ピットロード

 

 

 


 

コース上だけではなく、ピットロード(ピットレーン)上においても制限速度やピット作業、ピットイン/アウトの進路などに関連する様々な規則があります。例えばピットロードの制限速度は60km/h以下と規定されています。

 

ピットロード

ピットロードは以下の3つのエリアから構成されます。

  • 作業エリア
  • ファストレーン
  • サインエリア

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出典:supergt.net

 

作業エリア

レース中などにピットインした車両がタイヤ交換や給油などを行う場所のことです。各車両毎に割り当てられたピットの前に作業エリアが設定されます。

 

ファストレーン

ピットロードを走行する車両が走行するレーンのことです。自己の作業エリアに停止する場合でも可能な限り近づくまで、ファストレーンを走行する必要があります。ピットロードを走行するときは制限速度を守らなければなりません。

 

サインエリア

ファストレーンとコースの間のエリアのことで、チームはこの場所からサインボードを提示してドライバーにピットインの指示やライバルとのタイム差などを知らせます。トップカテゴリーのレースではサインエリアにチーム監督やレースエンジニアが待機しチームやドライバーに指示を出します。

レーススタート時はアクシデントが発生しやすいことから、サインエリアへの入場が規制されます。

 

 

ピットロード制限速度

ピットロードの制限速度は基本的には60km/h以下です。特別規則書で規定すれば、制限速度は自由に設定することができます。F1は80km/h、SUPER GTにおいては50km/hです。

ピットロードの入口や出口に光電管を配置して速度を監視する場合が一般的ですが、ピットロードに埋め込んだループコイルで監視を行なっているサーキットもあります。

Formula One (F1)

  • 80km/h

SUPER GT

  • 50km/h

スーパーフォーミュラ

  • 60km/h

スーパー耐久

  • 50km/h

 

国際モータースポーツ競技規則 付則H項
(2016年3月11日発行版)

2.2 ピットレーン

2.2.1 スピード制限
F1世界選手権およびオーバルサーキットを除くすべての国際サーキット競技において、プラクティスまたは決勝レースでピットレーンを使用する車両は、時速60kmを超えてはならない。これはピットレーン全体に適用され、速度超過についてのチェックが行われなければならない。

 

2017 F1 SPORTING REGULATIONS

22) 一般安全規定

22.10 ピットレーンにおいて、競技会全体の間、80km/hの速度制限が適用される。しかしながら、FIA F1セーフティーデリゲートからの勧告があれば、競技審査委員会がこれら制限値を変更できる。

一切のプラクティス走行(フリー走行、予選)の間、速度制限を超えたドライバーのチームは、制限を超える各km/h毎に100ユーロ、最大で1,000ユーロまでの罰金が科せられる。

しかしながら、第18条1に従い、競技審査委員会は、ドライバーの速度違反が何らかの優位を得るためになされたと疑われる場合には、追加の罰則を科すことができる。

決勝レース中にこの制限速度を超えたドライバーに対して、競技審査委員会から第38条3 a)、b)、c)あるいはd)の何れかのペナルティが科せられる。

 

2017 SUPER GT Sporting Regulations

第26条 一般安全規定

11. 各ドライバーは本シリーズに定められたピットレーン通過速度(最高50km/h)を遵守しなければならない。ファストレーン走行中、意図的な加減速や蛇行運転は厳重に禁止される。

 

 

バックギアの使用禁止

ピットロードではバックギアの使用は禁止されます。車両を後退させたい場合はピットクルーが手押しで移動させます。

2016年F1アメリカGPではキミ・ライコネンがピットロード出口で車両トラブルによりストップした時に、停止した場所が上り坂だったためギアをニュートラルにし惰性でマシンを後退させピットロードまで戻りましたが、バックギアを使用していなかったため、規則違反には問われませんでした。

 

2017 SUPER GT Sporting Regulations

第26条 一般安全規定

7. プラクティスセッションおよび決勝レース中にやむを得ずまたはその他の理由により競技車両が停止した場合は、車載のスターターで、当該ドライバーによってエンジンが再始動されなければならない。
ピットエリアでの後退ギアの使用は厳重に禁止される。競技車両が自己のピットを行き過ぎて停止した場合には、当該競技車両は自チームのチームクルーによってのみ押し戻すことができる。

 

 

ピットロード入口/出口のラインカット

 

ピットイン時のラインカット

ピットロード入口に白線が引かれているサーキットにおいては、ピットイン時にこの白線をまたぐことは禁止されています。片方のタイヤが白線を踏むのは許容されていますが、片輪でもまたぐとペナルティの対象となります。

