2024年 F1 第22戦 ラスベガスGP 開催概要

 

2024年 SUPER GTの『セーフティカー』運用ルール

2024年

 

SUPER GTでは、他のレースカテゴリーと同様に、レース中のアクシデントによって、車両がコース上にストップするなどして危険な状態が存在したり、大雨などの悪天候によってレーシングカーが安全に走行することができないとレースコントロールが判断した場合に、『セーフティカー (SC)』が導入される場合があります。

SUPER GTのセーフティカー運用ルールは四輪モータースポーツの世界共通ルールである『国際モータースポーツ競技規則 付則H項』に記載の内容に基本的に準拠していますが、SUPER GT独自の運用ルールがあるため複雑な運用になっています。

2024年シーズンのSUPER GTのセーフティカー運用ルールは2023年シーズンから変更はありません。

 

 

セーフティカーが導入されると

レース中にレースコントロールがセーフティカーの導入を決定すると、コース脇にあるすべてのオブザベーションポストで『イエローフラッグ』が振られ、同時に『SC』と書かれたボードが提示されます。

この時点から、すべての車両は減速をしなければならず、コース全域で追い越しが禁止されます。

 

 

セーフティカーによる先導走行

セーフティカーが導入されると、ピットロード出口から、セーフティカーがコースインします。

セーフティカー導入中はコース全域で追い越しが禁止されます。当然ですが、セーフティカーを追い越すことも禁止です。

セーフティカーの速度はレーシングスピードよりも遅く、さらにコントロールされているため、自然とセーフティカーを先頭とした車両の隊列が形成されます。

セーフティカーを先頭とした隊列走行を行なっている間に、コース上にストップした車両の撤去作業を行ったり、大雨などの悪天候がおさまるのを待ったりします。

 

 

クラス順に隊列を再形成

SUPER GTではセーフティカーが導入された後、メインストレートでGT500クラスとGT300クラスの隊列を形成し直します。

これは、速度差のあるGT500クラスの車両とGT300クラスの車両が混走するSUPER GT独自の他のカテゴリーには無いルールです。

スタート直後など、セーフティカー導入時点でGT500クラス、GT300クラス共にすでに隊列がそろっている場合は、隊列の並び直しは行われません。

セーフティカーがコースインして2周回程度を走行した後、ピットロード入口付近に差し掛かったタイミングでピットロード出口のシグナルが赤に変わります。

その後、メインストレートではGT500クラスの車両とGT300クラスの車両が分けられて整列が行われます。

 

メインストレートでGT500クラスとGT300クラスが整列

メインストレートでは競技役員(オフィシャル)が『GT500』と『GT300』と書かれたクラスボードを提示します。GT500クラスはイン側、GT300クラスはアウト側にボードが提示されます。

GT500クラスはGT500クラスのボードの前に1列に停止し、GT300クラスはGT300クラスのボードの前に1列に停止します。

 

 

各クラスの先頭車両の頭出しを行う

セーフティカー導入後、セーフティカーがピットロードからコースインするとき、基本的にGT500クラスの先頭車両の前に入ろうとしますが、そうならない場合もあります。

そのため、メインストレートでは、各クラスの先頭車両がクラスごとの隊列の先頭になるように、先頭車両の前にいる周回遅れの車両をパスさせます。

競技役員の指示とセーフティカーがオレンジライトを点灯させたままグリーンライトを点灯させることにより、周回遅れ車両に対してセーフティカーを追い越すように知らせます。

セーフティカーを追い越した車両はコースを1周して各クラスの隊列の最後尾につきます。

最初にGT500クラスの先頭車両の頭出しを行なったあと、続いてGT300クラスの先頭車両の頭出しが行われます。

セーフティカーがGT500クラスの先頭車両の前に介入することができれば、GT500クラスの先頭車両の頭出しは不要となるため省略されます。

 

 

