2024年 F1 第6戦 マイアミGP 開催概要

 

2023年 スーパー耐久の『フルコースイエロー (FCY)』運用ルール

2023年

 

スーパー耐久シリーズでは2018年シーズンからフルコースイエロー(FCY)が導入されています。

フルコースイエローはWEC(世界耐久選手権)をはじめとした海外のレースでは既に運用されていましたが、国内のシリーズとしてはスーパー耐久が初めての運用となりました。

国内では2021年シーズンからSUPER GTにおいてもフルコースイエローが導入されています。

フルコースイエローはセーフティカーを導入するまでもないけれども、安全上の理由で必要であると判断した場合に導入されます。

フルコースイエローが導入されると、コース全域で追い越しが禁止となり、速度が50km/hに制限されます。

すべての車両の速度が同時に50km/hに制限されるため、各車両のタイム差がキープされたまま、コース上の安全を確保することができます。

 

 

 

最初に『イエローフラッグ』、次に『FCYボード』

スーパー耐久やSUPER GTではFCYの導入手順として、これまで、最初にすべてのオブザベーションポストで『FCYボード』が提示され、コース全域で追い越し禁止となり、その後、『イエローフラッグの振動』が追加され、コース全域で速度制限となる運用が行われていました。

2023年シーズンからSUPER GTでは、FCYボードとイエローフラッグの提示手順が逆となる運用を行うことを明らかにしていますが、スーパー耐久においてもSUPER GT同様の変更が行われ、2023年第1戦鈴鹿サーキット大会から運用されています。

FCY導入が決定すると、最初にすべてのオブザベーションポストで『イエローフラッグの振動』が行われ、コース全域で追い越し禁止となります、その後、『FCYボード』が追加され、コース全域で速度制限となります。

 

 

フルコースイエローが導入されるとき

フルコースイエローはセーフティカーと同様に、コース上やコース脇にストップしてしまった車両の撤去作業を行う場合など、セーフティカーを導入するほとではないけれども、ダブルイエロー(黄旗2本)での対応では作業を行うコースマーシャルに危険が及ぶとレースコントロールが判断した場合に導入されます。

セーフティカーの運用はレース中に限られており、フリー走行や公式予選で運用されることはありません。フルコースイエローの場合はフリー走行や公式予選でも導入される場合があり、セッションを中断することなく、ストップした車両の撤去作業のような危険を伴う作業を行うことができます。

 

 

フルコースイエローの導入

レースコントロールでフルコースイエローの導入が決定されると、『FCY宣言』が行われます。

 

イエローフラッグの提示
(追い越し禁止)

FCY宣言の後、ただちにコース脇にあるすべてのオブザベーションポストで『イエローフラッグ』が振られます。

この時点からコース全域で追い越しが禁止されます。イエローフラッグだけが振られている状態では、速度に制限はありません。

ただし、このあと50km/hの速度制限が行われるため、減速する準備をしておく必要があります。

 

※FCY原因の現場の手前のポストではダブルイエロー(イエローフラッグ2本)を提示

 

FCYボード + イエローフラッグ
(制限速度50km/h + 追い越し禁止)

FCY宣言と同時にタイミングモニターやレースコントロール無線によってチームへフルコースイエローの導入が伝えられます。

FCYボードが提示されてから約10秒が経過した後、すべてのオブザベーションポストでは、イエローフラッグに加えてFCYボードの提示されます。

この時点から、コース上での制限速度は50km/hに制限され、追い越しの禁止も継続された状態となります。この状態がフルコースイエローの状態となります。

 

フルコースイエローが導入されると

フルコースイエローが導入されると、車両の速度は50km/hに制限され、1列の隊列を形成し、追い越しをすることなく走行する必要があります。

セーフティカーが導入された場合、セーフティカーを先導とした縦列走行となるため、それまで築いてきたタイム差が無くなってしまいます。

フルコースイエローの場合はすべての競技車両に対して一斉に速度が50km/hに制限されます。そのため、フルコースイエロー導入前のタイム差がそのままキープされます。

フルコースイエローが導入されている間にストップしてしまった車両の撤去作業などを行います。

 

 

フルコースイエロー導入中はピットイン禁止

スーパー耐久ではFCYボードが提示されてから、フルコースイエロー解除の合図となるグリーンフラッグが振られるまでの間はピットインが禁止されます。

ピットロード入口付近のオブザベーションポストでは『PIT CLOSED』ボードが提示されます。

フルコースイエロー導入中にピットインした場合は60秒以上のペナルティストップが科せられます。

 

 

フルコースイエロー導入中はペナルティを消化できない

フルコースイエローが導入されている間にペナルティストップペナルティやドライブスルーペナルティを消化することはできません。

ただし、FCYボードが提示されたときに、ピットインしていた場合は、ペナルティを消化することが認められます。

 

 

フルコースイエローの解除

フルコースイエローの導入中にストップした車両の撤去作業が完了したなど、コース上の危険が取り除かれたと判断されたらレースが再開されます。

レース再開に向けて、フルコースイエロー解除宣言がタイミングモニターやレースコントロール無線を通じてチームへ伝えられます。

そのあと、すべてのオブザベーションポストで提示されているFCYボードとイエローフラッグが撤去され、グリーンフラッグが振られます。これがフルコースイエロー解除の合図となり、レースが再開されます。

グリーンフラッグが振られるまでは50km/hの速度制限を守る必要があり、追い越しも禁止されます。

 

グリーンフラッグ
(FCY解除)

 

セーフティカーへの切り替え

フルコースイエローが導入された後、レースコントロールがコース上の危険な状況が解消されないと判断した場合は、フルコースイエローからセーフティカーの導入へ切り替わる場合があります。

この場合、オブザベーションポストで提示されているFCYボードは一斉に『SCボード』に切り替わります。

イエローフラッグの振動はそのまま継続されます。この時点でフルコースイエローは終了し、セーフティカーの導入に切り替わるため、この時点で50km/hの速度制限は解除されます。その後は、セーフティカーの運用に切り替わります。

 

ZONE50

スーパー耐久シリーズのスポーツ規則には『ZONE50』というコースの一部分に限定した速度規制のルールが定められています。しかしながら、ZONE50の本格的な運用はまだ行われておらず、現状はコース全域における50km/hの速度制限の運用に留まります。

 

 

公式通知の一例

ピレリ スーパー耐久シリーズ2018 第6戦 岡山国際サーキット

 

 

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