2024年 F1 第19戦 アメリカGP 開催概要

 

2023年 F1の『ポイントシステム』『チャンピオンの決定方法』

2023年

 

2024年シーズンの内容については
こちらを参照ください。

 

2023年シーズンのF1は全23戦で争われます。各レースの結果に応じてドライバーとチームにポイントが与えられ、シーズンを通して最も多くのポイントを獲得したドライバーとチームがチャンピオンとして讃えられます。

 

 

ドライバーズポイント

F1では、各レースの結果に応じたポイントがドライバーに与えられます。シーズンを通して獲得したポイントが最も多いドライバーがチャンピオンとなります。

他のレースカテゴリーでは公式予選でポールポジションを獲得したドライバーに対してポイントが与えられる場合がありますが、F1においては公式予選の順位に応じたポイントは設定されていません。

ただし、2021年シーズンから新たに始まったスプリントにおいては、上位8位のドライバーにポイントが与えられます。

 

決勝の上位10位のドライバーにポイント

F1では各レースの1位から10位のドライバーに対して、順位に応じたポイントが与えられます。ドライバーに対して与えられるポイントのことを『ドライバーズポイント』と呼びます。

上位10位以内でフィニッシュし、ポイントを獲得することを『入賞』と表現します。

これまで、F1では順位に応じて与えられるポイントの数が色々と変更されてきました。現在のポイントシステムは2010年シーズンから導入されているものです。

 

1位 2位 3位 4位 5位 6位 7位 8位 9位 10位
25 18 15 12 10 8 6 4 2 1

 

 

決勝でファステストラップを記録したドライバーにポイント

F1では2019年シーズンから決勝でファステストラップを記録したドライバーに1ポイントが与えられます。

ファステストラップとは、レース中に最も速いラップタイムを記録することです。

ただし、ファステストラップを記録してポイントを獲得するためには、決勝を上位10位以内で完走しなければなりません。

また、トラックリミット違反などのレギュレーションに反する走行をすることなく記録されたラップタイムである必要があります。

 

 

 

スプリントの上位8位のドライバーにポイント

F1では2021年シーズンから、土曜日にレース距離が約100kmの短いレース『スプリント (Sprint)』を行い、決勝のスターティンググリッドを決定する新たなフォーマットが導入されました。

2023年シーズンではアゼルバイジャングランプリ、オーストリアグランプリ、ベルギーグランプリ、カタールグランプリ、アメリカグランプリ、サンパウログランプリの6戦でスプリントが開催される予定です。

スプリントが導入された2021年シーズンでは上位3位のドライバーに対してポイントが与えられましたが、2022年シーズンから上位8位のドライバーにポイントが与えられるようになりました。

 

1位 2位 3位 4位 5位 6位 7位 8位
8 7 6 5 4 3 2 1

 

1位 2位 3位
3 2 1

 

 

コンストラクターズポイント

F1チャンピオンのタイトルはドライバーだけでなく、チームにも与えられます。チームに対して与えられるポイントは『コンストラクターズポイント』と呼びます。

コンストラクターとは『製造者』を意味し、F1ではチームと同じ意味で使われます。

F1は1チームあたり2名のドライバーがエントリーしていますので、2名のドライバーが獲得したドライバーズポイントの合計がコンストラクターズポイントとして加算されます。

 

 

レースが予定の周回数を完了できなかった場合

F1ではレースの最大時間は2時間と定められています。また、レースが途中で中断となった場合は中断時間を含むレースの最大時間は3時間と定められています。そのため、予定の周回数を完了できずにレースが終了となる場合があります。

2022年シーズンまでは、アクシデントや悪天候などによりレースが中断となり再開できずにそのまま終了した場合は、それまでに完了していた周回数に応じて、与えられるポイントが変わりました。

2022年F1第18戦日本グランプリでは、雨のためレースが中断となったもののその後再開されましたが、中断時間を含むレース時間が3時間に達したため、53周のレースが28周で終了となりました。レースは予定の周回数を完了できなかったものの中断のまま中止となったわけではないため、フルポイントが与えられました。

