2023年
2024年シーズンの内容については
こちらを参照ください。
スターティンググリッド
ウォームアップ走行
スーパーフォーミュラでは決勝に向けてのスタート進行に先駆けて、8分間の『ウォームアップ走行』が開催されます。ドライバーやチームは、決勝に向けて、マシンセットアップの確認や路面コンディションの確認などを行います。
以前は、決勝当日の午前中に行われるフリー走行(もしくは公式予選)の路面コンディションがドライの状態行われ、その後、雨が降り、決勝の路面コンディションがウェットとなった場合は、安全性を考慮して、グリッドへの試走の前にフリー走行が追加されていました。
8分間のウォームアップ走行が実施されるようになってから、路面コンディションの変化に関わらず、グリッドへの試走の前にフリー走行が追加されることは無くなりました。
グリッドへの試走
グリッドへの試走の開始時刻になるとピットロード出口のシグナルがグリーンに変わり、ピットからコースインすることができるようになります。ピットロード出口がクローズされる時刻までにコースインできなければ、ピットスタートとなります。
ピットロード出口がクローズされる2分前に警告音の合図があります。
グリッドへの試走の開始時間、ピットロード出口のクローズ時間はオーガナイザーによって決定され、大会特別規則書や公式通知にてチームやドライバーにアナウンスされます。
スタート進行
フォーメーションラップ開始時刻の3分前になると、コース上での作業が禁止されます。競技役員とエンジン始動のためのチームクルーを除き、グリッドから退去しなければなりません。
フォーメーションラップ開始時刻の15秒前までにチームクルーはグリッド上からの退去を完了しなければなりません。その後、グリーンフラッグが振られてフォーメーションラップが開始します。
フォーメーションラップ 開始 |
内容 |
5分前 | グリッドへの進入禁止、グリッドに着けない車両は最後尾スタートとなる |
3分前 | コース上の作業禁止 ドライバー、エンジン始動要員のチームクルー5名、競技役員以外はコース上から退去 |
1分前 | エンジン始動、チームクルー5名はグリッド上から退去 |
15秒前 | グリッド上からチームクルーが退去完了 この合図のあとグリーンフラッグが振られフォーメーションラップ開始 |
フォーメーションラップ開始の延期
決勝の開始時刻が迫っていて、大雨や霧などの悪天候によって決勝のスタート時刻を延期する必要があると判断された場合、『赤色地に”10”と記されたボード』が提示されます。
このボードは『少なくとも10分以上は決勝のスタート時刻を延期する』という意味です。スタート時刻が決定するまでは、この赤色地に”10”と記されたボードが提示され続けます。
決勝のスタート時刻が決定すると、『緑色地に”10”と記されたボード』が提示されます。これは、フォーメーションラップ開始10分前を意味します。5分前以降は通常のレーススタートと同等の進行で行われます。
フォーメーションラップ直前での延期
フォーメーションラップの開始時刻が迫っていて、雨がひどくなるなど天候が悪化した場合は、フォーメーションラップの開始が延期される場合があります。
フォーメーションラップ開始時刻の5分前を過ぎてから、レースがスタートするまでの間に雨がひどくなるなどしてスタートを遅らせる必要があると判断された場合は、『START DELAYED』ボードが提示され、レースのスタート進行は10分前の時点からやり直しとなります。
フォーメーションラップ開始時刻の3分前まで作業を行うことができるため、必要に応じてレインタイヤへ交換することができます。
フォーメーションラップ
フォーメーションラップに向けてのカウントダウンがゼロになり、グリッド前方にあるスタートシグナルにグリーンライトが点灯し、グリーンフラッグが振られたら先頭の車両からフォーメーションラップを開始します。
このとき、エンジンストール等のトラブルによりフォーメーションラップをスタートできなかった車両はマーシャルによってピットに押し戻されます。スタートが可能であればピットロードからのピットスタートが認められます。
出典:youtube.com
フォーメーションラップ中の追い越しは原則として禁止されています。ただし、トラブル等によってスピードを出すことができずにスロー走行している車両を追い越すことは認められています。
フォーメーションラップ中は、前後の間隔が開きすぎないように走行し、コースを1周走行した後、すべての車両は自身のグリッドに停止します。
グリッドに正しく停止したかどうかはグリッドマーシャルによってチェックされます。すべての車両が正しくグリッドに停止すると、グリッド後方でグリーンフラッグが振られます。
