ:FR』のレイアウトを採用するため、GT500クラスの最低車両重量は1020kgに統一されました。
2019年 Honda NSX-GTに対するBoP
GT500クラス
対象車種 : HONDA NSX-GT
参加条件 : 競技車両最低重量 : 1049kg
但し、GTAが指定するバラストウェイトを指定位置に搭載しなければならない。
AUTOBACS SUPER GT SERIES
2021年 第8戦 富士スピードウェイ BoP
青文字は2021年 第7戦 ツインリンクもてぎ大会からの変更箇所
GT500クラス
絞り燃料補給装置 給油ホースリストリクター(内径 25.0mm)が引き続き適用される。
GT300クラス
GT300
車両 | 最低車重 | エアリストリクター | BoP 重量 | 備考 |
TOYOTA PRIUS #30 | 1200kg | 29.67mm ×2 | +50kg | HYBRID重量:無し(非搭載) |
TOYOTA PRIUS #31 | 1200kg | 29.67mm ×2 | +50kg | HYBRID重量:+51.0kg |
SUBARU BRZ | 1150kg | None | +50kg | *過給圧は下表参照 |
TOYOTA SUPRA | 1200kg | 29.67mm ×2 | +50kg |
*最低地上高はスキッドブロック厚10mm(±2mm)、基準面とスキッドブロックの間にスペーサー15mmを装着とする。
*燃料補給装置 流量リストクター(内径27.5mm)が適用される。
GT300 Mother Chassis
車両 | 最低車重 | エアリストリクター | BoP重量 | 備考 | |
TOYOTA 86 MC | 1100kg | 40.00mm x1 | 28.29mm x2 | +50kg | |
LOTUS Evora MC | 1100kg | 40.00mm x1 | 28.29mm x2 | +60kg | BoP 重量 10kg は GTA 指定位置に搭載 |
*最低地上高はスキッドブロック厚10mm(±2mm)、基準面とスキッドブロックの間にスペーサー15mmを装着とする。
*燃料補給装置 給油ホースリストクター(内径31.2mm)が適用される。
FIA-GT3
車両 | 最低車重 | BoP 重量 | エアリストリクター | 備考 |
HONDA NSX GT3 EVO | 1260kg | +70kg | None | |
Ferrari 488 GT3 2018 | 1260kg | +30kg | None | |
AUDI R8 LMS EVO | 1235kg | +85kg | 41mm x2 | |
BMW M6 GT3 | 1290kg | +25kg | None | |
Lamborghini HURACAN GT3 2019 | 1230kg | +90kg | 40mm x2 | |
LEXUS RC F GT3 | 1300kg | +35kg | 40mm x2 | |
Mercedes-Benz AMG GT GT3 | 1285kg | +55kg | 36mm x2 | Lambda Min 0.92 |
NISSAN GT-R NISMO GT3 | 1285kg | +40kg | None | |
Porsche 991 GT3-R | 1235kg | +45kg | 43mm x2 |
最大過給圧
GT300 | FIA-GT3 | ||||
SUBARU BRZ |
Ferrari 488 GT3 |
HONDA NSX GT3 |
NISSAN GT-R NISMO GT3 |
BMW M6 GT3 |
|
エンジン回転数 | 過給圧レシオ @Lambda | ||||
[rpm] | |||||
4000 | 1.47 @0.90 | 1.87 @0.88 | 1.94 @0.88 | 1.78 @0.92 | |
4250 | 1.49 @0.90 | 1.83 @0.92 | |||
4500 | 1.51 @0.90 | 1.93 @0.88 | 1.93 @0.88 | 1.86 @0.92 | |
4750 | 4.11 @0.92 | 1.53 @0.90 | 1.89 @0.92 | ||
5000 | 4.04 @0.92 | 1.56 @0.90 | 1.95 @0.88 | 1.90 @0.88 | 1.91 @0.92 |
5250 | 3.85 @0.92 | 1.58 @0.90 | 1.95 @0.92 | ||
5500 | 3.64 @0.92 | 1.60 @0.90 | 1.97 @0.88 | 1.85 @0.88 | 1.96 @0.92 |
5750 | 3.45 @0.92 | 1.61 @0.90 | 1.95 @0.92 | ||
6000 | 3.23 @0.92 | 1.60 @0.90 | 1.99 @0.88 | 1.82 @0.88 | 1.91 @0.92 |
6250 | 3.06 @0.92 | 1.59 @0.90 | 1.89 @0.92 | ||
6500 | 2.93 @0.92 | 1.58 @0.90 | 2.00 @0.88 | 1.78 @0.88 | 1.75 @0.92 |
6750 | 2.85 @0.92 | 1.56 @0.90 | 1.66 @0.92 | ||
6900 | 1.76 @0.88 | ||||
>/ 7000 | 2.70 @0.92 | 1.54 @0.90 | 1.97 @0.88 | 1.51 @0.88 | 1.62 @0.92 |
>/ 7250 | 2.53 @0.92 | 1.49 @0.90 | |||
>/ 7500 | 2.39 @0.92 | 1.47 @0.90 | 1.95 @0.88 | ||
8000 | 1.30 @0.90 | 1.50 @0.88 | |||
8100 |
*上記過給圧は過給圧レシオであり、GTA が公示する基準大気圧に上記レシオをかけて最大過給圧が決定される。
