チェッカーフラッグ『Checkered Flag』は各セッションの終了時にコントロールライン付近のオブザベーションポストで振られ、セッションの終了を知らせます。
チェッカーフラッグは国際モータースポーツ競技規則 付則H項では『黒と白のチェッカー旗』と記載されています。
出典:youtube.com
レギュレーション
フリー走行および公式予選での運用
フリー走行および公式予選においてはチェッカーフラッグはセッション終了時間になったタイミングで振られます。
チェッカーフラッグを受けた車両は安全に走行し、その周の終わりでピットインしなければなりません。
決勝での運用
決勝においては、先頭車両がレース規定周回を完了した時点で振られます。
レース終了が時間で規定されている場合は規定の時間を経過した周回がファイナルラップ(最終周)となり、先頭車両がその周回を完了する時に振られます。
決勝においては必ずトップの車両からチェッカーフラッグが振られます。トップ以外の車両からチェッカーフラッグが振られることはありません。
もし誤って規定の周回が完了する前にチェッカーフラッグが振られてしまった場合、レースはチェッカーフラッグが振られた時点で終了となります。
ダブルチェッカー
チェッカーフラッグを受けた車両はその周回でピットインしなければなりません。ピットインせずに、走行を継続すると『ダブルチェッカー』と呼ばれるペナルティとなります。
チェッカーフラッグを2回受けたという意味でダブルチェッカーと呼ばれます。
チェッカーフラッグが振られて、すべての車両が通過すると、コースマーシャルがコース清掃を行うためにコースに入ります。
もし、ダブルチェッカーの車両がいた場合、コース清掃を行なっているコースマーシャルに危険を及ぼす可能性があります。
また、次の競技の進行の妨げになる場合もあることから、ダブルチェッカーは重大な違反と見なされています。
レースカテゴリーによっては、レースコントロールからチェッカーを受けた先頭車両のゼッケンが無線やタイミングモニターのメッセージなどによりチームへ伝えられます。その情報がチームの無線を通じてドライバーにも伝えられるため、目視によるチェッカーフラッグの確認が困難な場合においても、ダブルチェッカーとならないように配慮されています。
チェッカーフラッグの確認が困難な場合
フリー走行や公式予選など走行時間が決められているセッションの場合は、走行の終了時刻と同時にチェッカーフラッグが振られます。
チェッカーフラッグが振られたタイミングと同時にコントロールラインを通過したような場合には、チェッカーフラッグを確認できずに、やむを得ずダブルチェッカーとなってしまう場合があります。
そのような場合は、チェッカーフラッグを目視で確認することが困難であると判断され、ダブルチェッカーとして違反とならない場合があります。
ただし、チェッカーフラッグが振られたあとでタイム計測を開始した周回で記録されたラップタイムはセッション終了後に記録したものと扱われるため、基本的にはそのタイムは無効となります。
決勝では、先頭の車両からチェッカーフラッグが振られますが、前方に周回遅れの車両がいる場合など、チェッカーフラッグを振り始めるタイミングがコントロールライン直前になる場合もあります。
このような場合でチェッカーフラッグが見えずにダブルチェッカーとなってしまっても、やむを得ないと判断され、ダブルチェッカーとならない場合もあります。
間違えて振られた場合
レース中にチェッカーフラッグが間違えて振られた場合は、規定の周回数を完了していなくてもレースはその時点で終了となります。
2014年のF1中国GPではマーシャルのミスにより規定の周回数よりも1周早くチェッカーフラッグが振られたため、レースは1周少ない周回数で終了しました。
また、ミスによってチェッカーフラッグが振られなかった場合は、規定の周回数が完了した時点でレースは終了となります。
2019年 F1日本グランプリ
2019年F1日本グランプリでは当初のレース距離は53周の予定でした。ところが52周を終了した時点で、コントロールラインのシグナルブリッジに設置してあるデジタルフラッグ(灯火パネル)にチェッカーフラッグが表示されていまいました。
レギュレーションに従い、レースはチェッカーフラッグが提示された52周終了時点の順位で成立しました。
当初の最終周だった53周目にトロロッソのピエール・ガスリー選手とレーシングポイントのセルジオ・ペレス選手の接触があり、順位の変動がありましたが、チェッカーフラッグが誤って表示されたことにより幻となりました。
もともと、2018年のF1カナダグランプリでチェッカーフラッグが誤って振られてしまったため、2019年はチェッカーフラッグの表示はデジタルフラッグの提示が正であると定められました。
しかしながら、デジタルフラッグの誤表示が発生したことから、2020年シーズンからはデジタルフラッグではなく、旗のチェッカーフラッグを正とするように再び変更されました。
第38条 レース終了
1. レース終了は、フィニッシュライン(最終のコントロールライン)を基準として管理される。ここでいうコントロールラインとは、コースおよびピットレーンの双方を交差する単一の直線を指す。レース終了の合図(チェッカーフラッグ)は、先頭車両が全レース距離を走行し終わった時点でただちに表示される。
レース距離が走破される前に競技会特別規則に規定される決勝レース終了時刻を超過した場合、この時刻を経過した後の周回(最終周回)の先頭車両(リーディングカー)がコントロールラインを通過した時点でレース終了の合図が提示される。
最終周にピットインした場合でもピットレーン上のコントロールラインを通過すればチェッカーフラッグを受けたものとする。
2. 万一チェッカーフラッグが不注意、その他の理由により先頭車両が規定周回数を完了する前に表示された場合でも、レースはその時点で終了したものとみなされる。
3. また、チェッカーフラッグが不注意によって遅れて表示された場合には、最終順位はレース距離が達成された時点における順位に従って決定される。
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フラッグの意味
赤旗 | 黄旗 |
オイル旗 |
青旗 |
白旗 |
緑旗 |
黒白旗 |
オレンジディスク |
黒旗 |
チェッカー |
国旗 |
(2021年12月23日発行版)
2.5.5.1 c) 黒と白のチェッカー旗:
この旗はすべてのプラクティスセッションまたは決勝レースの終了を意味する。
すべての競技車両がコントロールラインを通過するまで、第1防護線の後方から振動表示されなければならない。