フォーメーションラップに出遅れた場合
車両のトラブルなどによってうまく発進できずにフォーメーションラップに出遅れてしまった場合でも、
、フォーメーションラップ中に他の車両を追い越して、元のグリッドからスタートすることができます。この出遅れてしまった車両は、2021年シーズンではピット進入ロードまでに元の順位に戻ることができなければ、最後尾グリッドからのスタートになると定められていました。
2022年シーズンでは、出遅れてしまった車両はピットロード入口付近に設定されている第1セーフティカーラインに到達するまでに元の順位に戻ることができなければ、最後尾グリッドからのスタートもしくはピットスタートをしなければならないことになりました。
2020年 スーパーフォーミュラ 第4戦 オートポリス
スタンディングスタート
出典:youtube.com
出典:youtube.com
エクストラフォーメーションラップ
フォーメーションラップでコースを1周走行し、グリッドに戻ってきた後、エンジンストールなどのトラブルによってスタートできなくなった場合、ドライバーは手を振るなどの合図により、グリッドマーシャルに知らせます。
グリッドマーシャルはイエローフラッグを振ることによってスターターに異常を知らせます。
スターターがスタートのやり直しを決定するとレースシグナルにはイエローライトが点滅し、『EXTRA FORMATION LAP』のボードが提示されます。
その後、グリーンライトが点灯され、フォーメーションラップはやり直しとなります。先頭の車両から再度フォーメーションラップをスタートします。
エクストラフォーメーションラップを行うたびにレースの周回数は1周減算となります。また、原因となったドライバーは最後尾グリッドからのスタートもしくはピットスタートとなります。
F1ではすでにエクストラフォーメーションラップが導入されていますが、スーパーフォーミュラにおいても2020年シーズンからエクストラフォーメーションラップが導入されました。
以前は、フォーメーションラップが終わり、車両がグリッドについた後、エンジンストールなど何らかのトラブルが発生し、スタートができなくなった車両が発生した場合、これまでは赤旗の提示、もしくはイエローシグナルの点滅により『スタートディレイ』となっていました。その後、スタート進行はフォーメーションラップ開始の5分前の状態からやり直しとなっていました。
2020年 スーパーフォーミュラ 第5戦 鈴鹿サーキット
2020年に鈴鹿サーキットで開催されたスーパーフォーミュラ第5戦では、フォーメーションラップ中にITOCHU ENEX TEAM IMPULの関口雄飛選手の車両がトラブルにより2コーナーの立ち上がりでストップしました。
車両撤去作業を行うために、エクストラフォーメーションラップとなり、再度フォーメーションラップが行われることになりました。2020年シーズンからスーパーフォーミュラにエクストラフォーメーションラップのルールが導入されましたが、これがスーパーフォーミュラにおける初めてのエクストラフォーメーションラップの運用となりました。
この大会ではタイヤのウォームアップの都合により、フォーメーションラップを2周行うことになっていました。そのため、エクストラフォーメーションラップも2周行われることになり、当初のレース周回数30周から2周減算となり、レースは28周で争われることになりました。
スタートのやり直し
フォーメーションラップのやり直しはエクストラフォーメーションラップで行われますが、コース上に車両がストップしてしまい、車両撤去に時間がかかるなどして、すぐにフォーメーションラップをやり直すことができないと判断された場合、スタートはやり直しとなります。
スタートのやり直しが決定すると、『START DELAYED』のボードが提示されます。すべての車両はエンジンを停止し、スタート進行はフォーメーションラップの開始5分前からやり直しとなります。
また、スタートのやり直しの原因となったドライバーは最後尾グリッドからのスタートもしくは、ピットスタートとなります。
エクストラフォーメーションラップやスタートのやり直しが行われる度にレース周回数は1周減算となります。
レギュレーション
アーカイブ
第31条 スタート手順
1. スタートはスタンディングスタートとする。
グリッドは、1×1のスタッガードフォーメーションで、スタート合図は灯火信号とする。
2. スタート手順に関する詳細は、ピット出口閉鎖時間およびピットスタートに関する手順を含め、競技会特別規則または公式通知にて発表されるものとする。
