2024年 F1 第22戦 ラスベガスGP 開催概要

 

2022年 F1レギュレーションの主な変更内容

2022年

 

2023年シーズンの内容については
こちらを参照ください。

 

当初、F1は2021年にテクニカルレギュレーションが大きく変更される予定でしたが、新型コロナウイルス『COVID-19』感染拡大の影響により、レギュレーションの変更が1年先送りされることになりました。

2021年シーズンのF1は基本的に2020年シーズンのレギュレーションを踏襲していましたが、2022年シーズンから新たなテクニカルレギュレーションがスタートし、F1が大きく変化します。

2022年シーズンの主なレギュレーションについてまとめていますが、すべての主要な変更点を網羅できていなかったり、シーズンが開幕するまでレギュレーションが改訂されることもありますが、随時対応していきたいと考えています。

 

 

F1マシン関連

グランドエフェクトを取り入れた空力コンセプト

かつてのF1ではマシンの底と地面との間に流れる空気を利用することによってダウンフォースを生み出す、いわゆる『グランドエフェクト』によって、コーナリングスピードを上げ、速さを追究してきました。

F1ではグランドエフェクトを追求したマシン、いわゆる『グランドエフェクトカー』は1983年に安全性向上を目的として禁止されました。

その後、グランドエフェクトを規制するために、1995年にF1マシン底面に段差の付いた『ステップドボトム』方式が導入され、2021年シーズンまで長い間採用されてきました。

2022年シーズンのF1ではステップドボトム方式に代わり、グランドエフェクトによりダウンフォースを得る空力コンセプトが導入されます。

フロア下で得られるダウンフォースの量が増加する代わりに、フロントウイングやリアウイングなどの空力パーツの形状が簡素化され、これらの空力パーツで得られるダウンフォースの量が減少します。

ウイングが簡素化されることによって、F1マシンの後方に発生していた『タービュランス』と呼ばれる乱気流が抑制され、前方を走行するマシンの後方へ接近しやすくなると言われています。そのため、オーバーテイクの頻度が増加すると考えられています。

 


出典:formula1.com

最低重量が798kgへ引き上げ

2021年シーズンのF1ではパワーユニットの最低重量が145kgから150kgへ引き上げられたことを受けて、車両の最低重量が6kg引き上げられました。これにより、2020年シーズンの最低重量746kgから752kgへ変更されました。

2022年シーズンのF1では車両の最低重量が798kgへ引き上げられることになり、2021年シーズンの車両の最低重量から46kgが増加されます。

当初は最低重量が795kgと定められていましたが、2022年3月17日に発行されたテクニカルレギュレーションで最低重量が3kg増加されることとなり、798kgへ変更されました。

2022年シーズンから導入される新しいマシンの構造や安全基準を満足するために妥当と考えられる重量が最低重量として定められたようです。

車両の最低重量が引き上げられることで、F1マシンが重くなり、運動性能が低下するため、ラップタイムが落ちることが期待されています。

 

18インチタイヤの導入

F1ではこれまで13インチのタイヤが採用されてきましたが、2022年シーズンから18インチのタイヤが導入されます。

他カテゴリーにおいては、フォーミュラEではすでにミシュランが18インチタイヤを供給しています。

F1直下カテゴリーのFIA F2選手権においてもF1に先駆けてピレリが2020年シーズンから18インチタイヤを導入しています。

タイヤのサイズが13インチから18インチへ変更になることで、タイヤメーカーが市販タイヤの開発や生産でこれまで培ってきた技術がF1へ採用できるようになったり、F1で構築した技術が市販タイヤへフィードバックできるようになるなどの効果が期待されています。

 

 

パワーユニット関連

パワーユニット開発の凍結

2022年のF1シーズン開幕時点で、2014年から導入されてきた現在のF1のパワーユニット (1.6リッター・ハイブリッド・V6ターボエンジン)の開発が凍結されます。

つまり、2022年の開幕戦以降のパワーユニットの開発が禁止されることになります。

2021年シーズンをもってホンダがF1活動を終了し、レッドブルがホンダのパワーユニットを引き継ぐことになりました。レッドブルにはホンダのようなパワーユニットの開発能力が無いため、全チーム、全パワーユニットサプライヤーの合意の上、当初、2023年に予定されていたパワーユニットの開発凍結が1年前倒しで行われることになりました。

2026年には次世代のF1のパワーユニットが導入される予定となっています。

 

E10燃料の導入

2021年シーズンのF1で使用されているガソリンにはバイオ燃料であるエタノールが7.5パーセント添加されています。

2022年シーズンからエタノールの混合率が7.5パーセントから10パーセントへ引き上げられ、いわゆる『E10 (イー・テン)』と呼ばれるガソリンへ変更となります。

