【12/1新着】F1 第15戦 バーレーンGP クビアト選手とストロール選手の接触

 

コース上で車両を押し進めることは禁止

 

トラブルでストップしてしまった車両を押し進める、どのような理由であってもレギュレーションでされています。

カートのレースではグラベルにストップしてしまった車両を手押しでコース内に復帰させたり、トラブルでストップしてしまった車両をコース外の安全な位置に手押しで押し出したりする場合もありますが、四輪のモータースポーツにおいては禁止されています。

レース中にドライバーがコース上いる状態が非常に危険な状況であることから、安全上の理由で車両を押す行為自体をレギュレーションで禁止しているのだと考えられます。

フィニッシュラインの直前でトラブルによりストップしてしまったとき、車両を押し進めてチェッカーフラッグを受けるとカッコいいのかもしれませんが、違反と判定されてペナルティを科される可能性があります。

 

1984年 FIA Formula1 第9戦 アメリカGP

1984年にダラスの市街地コースで開催されたF1第9戦アメリカGPではロータスのナイジェル・マンセル選手がチェッカーフラッグ目前でウォールにヒットし、マシンをストップさせてしまいました。

ナイジェル・マンセル選手はチェッカーフラッグを受けるために、車両を押し進めましたが、フィニッシュラインの目前で熱中症により倒れてしまいました。

現在のレギュレーションでは、このようなドライバーが車両を押し進める行為は違反となります。

 

2015年 FIA Formula 1 第10戦 ハンガリーGP

ハンガロリンクで開催された2015年F1第10戦ハンガリーGPでは、公式予選Q2でマクラーレン・ホンダのフェルナンド・アロンソ選手がマシントラブルのため、ピットロード入口の手前でストップしてしまいました。

赤旗が提示され、セッションは一時中断となりましたが、フェルナンド・アロンソ選手は残りの走行時間でラップタイムを記録するために、ピットに戻ろうとマシンを押し進めました。

途中でコースマーシャルの助けを借りたものの、マシンわピットに戻すことができました。しかしながら、残りの走行時間で走行するためには、エンジンがかかった状態でピットに戻らなければならないというレギュレーションによって、再びコースインすることができませんでした。

 

国際モータースポーツ競技規則 付則L項

(2019年12月10日発行版)

第4章 サーキットにおけるドライブ行為の規律
第3条 レース中に停止した車両

f) 走路上で車両を押すことは禁止される。

 

マーシャルに車両を押してもらうことが認められる場合がある

車両がストップした場合は、他のドライバーの危険とならないようにする必要がありますが、ドライバーがストップした車両を移動させることができない場合は、コースマーシャルが援助することがレギュレーションによって定められています。

通常は、コースアウトするなどして車両にはダメージは無いものの、グラベルにはまりこんでしまい動けなくなった場合に、コースマーシャルがホイールローダーやキャタピラー車のような重機を使って安全な位置まで車両の移動を行います。

その後、エンジンを再始動し、芝生などの上を走行してコースに復帰することができます。稀ではありますが、重機を使わずに手押しで車両を動かすことができる場合は、コースマーシャルが車両を押して、グラベルから押し出すこともあります。

 

スタート時のエンジンストール

レーススタートの時、エンジンストールしてしまい発進することができない場合、コース上から車両を除去するため、コースマーシャルが車両を押して安全な位置まで移動させます。

このとき、押しがけによってエンジンが始動すれば、そのままレースに復帰することができます。

 

国際モータースポーツ競技規則 付則L項

(2019年12月10日発行版)

第4章 サーキットにおけるドライブ行為の規律
第3条 レース中に停止した車両

b) 車両がピットレーンの外側で停止した場合には、その車両がそこにあることが他のドライバーの危険とならないよう、あるいは妨げとならないよう、できる限り速やかに移動させなければならない。
ドライバー自身がその車両を移動させることができない場合、そのドライバーを援助することはコース委員の義務とする。このような援助が、結果としてドライバーのレース復帰につながる場合は、いかなる規則違反もせず、かつ利益を受けることなくそれが行われなければならない。

 

2003年 FIA Formula1 第9戦 ヨーロッパGP

2003年にニュルブルクリンクで開催されたF1第9戦ヨーロッパGPでは、2位争いをしていたフェラーリのミハエル・シューマッハ選手とウイリアムズのファン・パブロ・モントーヤ選手が接触し、ミハエル・シューマッハ選手がスピンしてしまいました。

このとき、ミハエル・シューマッハ選手のマシンはエンジンはストップしていませんでしたが、リヤタイヤはグラベルに入ってしまっており、自力では抜け出せない状態でした。

複数名のコースマーシャルが駆けつけ、ミハエル・シューマッハ選手のマシンを後方から押し出し、コースへ復帰させました。おかげで、ミハエル・シューマッハ選手はリタイヤすることなく、レースに復帰することができました。

車両をストップさせる場合は危険回避のために安全な位置に停めなければなりませんが、ドライバー自身が車両を移動できない場合は、コースマーシャルが援助しても良いことになっています。

ただし、エンジンの押しがけを援助することは認められていません。そのため、ミハエル・シューマッハ選手の件については、エンジンが止まっていなかったことが幸運だったと言えます。

 

まとめ

ドライバーがコース上で車両を押し進めることは、レギュレーションで禁止されています。高速で走行するレーシングカーが走行するコース上で、ドライバーが車両を押し進めることは非常に危険であると考えられるためです。

ドライバーが車両を押すことはほとんどありませんが、過去のF1では車両を押すことでいくつかのドラマが生まれています。しかし、車両を押すことは非常に危険であり、レギュレーションによって禁止されていることからペナルティが科される場合もあります。実際のサーキットで車両を押す行為は絶対にしないでください。

 

 

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