2023年シーズンでは、レースが再開できたかどうかによらず、予定の周回数よりも少ない周回数で終了した場合は、それまでに完了した周回数に応じて与えられるポイントが変わります。

 

先頭車両が2周回を完了できなかった場合

レースは成立したと認められず、ドライバーズポイントやコンストラクターズポイントは与えられません。

 

SC、VSCの介入無しで先頭車両が2周回を完了できなかった場合

セーフティカー(SC)やバーチャル・セーフティカー(VSC)が導入され、セーフティカーやバーチャル・セーフティカーが介入されていない状態で先頭車両が2周回を完了していない場合は、レースは成立したと認められず、ドライバーズポイントやコンストラクターズポイントは与えられません。

 

先頭車両が2周回を完了し、レース距離の25%未満だった場合

レースは成立したと認められますが、与えられるドライバーズポイントやコンストラクターズポイントは以下のとおりになります。

 

1位 2位 3位 4位 5位
6 4 3 2 1

 

先頭車両がレース距離の25%を完了したが、レース距離の50%未満だった場合

レースは成立したと認められますが、与えられるドライバーズポイントやコンストラクターズポイントは以下のとおりになります。

 

1位 2位 3位 4位 5位 6位 7位 8位 9位
13 10 8 6 5 4 3 2 1

 

先頭車両がレース距離の50%を完了したが、レース距離の75%未満だった場合

レースは成立したと認められますが、与えられるドライバーズポイントやコンストラクターズポイントは以下のとおりになります。

 

1位 2位 3位 4位 5位 6位 7位 8位 9位 10位
19 14 12 10 8 6 4 3 2 1

 

先頭車両がレース距離の75%以上を完了していた場合

レースは成立したと認められ、通常のドライバーズポイントとコンストラクターズポイントが与えられます。

 

1位 2位 3位 4位 5位 6位 7位 8位 9位 10位
25 18 15 12 10 8 6 4 2 1

 

 

先頭車両が2周回を完了する前に中止となった場合

レースは成立したと認められず、ドライバーズポイントやコンストラクターズポイントは与えられません。

 

SC、VSCの介入無しで先頭車両が2周回を完了する前に中止となった場合

セーフティカー(SC)やバーチャル・セーフティカー(VSC)が導入され、セーフティカーやバーチャル・セーフティカーが介入されていない状態で先頭車両が2周回を完了していない場合は、レースは成立したと認められず、ドライバーズポイントやコンストラクターズポイントは与えられません。

 

先頭車両が2周回を完了し、レース距離の25%未満で中止となった場合

レースは成立したと認められますが、与えられるドライバーズポイントやコンストラクターズポイントは以下のとおりになります。

 

1位 2位 3位 4位 5位
6 4 3 2 1

 

先頭車両がレース距離の25%を完了したが、レース距離の50%未満で中止となった場合

レースは成立したと認められますが、与えられるドライバーズポイントやコンストラクターズポイントは以下のとおりになります。

 

1位 2位 3位 4位 5位 6位 7位 8位 9位
13 10 8 6 5 4 3 2 1

 

先頭車両がレース距離の50%を完了したが、レース距離の75%未満で中止となった場合

レースは成立したと認められますが、与えられるドライバーズポイントやコンストラクターズポイントは以下のとおりになります。

 

1位 2位 3位 4位 5位 6位 7位 8位 9位 10位
19 14 12 10 8 6 4 3 2 1

 

先頭車両がレース距離の75%以上を完了した後で中止となった場合

レースは成立したと認められ、通常のドライバーズポイントとコンストラクターズポイントが与えられます。

 

 

スプリントが予定の周回数を完了できなかった場合

スプリントで予定の周回数を完了できなかった場合、先頭車両がレース距離の50%を完了できたかどうかによって与えられるポイント数が変化します。

 

SC、VSCの介入無しで先頭車両がレース距離の50%を完了できなかった場合

ドライバーズポイントやコンストラクターズポイントは与えられません。

 