3. ピット出口は上記2.で指定された時間に閉鎖され、その2分前に警告音によって合図される。
4. スタートの進行は、5分前、3分前、1分前、および15秒前を表示したボード(またはシグナル)により表示される。これらのボードは警告音とともに表示される。
1) 5分前ボード(またはシグナル):
秒読み開始。グリッドへの進入は締め切られる。この時点までにグリッドに着けなかった車両は最後尾スタートとなる。ただし、競技役員の指示があった場合はピットに入ってピットスタートとなる(本条3.および本条6.参照)。
2) 3分前ボード(またはシグナル):
コース上におけるすべての作業は禁止される。ドライバー、競技役員およびエンジン始動用外部エネルギー源あるいは補助的装置を使用するチームクルー5名を除くすべての者はコース上から退去する。
3) 1分前ボード(またはシグナル):
ドライバーが車両内に着座したままエンジンを始動する。ついで、上記2)で明記したチームクルー5名は、下記4)に明記された15秒前ボード(またはシグナル)が提示されるまでにグリッドから退去し、コース脇へ移動しなければならない。また、フォーメーションラップが開始された後にコース上から退去すること。
4) 15秒前ボード(またはシグナル):
このボード(またはシグナル)の15秒後、グリッド前方で緑旗が振られ(グリーンライト)、競技車両はグリッド上の隊列を保ちながらポールポジションの車両のペースによってフォーメーションラップを開始する。グリッドを離れる際、すべてのドライバーは、スタートラインを通過するまで車両速度リミッターを作動させ、ピットレーンの速度制限(最高60㎞/h)を順守しなければならない。
このラップにおいて、スタート練習は禁止され、また隊列は可能な限り整然と保たれなければならない。
5. スタートできないドライバーは、腕を挙げなければならない。他の全車両が当該車両を通過した後、上記4.3)に規定されたコース脇のチームクルーは、エンジン始動用外部エネルギー源あるいは補助的装置を使用してエンジンの再始動を試みることができる。
ついで、この車両はフォーメーションラップを行うものとするが、下記6.を除き、他の走行中の競技車両を追い越してはならない。
上記方法によってもエンジンが始動しない場合は、競技役員に加え、必要に応じコース脇にいたチームクルーが当該車両をそのピットまたは競技役員が指示する他の安全な場所まで押して移動する。距離が近ければピットレーン出口からピットまたは競技役員が指示する他の安全な場所に入れることもできる。その後、チームクルーは、エンジン始動用外部エネルギー源または補助的装置を使用してエンジンを再始動させることができる。
6. フォーメーションラップにおいて、グリッドを離れる際に出遅れた車両は、最後尾の車両がスタートラインを横切る前までに動き出した場合に限り、フォーメーションラップ中に自己のポジションに戻るために他の車両を追い越すことが許される。
7. 理由の如何にかかわらずフォーメーションラップの途中でスタート順序の位置を保てなかった車両は、安全に配慮し、自己のポジションに戻るために他の車両を追い越すことが許される。
8. 上記6及び7の車両が、第1セーフティーカーラインに到達するまでに自己のポジションに戻ることが出来なかった場合は最後尾グリッドもしくはピットレーンからのスタートとする。該当ドライバーが複数の場合、グリッド後方における新しいポジションは、当初のスターティングポジションに基づき位置決めされる。
9. フォーメーションラップにおいて、グリッドを離れる際に出遅れ、最後尾の車両がスタートラインを横切る前までに動き出せなかった車両に対しては、メインフラッグタワーにて黄旗が提示され、他の車両を追い越すことが禁止される。
10. 車両がスターティンググリッドに戻ったら、夫々のグリッドにエンジンをかけたまま停車する。各車両の競技番号を記載したボードを持った競技役員がグリッドの各列に向かって立っており、その列の車両が停止したら直ちにボードを降ろす。すべてのボードが降ろされたら、スターターはレッドライト5秒前ボード(またはシグナル)を表示する。当該ボード(またはシグナル)表示5秒後にスターターはグリッドの静止状態を確かめてレッドライトを点灯する。
通常、レッドライト点灯後、2秒以上3秒以内にレッドライトが消灯してレースがスタートする。(並列5灯式のスタート信号灯[FIA Race weekend lightprocedure で使用される信号灯等]を使用する場合のスタート灯火信号オペレーションは、別途定める。)
