2023年
2024年シーズンの内容については
こちらを参照ください。
SUPER GTは『GT500クラス』と『GT300クラス』の2つのクラスの車両が混走をしてレースが行われることが特徴のレースシリーズです。
GT500クラスとGT300クラスで車両規則がそれぞれ異なり、速度も異なるため、GT500クラスとGT300クラスは別々のレースとして争われます。
SUPER GTは例年どおりであればGT500クラスは15台、GT300クラスは30台程度の最大45台がエントリーします。
SUPER GT『GT500クラス』
2023年シーズンのSUPER GTのGT500クラスの競技車両はGTアソシエイションが定める『2023 SUPER GT GT500テクニカルレギュレーション』に準拠して製作された車両である必要があります。
現在では、トヨタ、ホンダ、日産の3社の自動車メーカーがGT500クラスに参戦する車両を開発し参戦しています。
GT500クラスのマシンは各メーカーが販売する市販車のデザインを反映していますが、中身はレーシングカーそのものであり市販車とGT500車両は全く異なると言っても過言ではありません。
SUPER GTではレギュレーションで認められている範囲に限りますが、メーカー間の開発競争が繰り広げられているため、毎年シーズン初めには大幅に進歩した新型車両が投入され、シーズンを通して進化を続けます。
ただし、GT500クラスでは2020年に投入した新造シャシーを2023年シーズン終了まで使用しなければならないことが定められており、シーズン中にシャシーを交換した場合はレース中に5秒間のペナルティストップが科せられます。
2023年シーズンのGT500クラス参戦車両は2022年シーズンから変わらず、トヨタが『GR SUPRA』、ホンダは『NSX-GT』、日産は『Z GT500』で参戦します。
ホンダは2024年シーズンからシビック・タイプRをベースとしたGT500車両を投入することを明らかにし、東京オートサロン2023において『シビック・タイプR-GTコンセプト』を発表しています。
CIVIC TYPE R-GT CONCEPT
SUPER GT 『GT500クラス』
2023年 『GT500』参戦車両
- TOYOTA GR SUPRA
- Honda NSX-GT
- NISSAN Z GT500
TOYOTA GR SUPRA (2021年型)
Honda NSX-GT (2021年型)
出典:honda.co.jp
NISSAN Z GT500
SUPER GT 『GT500クラス』
2022年 『GT500』参戦車両
- TOYOTA GR SUPRA
- Honda NSX-GT
- NISSAN Z GT500
TOYOTA GR SUPRA (2021年型)
Honda NSX-GT (2021年型)
出典:honda.co.jp
NISSAN Z GT500
DTMとSUPER GTのつながり
SUPER GTのGT500クラスは以前からドイツツーリングカー選手権『DTM』との車両規定の統合を目指し、その技術規則を『Class1 (クラス・ワン)』と定めました。
2014年からSUPER GTはDTMとトランスミッションやブレーキ、リヤウイングなどの部品の共通化を始めました。
2017年はDTMとの共通化がさらに進んだことでGT500車両のダウンフォースレベルが2016年車両と比較して25%程度削減されました。
2019年はDTMとのエンジンの共通化が完了しました。スーパーフォーミュラと共にSUPER GTで2014年から採用している2リッター直列4気筒直噴ターボエンジンがDTMにも採用されることになりました。
2019年のシーズン終了後には、正式なレースではないものの、富士スピードウェイでSUPER GTとDTMの交流戦が初めて開催されました。
2020年シーズンはボッシュが供給するエンジン・コントロール・ユニット (ECU)やマルチディスプレイが統一仕様としてSUPER GTのGT500クラスのすべての車両に搭載されました。
また、2020年の車両規則では『搭載されるエンジンの位置は車室より前部に配置されなければならない』と定められ、GT500車両はフロントエンジン車であることが規定されました。
これまでHonda NSX-GTは市販車と同様にミッドシップエンジン車として参戦してきましたが、2020年シーズンからフロントにエンジンを搭載したFR仕様になった新しいNSX-GTで参戦しています。