*チームは各イベントにおいて GTA が発表する現地大気圧に合わせて過給圧を調整しなければならない。
©GTA
青文字は2021年 第6戦 オートポリス大会からの変更箇所
GT500クラス
絞り燃料補給装置 給油ホースリストリクター(内径 25.0mm)が引き続き適用される。
GT300クラス
GT300
車両 | 最低車重 | エアリストリクター | BoP 重量 | 備考 |
TOYOTA PRIUS #30 | 1200kg | 29.67mm ×2 | +50kg | HYBRID重量:無し(非搭載) |
TOYOTA PRIUS #31 | 1250kg | 30.27mm ×2 | +50kg | HYBRID重量:+51.0kg |
SUBARU BRZ | 1150kg | None | +50kg | *過給圧は下表参照 |
TOYOTA SUPRA | 1200kg | 29.67mm ×2 | +50kg |
*最低地上高はスキッドブロック厚10mm(±2mm)、基準面とスキッドブロックの間にスペーサー15mmを装着とする。
*燃料補給装置 流量リストクター(内径27.5mm)が適用される。
GT300 Mother Chassis
車両 | 最低車重 | エアリストリクター | BoP重量 | 備考 | |
TOYOTA 86 MC | 1100kg | 40.00mm x1 | 28.29mm x2 | +70kg | |
LOTUS Evora MC | 1100kg | 40.00mm x1 | 28.29mm x2 | +80kg | BoP 重量 10kg は GTA 指定位置に搭載 |
*最低地上高はスキッドブロック厚10mm(±2mm)、基準面とスキッドブロックの間にスペーサー15mmを装着とする。
*燃料補給装置 給油ホースリストクター(内径31.2mm)が適用される。
FIA-GT3
車両 | 最低車重 | BoP 重量 | エアリストリクター | 備考 |
HONDA NSX GT3 EVO | 1260kg | +50kg | None | |
Ferrari 488 GT3 2018 | 1260kg | +20kg | None | |
AUDI R8 LMS EVO | 1235kg | +60kg | 40mm x2 | |
BMW M6 GT3 | 1290kg | +15kg | None | |
Lamborghini HURACAN GT3 2019 | 1230kg | +85kg | 39mm x2 | |
LEXUS RC F GT3 | 1300kg | +10kg | 40mm x2 | |
Mercedes-Benz AMG GT GT3 | 1285kg | +45kg | 34.5mm x2 | Lambda Min 0.91 |
NISSAN GT-R NISMO GT3 | 1285kg | +40kg | None | |
Porsche 991 GT3-R | 1235kg | +40kg | 41.5mm x2 |
最大過給圧
GT300 | FIA-GT3 | ||||
SUBARU BRZ |
Ferrari 488 GT3 |
HONDA NSX GT3 |
NISSAN GT-R NISMO GT3 |
BMW M6 GT3 |
|
エンジン回転数 | 過給圧レシオ @Lambda | ||||
[rpm] | |||||
4000 | 1.47 @0.90 | 1.87 @0.88 | 1.94 @0.88 | 1.78 @0.92 | |
4250 | 1.49 @0.90 | 1.83 @0.92 | |||
4500 | 1.51 @0.90 | 1.93 @0.88 | 1.93 @0.88 | 1.86 @0.92 | |
4750 | 4.11 @0.92 | 1.53 @0.90 | 1.92 @0.92 | ||
5000 | 4.04 @0.92 | 1.55 @0.90 | 1.95 @0.88 | 1.90 @0.88 | 1.94 @0.92 |
5250 | 3.85 @0.92 | 1.57 @0.90 | 1.96 @0.92 | ||
5500 | 3.64 @0.92 | 1.59 @0.90 | 1.97 @0.88 | 1.85 @0.88 | 1.98 @0.92 |
5750 | 3.45 @0.92 | 1.60 @0.90 | 1.96 @0.92 | ||
6000 | 3.23 @0.92 | 1.60 @0.90 | 1.99 @0.88 | 1.81 @0.88 | 1.94 @0.92 |
6250 | 3.06 @0.92 | 1.59 @0.90 | 1.92 @0.92 | ||
6500 | 2.93 @0.92 | 1.58 @0.90 | 2.00 @0.88 | 1.77 @0.88 | 1.78 @0.92 |
6750 | 2.85 @0.92 | 1.57 @0.90 | 1.66 @0.92 | ||
6900 | 1.75 @0.88 | ||||
>/ 7000 | 2.70 @0.92 | 1.55 @0.90 | 1.98 @0.88 | 1.51 @0.88 | 1.62 @0.92 |
>/ 7250 | 2.53 @0.92 | 1.49 @0.90 | |||
>/ 7500 | 2.39 @0.92 | 1.47 @0.90 | 1.94 @0.88 | ||
8000 | 1.30 @0.90 | 1.50 @0.88 | |||
8100 |
*上記過給圧は過給圧レシオであり、GTA が公示する基準大気圧に上記レシオをかけて最大過給圧が決定される。
*チームは各イベントにおいて GTA が発表する現地大気圧に合わせて過給圧を調整しなければならない。
©GTA
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