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国際モータースポーツ競技規則 付則L項
(2017年1月1日発行版)

第4章 サーキットにおけるドライブ行為の規律
第4条 ピットレーンへの進入

d) 不可抗力(審査委員会によってそのように認められた)の場合を除き、ピット入口と走路の間の区分線は、いかなる方向であっても、横断することは禁止される。

 

 

ピットアウト後のラインカット

ピットイン同様にピットロード出口に白線が引かれているサーキットにおいては、ピットアウト時にこの白線をまたぐことは禁止されています。

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国際モータースポーツ競技規則 付則L項
(2017年1月1日発行版)

第4章 サーキットにおけるドライブ行為の規律
第5条 ピットレーンからの退去

不可抗力(審査委員会によってそのように認められた)の場合を除き、ピットを離れる車両とトラック上を走行する車両とを区分する目的でピット出口のトラック上に引かれているいかなるラインも、ピットを離れる車両のいかなる部分が超えてはならない。

 

 

ピットアウト後の合流

ピットアウトした車両はコース上を走行する他の車両の走行を妨害してはいけません。サーキットの規則書でピットアウト後は急な進路変更をして合流しないように規定している場合もあります。

 

 

ピットクルー人数の制限

ピット作業に関わることのできるピットクルーに人数制限がある場合は特別規則書に規定されます。

Formula One (F1)

  • 規定無し

SUPER GT

  • 最大7名

スーパーフォーミュラ

  • 最大6名

スーパー耐久

  • 最大7名

 

2017 SUPER GT Sporting Regulations

第27条 ピットエリア

1. プラクティスセッションおよび決勝レース中に各サーキットで定められたラインから先の作業エリアに出ることができる作業要員(燃料補給要員、消火要員、タイヤ交換を行う作業要員等)は、登録されたチームクルーのうち最大7名までとする。車体側給油口と換気口が左右に離れて位置している車両については、この7名とは別に消火要員1名が燃料補給中に限り作業エリアに出て消火器を持って待機することができる。当該消火要員は他の作業を行ってはならず、専用の腕章を着用せねばならない。
ピット作業において、作業エリア外から長尺の道具等を使用して物品を受け渡しする行為は禁止される。

 

 

危険なリリース (アンセーフ・リリース)

ピットロード上ではファストレーンを走行する車両に優先権があります。ファストレーンに走行している車両がいる場合は、ピットストップ中の車両は発進することはできません。

ファストレーンに走行車両がいるにも関わらず、ピットから車両を発進させた場合は危険なリリースとしてペナルティの対象となります。

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2017 F1 SPORTING REGULATIONS

28) ピット入口、ピットレーンおよびピット出口

28.13
a) ピットレーンに居る人員、またはその他ドライバーを危険にさらす可能性のある方法で、ガレージから、またはピットストップ位置から車両を出してはならない。
競技参加者は、車両を出す時に上方および前方から見て、両方ともに明らかに安全を確保する方法を取らなければならない。

b) すべての走行セッション中、車両が安全ではない条件下で出されたとみなされた場合には、競技審査委員会は当該ドライバーを適切と判断する数だけグリッド位置を下げる処置をとることができる。

c) 決勝レースの間で、車両が安全ではない条件下で出されたとみなされた場合には、当該ドライバーは第38条3項(d)に基づくペナルティを受ける。

d) 競技審査委員会の判断で、安全でない状態で解放されたことを知りながら運転を続行するドライバーには、追加のペナルティが課される。

上記すべての場合において、車両が解放されたとされるのは、指定のガレージエリアから運転して出た時点(ガレージを出た時)、あるいはピットストップを行った後で、そのピットストップ位置を完全に離れた後のいずれかと見なされる。

 

 

ピット作業

ピットストップ中、チームのピットクルーが行う作業においても規則があります。内容はシリーズによって様々でそれぞれで異なります。

 

SUPER GTの例

  • ピットクルーは規定された装備品を正しく着用していなければならない。
  • ピットで車両を停止するときはエンジンを停止しなければならない
  • コースインする際のエンジン始動はドライバーによって四輪が接地された状態で行わなければならない
  • タイヤ交換の際、外したタイヤは平置きしなければならない。外したタイヤの手渡し禁止
  • 外したタイヤを片付ける際はタイヤを転がしてはならない
  • 燃料補給中は他の作業禁止
  • ピット作業エリアに持ち込めるインパクトレンチは2個まで


出典:toyotagazooracing.com