しかし、2020年にこれまでDTMに参戦していたアウディが2020年シーズンをもってDTMから撤退することを発表しました。DTMへの参戦する自動車メーカーがBMWの1社になってしまうことから、DTMの存続が危ぶまれました。
DTMは、これまでSUPER GTと築いてきた『Class1』の車両規定を廃止する決定をし、2021年シーズンからFIA GT3車両で争われるシリーズへ変わることになりました。
残念ながら、SUPER GTとDTMの車両規則の共通化がほぼ完了し交流戦の開催も実現しましたが、公式戦として正式なレースが開催されることは実現しませんでした。
しかしながら、DTMの方針変更によって、日本のSUPER GTのGT500クラスは世界最速のGTカーによる唯一無二のレースシリーズとなりました。
SUPER GT『GT300クラス』
GT300クラスの競技車両はGTアソシエーションが定める『GT300』、『GT300MC』、『FIA-GT3』に準拠して製作された車両である必要があります。
2017年から2020年シーズンにかけて、SUPER GTのGT300クラスはFIA-GT3車両のパフォーマンスが高く、FIA-GT3の車両を使用したチーム・ドライバーがチャンピオンを獲得してきました。
この状況を変えようとしたためかどうかは分かりませんが、2021年シーズンは結果としてJAF-GTと呼ばれる『GT300』車両に有利なBoP(性能調整)となり、2021年のシリーズタイトルを獲得した『SUBARU BRZ R&D SPORT』においては、サクセスウェイトを100kg搭載した状態でも公式予選で上位争いをするほどのパフォーマンスを発揮しました。
2023年シーズンはaprがGT300規定に準拠したハイブリッドカーとなる『LEXUS LC500h』を新たに開発しGT300クラスへ参戦するなど、『FIA-GT3』車両だけでなく、『GT300』も拡大しています。
SUPER GT 『GT300クラス』
2023年『GT300』参戦車両
『GT300』の車両規定は2020年シーズンまで、『JAF-GT300』と呼ばれていました。GT500クラスとは異なるSUPER GT独自の車両規格として、全日本GT選手権の時代から採用されてきました。
『GT300』の車両規格は、ゼロから車両を開発する必要があるため、参戦コストが高騰してしまうことからプライベーターにとっては負担となり、現在では『GT300』の車両で参戦するチームが少なくなりました。
- TOYOTA GR Supra
- TOYOTA GR 86
- SUBARU BRZ
- LEXUS LC500h
など
SUPER GT 『GT300クラス』
2023年『GT300MC』参戦車両
『GT300MC』の車両規定は2020年シーズンまで、『JAF-GT300MC』と呼ばれていました。
『GT300MC』は『GT300』の車両開発コストを低減させるため、童夢が開発したカーボンモノコック(マザー・シャシー)をベースとした車両規格として2015年に採用されました。
車両の外観は自由に決めることができるため、『GT300』車両規定のようなオリジナルの車両を安価で開発できるようになりました。
現在では、TOYOTA 86が参戦していますが、近年は『GT300』や『FIA-GT3』と比較し縮小を続けています。
- TOYOTA 86
など
SUPER GT 『GT300クラス』
2023年『FIA-GT3』参戦車両
『FIA-GT3』車両規定は、FIA GT選手権の車両規定の『グループGT1』と『グループGT2』の下位カテゴリーとして定められた『グループGT3』がベースとなっています。
現在では、FIA GT選手権のプロモーターであったSROモータースポーツ・グループがFIA GT3の車両規定を定め、世界統一のGT車両規格として、世界中のスポーツカーメーカーがFIA GT3に準拠した車両を開発しています。
- NISSAN GT-R NISMO GT3
- Honda NSX GT3
- LEXUS RC F GT3
- AMG GT
- BMW M4 GT3
- アウディ R8 LMS
- ランボルギーニ ウラカン GT3 EVO
SUPER GT 『GT300クラス』
2022年『GT300』参戦車両
