2024年 F1 第4戦 日本GP 開催概要

 

2021年 SUPER GTの『セーフティカー』運用ルール

2021年

 

2022年シーズンの内容については
こちらを参照ください。

 

SUPER GTでは、他のレースカテゴリーと同様に、レース中のアクシデントによって、車両がコース上にストップするなどして危険な状態が存在したり、大雨などの悪天候によってレーシングカーが安全に走行することができないと判断された場合に、『セーフティカー (SC)』が導入される場合があります。

SUPER GTのセーフティカー運用ルールは基本的に『国際モータースポーツ競技規則 付則H項』に準拠していますが、SUPER GT独自の運用ルールがあるため複雑な内容になっています。

 

 

セーフティカーが導入されると

セーフティカーの導入が決定すると、コース脇にあるすべてのオブザベーションポストで『イエローフラッグ』が振られ、同時に『SC』と書かれたボードが提示されます。

この時点から、コース全域で追い越しが禁止されます。

 

出典:youtube.com

 

セーフティカーによる先導走行

セーフティカーが導入されると、ピットロード出口から、セーフティカーがコースインします。セーフティカー導入中は、コース全域で追い越しが禁止されます。当然ですが、セーフティカーを追い越すことも禁止です。

セーフティカーの速度はコントロールされているため、自然とセーフティカーを先頭とした車両の隊列が形成されます。

セーフティカーを先頭とした隊列走行を行なっている間に、コース上にストップした車両の回収作業を行ったり、大雨などの悪天候がおさまるのを待ったりします。

 

 

クラス順に隊列を再形成

SUPER GTではセーフティカーが導入された後、メインストレートでGT500クラスとGT300クラスの隊列を形成し直します。他のカテゴリーには無い独自のルールです。

スタート直後など、セーフティカー導入時点でGT500クラス、GT300クラス共にすでに隊列がそろっている場合は、隊列の並び直しは行われません。

 

出典:youtube.com

 

セーフティカーがコースインし2周回程度を走行し、ピットロード入口付近に差し掛かったらピットロード出口のシグナルが赤に変わります。

その後、メインストレートでGT500クラスとGT300クラスごとに順位どおりに整列します。

 

メインストレートでGT500クラスとGT300クラスが整列

メインストレートでは競技役員がGT500とGT300のクラスボードを提示します。GT500クラスはイン側、GT300クラスはアウト側にボードが提示されます。

GT500クラスはGT500クラスのボードの前に1列に停止し、GT300クラスはGT300クラスのボードの前に1列に停止します。

 

各クラスの先頭車両の頭出しを行う

各クラスの先頭車両をクラス毎の隊列の先頭になるように、先頭車両の前にいる周回遅れの車両をパスさせます。

競技役員の指示とセーフティカーがオレンジライトを点灯させたままグリーンライトを点灯させることにより、周回遅れ車両に対してセーフティカーを追い越すように知らせます。セーフティカーを追い越した車両はコースを1周して各クラスの最後尾につきます。

最初にGT500クラスの先頭車両の頭出しを行なったあと、GT300クラスの先頭車両の頭出しが行われます。

通常、セーフティカーはGT500クラスの先頭車両の前に入るようにコースインするため、GT500クラスの先頭車両の頭出しは省略されることが多いです。

 

 

セーフティカー先導走行の再開

先頭車両の前にいたすべての車両の頭出しが完了するとセーフティカーが動き出し、先導走行を再開します。

セーフティカーの後にGT500クラス、その後ろにGT300クラスの隊列が続いて走行を再開します。

頭出しの時にセーフティカーを追い越したGT500クラスの周回遅れ車両はGT300クラスの車両の隊列を追い越してGT500クラスの隊列の最後尾につけることが認められています。

 

 

 

セーフティカー導入中のピットイン制限

SUPER GTではセーフティカーが導入された直後はピットインをすることが禁止されます。

ピットインが禁止されている間にピットインすると60秒以上のペナルティストップが科せられます。これは他のカテゴリーにはないSUPER GT独自のルールです。

2019年シーズンではセーフティカー導入中のピットインは全面的に禁止されていました。

2020年シーズンからセーフティカー導入直後はピットインすることが禁止されますが、『PIT LANE OPEN』のメッセージが表示された後は、ピットインをすることが認められるようになりました。

前述のメインストレートで各クラスの隊列を整列し直して、セーフティカーを先頭とする隊列が形成できたタイミングでピットレーンがオープンになります。

セーフティカー導入中に給油が必要になった場合、これまでのシーズンではペナルティを覚悟してピットインしなければなりませんでしたが、2020年シーズンからピットレーンオープン後に限りますが、ペナルティ無しで給油できるようになりました。

ただし、セーフティカー導入中にドライバー交替をすることは認められていないため、セーフティカー導入中にピットインをしても有利にはなりません。

セーフティカーが導入される前に、すでにピットインをしていた車両はドライバー交代を含めたピット作業が認められます。

セーフティカーが1周回し、ピットロード入口に差し掛かる時にピットロード出口のシグナルが赤に変わるので、それまでにコースインをすればタイムロスはありません。

 

2019年 SUPER GT 第5戦 富士スピードウェイ

2019年SUPER GT第5戦では、リアライズコーポレーション ADVAN GT-Rにメカニカルトラブルが発生し、ピットロード入口付近に停止しました。直後に車両から炎が上がりはじめ、これを見たWAKO’S 4CR LC500はセーフティカーが導入されることを予測し、ピットに飛び込みました。

ピットインのタイミングとセーフティカー導入のタイミングがほぼ同時となりましたが、レースコントロールはセーフティカーが導入される前にピットインしたと判断し、ペナルティ等は科されませんでした。

WAKO’S 4CR LC500はセーフティカー導入中にドライバー交代を含むピット作業を行い、他チームよりも1回のピットストップをタイムロスすることなく完了することができたため、この判断によりレースに勝利しました。

 

 

セーフティカー解除の手順

SUPER GTのセーフティカー解除の手順は国際モータースポーツ競技規則 付則H項に準拠します。

コース上の危険な状況が解消されると、レースコントロールでは、セーフティカー解除の判断が行われます。セーフティカー解除の合図として、セーフティカーのオレンジの回転灯が消灯されます。これが、次の周回からレースが再開となる合図となります。

あわせてタイミングモニタには『SAFETY CAR IN THIS LAP』のメッセージが表示されます。セーフティカーの回転灯が消灯した後の隊列のペースは先頭車両がコントロールすることができます。

セーフティカーがピットロード入口にある第1セーフティカーラインを超えたら(ピットインしたら)、すべてのオブザベーションポストで提示されていたSCボードとイエローフラッグが撤去され、グリーンフラッグが振られます。これがレース再開の合図となります。

ただし、グリーンフラッグが振られて、セーフティカーが解除となっても、コントロールラインを通過するまでは追い越しが禁止されます。

 

出典:youtube.com

 

SUPER GT 公式セーフティカー

SUPER GTの公式セーフティカーは2017年シーズンから『Honda NSX』が採用されていましたが、2020年シーズンから『TOYOTA GR Supra』が採用されています。

 

 

 

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