2024年 F1 第22戦 ラスベガスGP 開催概要

 

2023年 F1レギュレーションの主な変更内容

2023年

 

2023年シーズンのF1のレギュレーションの主な変更点をまとめました。

2023年のレギュレーションは基本的には2022年シーズンのレギュレーションを踏襲したものとなっており、大きく変化したところは特に無いと言えます。

本記事では2023年シーズンの主なレギュレーションについてまとめていますが、すべての主要な変更点を網羅できていなかったり、シーズンが開幕するまでレギュレーションが改訂されることもありますが、随時対応していきたいと考えています。

 

 

 

スプリント シュートアウトの追加

2021年シーズンから特定のグランプリにおいて土曜日に約100kmのレース距離で争われる『スプリント』が開催されてきました。

2022年シーズンまでは、スプリントのスターティンググリッドは金曜日の午後に行われる公式予選で決定し、スプリントの順位で決勝のスターティンググリッドを決定していました。

2023年シーズンから、金曜日の午後に行われる公式予選で日曜日に行われる決勝のスターティンググリッドを決め、土曜日に行われる『スプリント シュートアウト』でスプリントのスターティンググリッドを決定するフォーマットへ変更となりました。

スプリント シュートアウトは公式予選のQ1、Q2、Q3のように『SQ1』、『SQ2』、『SQ3』と呼ばれる3つのセッションで構成されます。

12分間のSQ1で16~20位を決定、10分間のSQ2で11~15位を決定、8分間のSQ3で1~10位を決定し、順位に応じてスプリントのスターティンググリッドを決定します。

スプリント シュートアウトでは、SQ1とSQ2はそれぞれ新品のミディアムタイヤ、SQ3は新品のドライタイヤを使用しなければなりません。

 

 

 

パワーユニット各コンポーネントの使用制限数の変更

2014年から採用されている現在のF1のパワーユニットは、ICE、MGU-K、MGU-H、ES、TC、CE、EXの7つの各コンポーネントから構成されています。

これらのパワーユニットを構成する7つの各コンポーネントはシーズンを通して使用できる数が制限されています。

当初、2023年シーズンにおける各コンポーネントの使用制限数は2022年シーズンから変更が無い予定でしたが、第4戦アゼルバイジャングランプリに先立ち、スポーティングレギュレーションの改訂が行われ、ICE、MGU-K、MGU-H、TCについては『年間3基まで』から『年間4基まで』に改められることになりました。

 

ICE、MGU-K、MGU-H、TC

年間3基まで → 年間4基まで (第4戦以降)

 

 

 

ピットロードオープン時間の変更

決勝のフォーメーションラップ開始時刻を起点として決勝に向けてのスタート進行が行われますが、2023年4月25日のレギュレーション変更においてピットロードがオープンとなる時間が変更となりました。

第3戦まではピットロードがオープンとなる時刻はフォーメーションラップ開始時刻の40分前、クローズとなる時刻はフォーメーションラップ開始時刻の30分前と定められていました。

 

ピットロードオープン時刻
フォーメーションラップ開始時刻の50分前

コースイン可能 (10分間)

ピットロードクローズ時刻
フォーメーションラップ開始時刻の40分前

 

 

 

ATAフォーマットによるドライタイヤ供給

2023年シーズンから『ATA (Alternative Tyre Allocation オルタナティブ・タイヤ・アロケーション)』と呼ばれる新たなドライタイヤ供給フォーマットが適用される場合があります。

ATAが適用される場合、供給されるドライタイヤのコンパウンドの内訳が通常の13セットと異なり、ハードが3セット、ミディアムが4セット、ソフトが4セットの合計11セットとなります。

また、公式予選ではQ1、Q2、Q3の各セッションで装着できるタイヤのコンパウンドが定められており、Q1ではハード、Q2ではミディアム、Q3ではソフトを装着しなければなりません。

 

ATA (Alternative Tyre Allocation) フォーマット
11セット

 

通常フォーマット
13セット

 

 

 

Q0タイヤの追加

F1では2019年シーズンからピレリは5種類のドライタイヤのコンパウンドを供給してきましたが、2023年シーズンから1種類追加され、6種類へ変更となりました。

2022年シーズンで最もハードだった『C0』とその次にハードの『C1』の間に新たなコンパウンドが追加されました。2023年シーズンでは、この新たなコンパウンドが『C1』となり、2022年シーズンでC1だったコンパウンドが『C0』になります。

 

 

 

 