先頭車両がレース距離の50%以上を完了していた場合

スプリントで与えられる通常のドライバーズポイントとコンストラクターズポイントが与えられます。

 

1位 2位 3位 4位 5位 6位 7位 8位
8 7 6 5 4 3 2 1

 

 

2022年 F1第18戦 日本グランプリ

2022年10月9日、鈴鹿サーキットで3年ぶりに開催されたF1第18戦日本グランプリでは、レース1周目に200Rでフェラーリのカルロス・サインツ選手がクラッシュ、その後セーフティカーが導入されましたが雨脚が強くなったこともあり、赤旗が振られレースが一時中断となりました。

天候が回復せず2時間あまりの中断の後、レースはセーフティカー先導で再開されました。中断時間を含む最大レース時間が3時間と定められていることもあり、すでに当初の53周を完了することは不可能な状態でした。

レースのスタートから3時間が経過した後、28周が終了した時点でトップを走行していたレッドブルのマックス・フェルスタッペン選手からチェッカーフラッグが振られ、レースが終了となりました。

このとき、当初のレース周回数53周に対して28周のレース距離となったため、与えられるポイントはレース距離の50%以上かつ75%未満だったときのポイントとなると考えた人が多くいました。このポイントシステムが適用された場合、マックス・フェルスタッペン選手のドライバーチャンピオン獲得には1ポイント足りません。

レギュレーションを読み解くと、レース距離の50%以上かつ75%未満だったときに与えられるポイントシステムが適用されるのは『レースが赤旗で中断して再開されなかった場合』に限ります。

このレースでは、レースが赤旗で中断されたものの、その後レースが再開され最大レース時間の3時間が経過し正式にチェッカーフラッグが振られる展開となりました。

当初の周回数であった53周に対して28周しか完了していませんでしたが、中断のまま中止となる展開ではなく、正式にレースを終了したため与えられるポイントはフルポイントとなりました。

最終的にマックス・フェルスタッペン選手が2022年シーズンのF1ドライバーチャンピオンを獲得することが決定しましたが、多くの人がポイントを正しく計算することができずしばらくの間、混乱に陥りました。

 

 

 

同ポイントの場合

F1では各レースごとに獲得するポイントの合計でチャンピオンを争うため、複数のドライバーやチームが同ポイントで並ぶことは珍しくはありません。

もし、同ポイントで並んだ場合は、優勝の回数が多い方が上位となります。優勝の回数が同数の場合は、2位の回数が多い方が上位となります。それでも決まらない場合は3位の回数、4位の回数・・・が多い方が上位となります。

それでも決まらない場合は、FIAの審議により決定されます。

ドライバーズポイント、コンストラクターズポイントのどちらにおいても、同ポイントで並んだ場合は、この方法で決定されます。

 

 

F1歴代チャンピオン

F1のドライバーズチャンピオンとコンストラクターズチャンピオンは世界一と称賛され、非常に名誉のあるタイトルです。

チャンピオンシップで2位となったドライバーやチームと異なり、チャンピオンは歴史に残り続けます。

2022年シーズンのF1はドライバーズチャンピオンはマックス・フェルスタッペン選手、コンストラクターズチャンピオンはレッドブルが獲得しました。

 

FIA表彰式

チャンピオンシップで上位3名のドライバーは毎年年末に開催されているFIA表彰式へ出席しなければならないと定められています。

2021年シーズンのドライバーズチャンピオンシップで2位を獲得したルイス・ハミルトン選手は最終戦アブダビグランプリでの不本意なセーフティカーの運用によってタイトルを逃した直後ということもあり、FIA表彰式を欠席しました。

 

 

 

2023年 F1ポイントスタンディング

 

 

レギュレーション

2023 FORMULA 1 SPORTING REGULATIONS

2023/4/25発行版

6) WORLD CHAMPIONSHIP

6.1 The Formula One World Championship driver’s title will be awarded to the driver who has scored the highest number of points, taking into consideration all the results obtained during the Events which have actually taken place. (see Article 6.4 and Article 6.5)