『GT300』の車両規定は2020年シーズンまで、『JAF-GT300』と呼ばれていました。GT500クラスとは異なるSUPER GT独自の車両規格として、全日本GT選手権の時代から採用されてきました。
『GT300』の車両規格は、ゼロから車両を開発する必要があるため、参戦コストが高騰してしまうことからプライベーターにとっては負担となり、現在では『GT300』の車両で参戦するチームが少なくなりました。
- TOYOTA GR Supra
- TOYOTA GR 86
- SUBARU BRZ
- TOYOTA PRIUS PHV
など
※未確定情報を含みます
SUPER GT 『GT300クラス』
2022年『GT300MC』参戦車両
『GT300MC』の車両規定は2020年シーズンまで、『JAF-GT300MC』と呼ばれていました。
『GT300MC』は『GT300』の車両開発コストを低減させるため、童夢が開発したカーボンモノコック(マザー・シャシー)をベースとした車両規格として2015年に採用されました。
車両の外観は自由に決めることができるため、『GT300』車両規定のようなオリジナルの車両を安価で開発できるようになりました。
現在では、ロータス・エヴォーラやTOYOTA 86が参戦しています。
- TOYOTA 86
など
SUPER GT 『GT300クラス』
2022年『FIA-GT3』参戦車両
『FIA-GT3』車両規定は、FIA GT選手権の車両規定の『グループGT1』と『グループGT2』の下位カテゴリーとして定められた『グループGT3』がベースとなっています。
現在では、FIA GT選手権のプロモーターであったSROモータースポーツ・グループがFIA GT3の車両規定を定め、世界統一のGT車両規格として、世界中のスポーツカーメーカーがFIA GT3に準拠した車両を開発しています。
- NISSAN GT-R NISMO GT3
- Honda NSX GT3
- LEXUS RC F GT3
- AMG GT
- BMW M4 GT3
- アウディ R8 LMS
- ランボルギーニ ウラカン GT3 EVO
車両規則
これまで、JAFが発行している『国内競技車両規則』にSUPER GTの車両規則も掲載されていましたが、2021年シーズンから国内競技車両規則への記載は無くなり、GTアソシエーションが定める車両規則といった文言のみとなりました。
GT500クラスとGT300クラスの外見上の違い
SUPER GTではGT500クラスとGT300クラスの異なるクラスの車両が同時に走行します。TOYOTA GR Supra、Honda NSXはGT500クラスとGT300クラスの両方に参戦しているため、車両だけでクラスを判別するのは初心者にとっては難しいです。
そのため、ヘッドライトとゼッケンベースの色がGT500クラスとGT300クラスで異なっており、外見でクラスを識別できるようになっています。
GT500クラスの車両は白いヘッドライトと白いゼッケンベース、GT300クラスの車両は黄色いヘッドライトと黄色いゼッケンベースとなっています。
2020年シーズンからSUPER GT車両に搭載されたドライバー識別灯で、GT500クラスとGT300クラスの車両を見分けることもできます。ドライバー識別等は助手席側のフロントウィンドウ上部に搭載され、アルファベットや数字を表示することができす。
GT500クラスの車両のドライバー識別灯の文字は白色で表示され、GT300クラスの車両のドライバー識別灯の文字は青色で表示されています。
GT500クラス
ヘッドライト、ゼッケンベース:白色、ドライバー識別灯:白色
GT300クラス
ヘッドライト、ゼッケンベース:黄色、ドライバー識別灯:青色
ゼッケンベースの違い
アーカイブ
FIAインターナショナルシリーズ SUPER GT 適用車両規則
JAF申請のFIAインターナショナルシリーズとして開催される同シリーズは、FIA国際競技規則第2条4項に基づき、クラス毎にそれぞれ以下の車両規定が適用される。
(1) GT500:シリーズオーガナイザー (公認団体:株式会社GTアソシエイション)が定めるクラス1 (class1)
(2) GT300:①シリーズオーガナイザー (公認団体:株式会社GTアソシエイション)が定めるGT300 (GT300)
②シリーズオーガナイザー (公認団体:株式会社GTアソシエイション)が定めるGT300MC (GT300MC)
③FIAグループGT3 (FIA-GT3)