F1では2030年にカーボンニュートラルの実現を目標としています。将来的にF1マシンが使用するガソリンには水素と二酸化炭素から生成される『e-Fuel (イー・フューエル)』が添加されるようになり、その混合率を引き上げていくことでカーボンニュートラルの実現を達成しようと考えています。

 

 

スポーティングレギュレーション関連

『スプリント』のルール小変更

2021年シーズンからF1では、土曜日に『スプリント予選 (Sprint Qualifying)』と呼ばれる距離の短いレースを実施し、そのレース結果に基づいて決勝のスターティンググリッドを決定する新たなレースフォーマットを導入し、2021年シーズンは3戦でスプリント予選が開催されました。

2022年シーズンにおいても、全23戦のうち、第4戦エミリア・ロマーニャグランプリ、第11戦オーストリアグランプリ、第22戦サンパウログランプリでスプリントを開催する予定ですが、スプリントのルールに小さな変更が加えられました。

 

  • 『スプリント予選』の名称を『スプリント』へ変更。
  • スプリントで上位8位のドライバーとチームにポイントが与えられる。
  • 金曜日に開催される公式予選で1位を獲得したドライバーに『ポールポジション』が与えられる。

 

スプリントにおけるポイントシステム

1位 2位 3位 4位 5位 6位 7位 8位
8 7 6 5 4 3 2 1

 

 

 

レースが途中で中止となった場合に与えられるポイントが変更

悪天候のためレースをスタートすることができなかったり、レースの途中でレッドフラッグが振られてレースが中断となり、再開されることなくレースが終了となる場合もあります。

その場合に与えられるポイントが以下のとおりに変更されました。

 

先頭車両が2周回を完了する前に中止となった場合

レースは成立したと認められず、ドライバーズポイントやコンストラクターズポイントは与えられません。

 

SC、VSCの介入無しで先頭車両が2周回を完了する前に中止となった場合

セーフティカー(SC)やバーチャル・セーフティカーが導入され、セーフティカーやバーチャル・セーフティカーが介入されていない状態で先頭車両が2周回を完了していない場合は、レースは成立したと認められず、ドライバーズポイントやコンストラクターズポイントは与えられません。

 

先頭車両が2周回を完了し、レース距離の25%未満で中止となった場合

レースは成立したと認められますが、与えられるドライバーズポイントやコンストラクターズポイントは以下のとおりになります。

 

1位 2位 3位 4位 5位
6 4 3 2 1

 

先頭車両がレース距離の25%を完了したが、レース距離の50%未満で中止となった場合

レースは成立したと認められますが、与えられるドライバーズポイントやコンストラクターズポイントは以下のとおりになります。

 

1位 2位 3位 4位 5位 6位 7位 8位 9位
13 10 8 6 5 4 3 2 1

 

先頭車両がレース距離の50%を完了したが、レース距離の75%未満で中止となった場合

レースは成立したと認められますが、与えられるドライバーズポイントやコンストラクターズポイントは以下のとおりになります。

 

1位 2位 3位 4位 5位 6位 7位 8位 9位 10位
19 14 12 10 8 6 4 3 2 1

 

先頭車両がレース距離の75%以上を完了した後で中止となった場合

レースは成立したと認められ、通常のドライバーズポイントとコンストラクターズポイントが与えられます。

 

 

 

タイヤ使用ルールの変更

2021年シーズンでは公式予選でQ3へ進出したドライバーは公式予選のQ2でベストタイムを記録したタイヤを装着してレースをスタートしなければなりませんでしたが、2022年シーズンではこのルールが撤廃されます。

また、各グランプリで供給されるドライタイヤのコンパウンドの内訳については、2021年シーズンから変更されないことになりました。

供給される13セットのドライタイヤのコンパウンドの内訳はハードタイヤが2セット、ミディアムタイヤが3セット、ソフトタイヤが8セットと定められています。

このうち、ハードタイヤとミディアムタイヤの各1セットずつは決勝用として、ソフトタイヤの1セットは公式予選Q3用のタイヤとして供給されます。

 

 

 

ギアボックス交換によるグリッド降格ペナルティ

2021年シーズンのF1では、シーズンを通して使用できるギアボックスの数に制限はありませんでしたが、ギアボックス1基を連続した6レースで使用しなければなりませんでした。

2022年シーズンからギアボックスは数が制限されたコンポーネント(RNC : Restricted-Number Components)として扱われるようになり、シーズンを通して使用できるギアボックスを構成する部品が全23戦の開催の場合は4基に制限されることになりました。

 

 

 

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