11. スターティンググリッドに帰着後、スタートできなくなった場合、当該ドライバーは腕を挙げ、その列担当の競技役員は黄旗を振動表示し、当該車両はストール車扱いとなる。スタート不能のドライバーが原因となりスタートが遅延された場合、そのドライバーは最後尾もしくはピットからスタートすることができる。この場合、当該ドライバーの当初のグリッドは空けておくものとする。スタート不能のドライバーが複数の場合、グリッド後方における彼らの新しいポジションは、当初のスターティングポジションに基づき位置決めされる。
12. 上記8および11.において最後尾グリッドに着いた車両は、再フォーメーションでストール車があった場合でも当初のグリッドに戻ることはできない。
13. 車両がフォーメーションラップ終了後にスターティンググリッドに着いた時点で何らかの問題がある場合には下記の処置がとられる。
1) グリッド上以外に問題がなく直ぐにフォーメーションラップが再開出来ると競技長が判断した場合、中断ライト(イエローまたはオレンジライトの点滅)の2秒後に色のライトが点灯し、「EXTRA FORMATION LAP」と表示されたボードが表示される。
全車両はエンジンを切ることなく再度フォーメーションラップを開始する。
2) その他の問題が発生し、スタートを遅らせる必要があると競技長が判断した場合は、中断ライト(イエローまたはオレンジライト)を点滅させ、「START DELAYED”(スタート遅延)ボード」が表示され、全車両のエンジンは切られ、スタート手順は5分前の時点から再開される。
3) 前記1)および2)いずれの場合においてもレース距離は1ラップ減らされる。
14. 上記13.項を適用することが必要になり、スタート手順が何度繰り返されようと、その結果どれだけレースが短縮されようと、そのレースは選手権に数えられる。
15. 上記13.項の手順が1回以上必要となった場合でも、燃料補給は禁止される。
16. スタート後、スターティンググリッドにおいて発進不能となった車両がある場合、競技役員は、直ちにエンジンをスタートさせるべくコースに沿って車両を押すものとする。それでもエンジンが始動しない場合は、当該車両のピットまたは競技役員の指示による他の安全な場所まで押して移動する。距離が近ければピットレーン出口からピットまたは他の安全な場所に入れることもできる。その後、上記に示した場所でチームクルーが介入しエンジン始動用外部エネルギー源あるいは補助的装置によってエンジンを始動させることができる。
ピットおよびピットレーンでの人為的な支援による発進は厳重に禁止される。
17. 反則スタートを判定するための審判員が任命される。反則スタートが確認された場合、競技会審査委員会は、当該車両に対して罰則を課す。(第16条「罰則」参照)
18. 決勝レーススタートの際、シグナリングプラットフォームには、許可された競技役員以外の立入りは禁止される。
19. サーキットが閉鎖されるか、あるいは競技を続行することが危険とならない限り、雨天におけるレースは中止されない。
20. このスタート手順に特例が認められるのは、下記の場合に限られる。
1) 5分前のボード(またはシグナル)が表示されてからレッドライトが点灯するまでの間に雨が降りだした場合はスタートラインで“START DELAYED”ボードおよび“10分”ボードが表示され、スタート手順は10分前の時点から再開される。もし必要であれば、上記10.項に定められた手順が認められる。
2) 決勝レースが迫っていて、かつコース上の水量が多くウェットタイヤでも安全上問題があると競技長が判断した場合には、競技長は“START DELAYED”(スタート遅延)ボードと同時に赤色地に“10”と記されたボードを表示することにより、決勝レースのスタートを遅らせることができる。
この赤色地に“10”と記されたボードの意味は、再スタート手順が10分遅れて開始されることを意味する。10分以内に天候の状況が回復したら、緑色地に“10”と記されたボードが表示される。緑色地に“10”と記されたボードの意味は、10分後に緑旗が表示されることを意味する。緑色地に“10”のボードが表示されてから、5分後にスタート手順が再開され、通常のスタート手順のボード(またはシグナル、つまり、5分前、3分前、1分前、および15秒前)が表示される。
しかし、赤色地に“10”のボードが表示されてから10分以内に天候の状況が回復しない場合には再度、赤色地に“10”のボードが表示される。これはスタート手順再開までさらに10分間延長されることを意味する。この手順は、数回繰り返される場合がある。赤色地にしても緑色地にしても“10”と記されたボードが表示されるときは常に警告音が放送される。
21. スタート手順に関する違反に対しては、失格までの罰則が適用される場合がある。