スプリントの開催が3戦から6戦へ拡大

2022年シーズンのF1は全23戦のうち、第4戦エミリア・ロマーニャグランプリ、第11戦オーストリアグランプリ、第22戦サンパウログランプリの3戦でスプリントが開催されましたが、2023年シーズンは6戦でスプリントが開催されることとなりました。

2023年シーズンの全23戦のうち、第4戦アゼルバイジャングランプリ、第10戦オーストリアグランプリ、第13戦ベルギーグランプリ、第18戦カタールグランプリ、第19戦アメリカグランプリ、第21戦サンパウログランプリの全6戦でスプリントが開催されます。

 

2023年スプリント開催グランプリ

  • 第4戦 アゼルバイジャングランプリ
  • 第10戦 オーストリアグランプリ
  • 第13戦 ベルギーグランプリ
  • 第18戦 カタールグランプリ
  • 第19戦 アメリカグランプリ
  • 第21戦 サンパウログランプリ

 

 

 

中断を含む最大レース時間は3時間と1周

2022年シーズンではアクシデントや悪天候などの理由でレースが中断となった場合、中断時間を含むレース時間が『3時間を経過した周が最終周』となり、その周の最後でチェッカーフラッグが振られてレースが終了となっていました。

2023年シーズンでは中断時間を含むレース時間が『3時間を経過した次の周が最終周』となることがレギュレーションに明記されました。3時間が経過した次の周の最後にチェッカーフラッグが振られてレースが終了となります。

スプリントにおいては、中断時間を含む最大レース時間は1時間30分と定められています。中断時間を含むレース時間が1時間30分を経過した次の周の最後にチェッカーフラッグが振られてレースが終了となります。

 

 

 

レースが予定の周回数を完了できなかった場合に与えられるポイント数の変更

2022年シーズンまでは、アクシデントや悪天候などによりレースが中断となり再開できずにそのまま終了した場合は、それまでに完了していた周回数に応じて、与えられるポイントが変わりました。

2023年シーズンではレースが中断となったものの、その後再開され、最大レース時間によってレースが予定の周回数を完了できなかった場合、レースが再開できたかどうかによらず、予定の周回数よりも少ない周回数で終了した場合は、それまでに完了した周回数に応じて与えられるポイントが変わることとなりました。

 

先頭車両が2周回を完了できなかった場合

レースは成立したと認められず、ドライバーズポイントやコンストラクターズポイントは与えられません。

 

SC、VSCの介入無しで先頭車両が2周回を完了できなかった場合

セーフティカー(SC)やバーチャル・セーフティカー(VSC)が導入され、セーフティカーやバーチャル・セーフティカーが介入されていない状態で先頭車両が2周回を完了していない場合は、レースは成立したと認められず、ドライバーズポイントやコンストラクターズポイントは与えられません。

 

先頭車両が2周回を完了し、レース距離の25%未満だった場合

レースは成立したと認められますが、与えられるドライバーズポイントやコンストラクターズポイントは以下のとおりになります。

 

1位 2位 3位 4位 5位
6 4 3 2 1

 

先頭車両がレース距離の25%を完了したが、レース距離の50%未満だった場合

レースは成立したと認められますが、与えられるドライバーズポイントやコンストラクターズポイントは以下のとおりになります。

 

1位 2位 3位 4位 5位 6位 7位 8位 9位
13 10 8 6 5 4 3 2 1

 

先頭車両がレース距離の50%を完了したが、レース距離の75%未満だった場合

レースは成立したと認められますが、与えられるドライバーズポイントやコンストラクターズポイントは以下のとおりになります。

 

1位 2位 3位 4位 5位 6位 7位 8位 9位 10位
19 14 12 10 8 6 4 3 2 1

 

先頭車両がレース距離の75%以上を完了していた場合

レースは成立したと認められ、通常のドライバーズポイントとコンストラクターズポイントが与えられます。

 

1位 2位 3位 4位 5位 6位 7位 8位 9位 10位
25 18 15 12 10 8 6 4 2 1

 

 

スプリントが予定の周回数を完了できなかった場合に与えられるポイント数の変更

決勝と同様に、スプリントにおいても予定の周回数よりも少ない周回数で終了した場合も、レースが再開できたかどうかによらず、それまでに完了した周回数に応じて与えられるポイントが変わることになりました。

 

SC、VSCの介入無しで先頭車両がレース距離の50%を完了できなかった場合

ドライバーズポイントやコンストラクターズポイントは与えられません。

 

先頭車両がレース距離の50%以上を完了していた場合

スプリントで与えられる通常のドライバーズポイントとコンストラクターズポイントが与えられます。

 

1位 2位 3位 4位 5位 6位 7位 8位
8 7 6 5 4 3 2 1

 

 

 

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