6.2 The Formula One World Champion Constructor’s title will be awarded to the Competitor which has scored the highest number of points, taking into consideration the results from both cars obtained during the Events which have actually taken place. (see Article 6.4 and Article 6.5)

6.3 A constructor is the person (including any corporate or unincorporated body) which designs the Listed Team Components (LTCs) as defined in Article 17 of the 2021 Technical Regulations. The make of an engine or chassis is the name attributed to it by its constructor.
The obligation to design and use LTCs set out in Article 17 of the Technical Regulations shall not prevent a constructor from outsourcing the design and/or manufacture of any LTC to a third party in accordance with the provisions of Article 17 of the Technical Regulations.

If the make of the chassis is not the same as that of the engine, the title will be awarded to the former which shall always precede the latter in the name of the car.

6.4 Points for both titles will be awarded at each Event according to the following scale:

Position Points
1st 25
2nd 18
3rd 15
4th 12
5th 10
6th 8
7th 6
8th 4
9th 2
10th 1

 

In addition to the above, one (1) point will be awarded to the driver who achieved the fastest valid lap time of the race and to the constructor whose car he was driving, provided he was in the top ten (10) positions of the final race classification (see Article 60). No point will be awarded if the fastest valid lap time is achieved by a driver who was classified outside the top ten positions, or if the leader has completed less than 50% of the scheduled race distance.

At those Events where a sprint session takes place, points for both titles will be awarded based on the final sprint session classification according to the following scale:

Position Points
1st 8
2nd 7
3rd 6
4th 5
5th 4
6th 3
7th 2
8th 1

 

6.5 If the race distance from the start signal to the end-of-session signal is less than the scheduled race distance, points for each title will be awarded in accordance with the following criteria:

a) No points will be awarded If the leader has completed less than two (2) laps.

b) In each case detailed in Article 6.5c), 6.5d), 6.5e) and 6.5f), no points will be awarded unless a minimum of two (2) laps have been completed by the leader without a Safety Car and/or VSC intervention.

c) If the leader has completed more than two (2) laps but less than 25% of the scheduled race distance, points will be awarded in accordance with column 1 of the table below.

d) If the leader has completed 25% but less than 50% of the scheduled race distance, points will be awarded in accordance with column 2 of the table below.

e) If the leader has completed 50% but less than 75% of the scheduled race distance, points will be awarded in accordance with column 3 of the table below.

f) If the leader has completed 75% or more of the scheduled race distance, full points will be awarded in accordance with Article 6.4.

Position Points
Column 1
Points
Column 2
Points
Column 3
1st 6 13 19
2nd 4 10 14
3rd 3 8 12
4th 2 6 10
5th 1 5 8
6th   4 6
7th   3 4
9th   2 3
9th   1 2
10th     1

 

6.6 If the sprint session distance from the start signal to the end-of-session signal is less than the scheduled sprint session distance, points for each title will be awarded with the following criteria:

a) No points will be awarded unless a minimum of two (2) laps have been completed by the leader without a Safety Car and/or VSC intervention.

b) If the leader has completed less than 50% of the scheduled sprint session distance, no points will be awarded.

c) If the leader has completed 50% or more of the scheduled sprint session distance, points will be awarded in accordance with Article 6.4.

6.7 If the formation lap is started behind the safety car (see Article 49), the original sprint session distance will be deemed to be the distance calculated in accordance with Article 5.3a)ii). However, the maximum sprint session time of one and a half (1.5) hours (see Article 5.3a)i)) will commence at the scheduled sprint session start time.

6.8 If the formation lap is started behind the safety car (see Article 49), the original race distance will be deemed to be the distance calculated in accordance with Article 5.5b). However, the maximum race time of three (3) hours (see Article 5.5d) will commence at the scheduled race start time.

6.9 A representative of the Competitor finishing first in the Championship for Constructors and the drivers finishing first, second and third in the Championship for drivers must be present at the annual FIA Prize Giving ceremony.

 

 

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