セーフティカー先導走行の再開

先頭車両の前にいたすべての車両の頭出しが完了するとセーフティカーが動き出し、セーフティカーを先頭とした隊列走行を再開します。

セーフティカーの後にGT500クラス、その後ろにGT300クラスの隊列が続いて走行を再開します。

頭出しの時にセーフティカーを追い越したGT500クラスの周回遅れ車両はGT300クラスの車両の隊列を追い越してGT500クラスの隊列の最後尾に着くことが認められています。

 

 

 

セーフティカー導入中のピットイン制限

SUPER GTではセーフティカーが導入された直後はピットインをすることが禁止されます。

ピットインが禁止されている間にピットインすると60秒以上のペナルティストップが科せられます。これは他のカテゴリーにはないSUPER GT独自のルールです。

2019年シーズンはセーフティカー導入中のピットインは全面的に禁止されていました。

2020年シーズンからセーフティカー導入直後はピットインすることが禁止されますが、メインストレートで整列し直した後に『PIT LANE OPEN』のメッセージが表示され、そのタイミングからピットインをすることが認められるようになりました。

 

 

セーフティカー導入中に給油が必要になった場合、2019年以前のシーズンではペナルティを覚悟してピットインしなければなりませんでしたが、2020年シーズンからピットレーンオープン後に限りますが、ペナルティ無しで給油できるようになりました。

ただし、セーフティカー導入中にドライバー交替をすることは認められていないため、セーフティカー導入中にピットインをしても有利にはなりません。

セーフティカーが導入されたタイミングで、すでにピットインをしていた車両はドライバー交代を含めたピット作業が認められます。

セーフティカーが1周回し、ピットロード入口に差し掛かる時にピットロード出口のシグナルが赤に変わるため、それまでにコースインをすればタイムロスはありません。

 

2019年 SUPER GT 第5戦 富士スピードウェイ

2019年SUPER GT第5戦では、リアライズコーポレーション ADVAN GT-Rにメカニカルトラブルが発生し、ピットロード入口付近に停止しました。直後に車両から炎が上がりはじめ、これを見たWAKO’S 4CR LC500はセーフティカーが導入されることを予測し、ピットに飛び込みました。

ピットインのタイミングとセーフティカー導入のタイミングがほぼ同時となりましたが、レースコントロールはセーフティカーが導入される前にピットインしたと判断し、ペナルティ等が科せられることはありませんでした。

WAKO’S 4CR LC500はセーフティカー導入中にドライバー交代を含むピット作業を行い、他チームよりも1回のピットストップをタイムロスすることなく完了することができたため、この判断によりレースに勝利しました。

 

 

セーフティカー解除の手順

SUPER GTのセーフティカー解除の手順は国際モータースポーツ競技規則 付則H項の運用手順に準拠します。

コース上の危険な状況が解消されると、レースコントロールはセーフティカーの解除を決定します。

セーフティカー解除の合図として、セーフティカーのオレンジの回転灯が消灯します。これが、次の周回からレースが再開となる合図となります。

あわせてタイミングモニタには『SAFETY CAR IN THIS LAP』のメッセージが表示されます。セーフティカーの回転灯が消灯した後の隊列のペースは先頭車両がコントロールすることができます。

 

 

セーフティカーがピットロード入口付近に設定されている第1セーフティカーラインを超えたら(ピットインしたら)、すべてのオブザベーションポストで提示されていたSCボードとイエローフラッグが撤去され、『グリーンフラッグ』が振られます。これがレース再開の合図となります。

ただし、グリーンフラッグが振られてセーフティカーが解除となっても、コントロールラインを通過するまでは他の車両を追い越すことが禁止されます。

 

 

SUPER GT 公式セーフティカー

SUPER GTの公式セーフティカーは2020年シーズンから『TOYOTA GR Supra』が採用されていましたが、2022年第3戦鈴鹿サーキット大会から『NISSAN フェアレディZ』が採用されています。

 

 

 

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