2024年 F1 第6戦 マイアミGP 開催概要

 

マシンをストップさせるとき

 

サーキットを走行しているとき、車両のメカニカルトラブルや車両同士の接触などによって車両にダメージがあるなどして、ピットまで戻ることができないと判断した場合、やむを得ず車両をストップしなければならない場合があります。

このように、やむを得ず車両をストップしなければならない場合に守らなければならないレギュレーションについて解説します。

 

 

車両を安全な位置に停める

トラブルが発生した車両をやむを得ずストップさせる場合、ドライバーはコースの外の芝の上やガードレールの開口部の近くなどの安全な位置に速やかに車両を停止させる必要があります。

国際モータースポーツ競技規則 付則L項には車両をストップさせる場合は『車両がそこにあることが他のドライバーの危険とならないよう、あるいは妨げとならないよう、できる限り速やかに移動させなければならない』と記載されています。

コース上に車両がストップしていると、後続の車両に大きな危険を及ぼすことから、トラブルを抱えていたとしても、可能な限り、車両をコースの外などの安全な位置へ停めようと努力しなければならないことになっています。

 

国際モータースポーツ競技規則 付則L項

(2021年12月15日発行版)

第4章 サーキットにおけるドライブ行為の規律
第3条 レース中に停止した車両

a) レース速度を維持することができないという理由で走路を退去する車両のドライバーは、直ちにその退去意志についての合図を行うものとし、かつ、その行動が安全に、また退去地点のできる限り近くで行われるように確保する責任を有するものとする。

b) 車両がピットレーンの外側で停止した場合には、その車両がそこにあることが他のドライバーの危険とならないよう、あるいは妨げとならないよう、できる限り速やかに移動させなければならない。
ドライバー自身がその車両を移動させることができない場合、そのドライバーを援助することはコース委員の義務とする。このような援助が、結果としてドライバーのレース復帰につながる場合は、いかなる規則違反もせず、かつ利益を受けることなくそれが行われなければならない。

 

 

ドライバーはガードレールの外側へ退去

ドライバーは車両をコースの外などの安全な位置に停めた後は、車両から降りてガードレールの外側へ退去しなければなりません。

車両から離れるときはコースマーシャルが車両の回収作業をしやすいようにステアリングを装着した状態でギアをニュートラルにしなければなりません。

また、ドライバーはガードレールの外側へ退去するまでは、ヘルメットを装着していなければならないことになっています。

 

2022 SUPER GT Sporting Regulations

SUPER GT ドライバーズ ガイド
3. ドライブマナーに関する注意事項

③車両をコース上に放置するドライバーは、可能な限りトラックから離れた開口部付近に、ステアリングホイールを装着し、ギアをニュートラルにした状態で停車しなければなりません。

⑥車両から降りた場合には速やかにバリヤの後ろに入り安全を確保してください。また、それまではヘルメットを脱がないようにしてください。

 

 

自走でピットに戻る場合

車両にトラブルが発生していても、自走ができる場合があります。そのような場合は、自走でピットまで戻ることが可能です。ただし、車両からオイルが漏れていないかなど、他の車両に危険を及ぼすような状態ではないことを確認する必要があります。

車両にトラブルが発生している時は、レーシングスピードで走行することが困難な状況になっていると考えられます。スピードが出なくても、コース上を走行する他の車両の走行を妨害することが無いように、安全に走行してピットに戻る必要があります。

サーキットによっては、スロー走行を行う場合の走行の仕方が指示されている場合があります。スロー走行しなければならない場合、通常はピットレーンの入口がある側のコース端を走行することがマナーとなっています。

ピットインした後は、ピットでトラブルの原因を修復し、再びコースインしてレースに加わることができます。

 

 

無理にピットまで戻ろうとしない

車両にトラブルが発生している時は、エンジンオイル、ミッションオイル、ブレーキフルード、ガソリン、クーラントなどの液体が車両から漏れている場合もあります。

特にエンジンオイルがコース上に漏れてしまうと、後続の車両にとって大きな事故の原因になることから、非常に危険な状況になります。

このような場合は、無理に自走でピットに戻ろうとせず、速やかにコースの外などの安全な位置に車両を停めなければなりません。

 

2022 SUPER GT Sporting Regulations

SUPER GT ドライバーズ ガイド
3. ドライブマナーに関する注意事項

②走行中の車両が重大なメカニカルトラブルを抱えた場合、安全を確保しつつ直ちにトラックを離れなければなりません。特に、車両からオイル漏れしているのが判ったら、先ずレーシングラインを外れ、次にトラックから離脱して安全な場所に停止してください。決してピットに戻ろうとしないでください。

 

 

まとめ

サーキットを走行しているときに、やむを得ず車両をストップしなければならない場合に守らなければならないレギュレーションについて解説しました。

コース上に車両をストップさせてしまうと、後続の車両にとって非常に危険と判断されるため、ペナルティを科される場合があります。また、セーフティカー導入や赤旗の原因にもなるため、レース結果にも影響を与えてしまう場合があります。

スポーツ走行や走行会などでは、車両回収のために赤旗が提示され、他のドライバーの走行時間を奪ってしまったり、走行が打ち切られてしまったりするなど、大きな迷惑をかけることになります。

レーシングカーである以上、車両のトラブルは避けられないかもしれません。もし、車両のトラブルによってストップしなければならなくなった場合、レギュレーションを守って正しい行動ができれば、他の車両に危険を及ぼすことも、迷惑をかけることも最小限で済むのではないかと考えます。

 

 

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