2024年 F1 第22戦 ラスベガスGP 開催概要

 

2024年 スーパーフォーミュラの『セーフティカー』運用ルール

2024年

 

スーパーフォーミュラでは、F1をはじめとする他のレースカテゴリーと同様に、レース中のアクシデントによって、車両がコース上にストップするなどして危険な状態が存在したり、大雨などの悪天候によってレーシングカーが安全に走行することができないと判断された場合に、『セーフティカー (SC)』が導入される場合があります。

 

 

セーフティカー運用ルールはH項に準拠

スーパーフォーミュラのセーフティカー運用ルールは『国際モータースポーツ競技規則 付則H項』に記載の内容に準拠します。

セーフティカーの導入が決定されると、コース脇にあるすべてのオブザベーションポストで『SCボード』が提示され、『イエローフラッグ』が振られます。

 

出典:youtube.com

 

セーフティカーが導入された時点から、コース全域で追い越しが禁止されます。その後、セーフティカーがピットロード出口からコースインし、各車両はセーフティカーを先頭とした隊列を形成します。

コース上の危険な状態が解消されるまで、セーフティカーを先頭とした隊列走行を続けます。走行速度はセーフティカーがコントロールします。スーパーフォーミュラではセーフティカーが導入されている間のピットインに制限はありません。

スーパーフォーミュラ独自のセーフティカー運用ルールは特に規定されていません。

セーフティカーの運用ルールについては、こちらの記事を参照ください。

 

 

周回遅れ車両の取り扱いの明確化

2022年シーズンのレギュレーション変更で、セーフティカー導入時に競技長が安全であると判断した場合は先頭車両に周回遅れにされていたすべての車両が先頭車両と同一周回にいる車両とセーフティカーを追い越して隊列の最後尾に着くことができることが明確化されました。

2021年のツインリンクもてぎで開催された第6戦でセーフティカーが解除されたあとに発生したアクシデントの原因のひとつとして、周回遅れとなっていた大湯都史樹選手がスロー走行していたことが挙げられます。セーフティカー導入時に大湯選手に対してセーフティカーを追い越すように指示が出ていたのですが、大湯選手がセーフティカーを追い越さなかったため、そのままレースが再開されました。

このアクシデントによるものかどうか分かりませんが、周回遅れの車両が先頭車両と同一周回の車両とセーフティカーを追い越すことができる運用を行う場合は、ブリーフィング等で詳細手順が周知されます。

 

 

セーフティカーラインの運用

JAFが発行している日本語版の『国際モータースポーツ競技規則 付則H項』に記載があるとおり、JAFが公認する国内で開催されるレースにおいては『セーフティカーライン』の運用はありません。

国内では、セーフティカーラインが引かれていないサーキットがまだ存在しているためです。

ただし、スーパーフォーミュラではセーフティカーラインのルールを運用することになっています。各サーキットにおけるセーフティカーラインの場所や運用の手順などの詳細は各大会ごとに発行される大会特別規則書に記載されます。

セーフティカーラインの運用についての詳細はこちらの記事話、参照ください。

 

 

2015年 スーパーフォーミュラ第3戦
富士スピードウェイ

2015年に富士スピードウェイで開催されたスーパーフォーミュラ第3戦では、セーフティカーが導入されたとき、セーフティカー解除のタイミングでピットロード入口付近に設定されている第1セーフティカーラインを通過する前のセーフティカーを競技車両が追い越しました。

当時のスーパーフォーミュラではセーフティカーラインの運用が行われていなかったため、違反とは見なされず、ペナルティなどは科せられませんでした。

レギュレーションを明確にすることと、セーフティカーラインのルールを適用している世界共通のルールに合わせるため、スーパーフォーミュラにセーフティカーラインの運用ルールが規定されたと考えられます。

 

出典:youtube.com

 

スーパーフォーミュラの公式セーフティカー

スーパーフォーミュラではF1やSUPER GTのようにシリーズを通して使用する公式のセーフティカーはありません。

そのため、セーフティカーは各サーキットに配備されている車両を使用するため、大会ごとにセーフティカーが変わります。

 

 

 

レギュレーション

2024年 全日本スーパーフォーミュラ選手権 統一規則

第33条 セーフティカー

FIA国際競技規則付則H項の規定に従い、必要に応じてセーフティカーが導入される。
なお、以下の運用を認めることとする。
1. 決勝レース中のセーフティカー(SC)は、FIA国際競技規則付則H項に定められている通り、「ピットレーンからトラックに合流する」ことを基本としているが、スタート時および直後に発生した事故に対応するため、1周回に限り当該SCの待機場所を変更することが認められる。ただし、待機場所を変更した場合、オーガナイザーは関係者に対し公式通知およびブリーフィングによる周知徹底をはからなければならない。

2. 決勝レース中にセーフティカー(SC)により非競技化された際には、FIA国際競技規則に定められた「セーフティカーは、少なくとも先頭車両がその後方に就き、残りの全車両がさらにその後方に整列するまで活動を続ける(以下省略)」との手順を原則とするが、一度捉えた先頭車両がピットインした場合には、レースの状況を総合的に考慮し、競技長の裁量によりSCの直後を走行している車両を先頭車両と見做しレースを再スタートすることが認められる。

3. 競技長がそうすることが安全であると判断した場合、先頭車両に周回遅れにされていたすべての車両は、先頭車両と同一周回にいる車両およびセーフティカーを追い越すことが求められる。この運用を採用する場合は、ブリーフィング等で詳細手順を周知徹底すること。

 

 

アーカイブ