2020年
フルコースイエロー(FCY)の導入
国内のモータースポーツカテゴリーにおいては、スーパー耐久で2018年シリーズからフルコースイエロー(FCY)の運用が行われてきました。2020年からSUPER GTにおいてもFCYが導入されることになりました。スーパーフォーミュラにおいても2020年シーズンからFCYが導入されることが明らかになっています。
FCYはセーフティカーを導入するほどではないけれども、ダブルイエローでは安全性確保が不十分と考えられる場合に導入されます。
FCYの導入が決定されると全てのオブザベーションポストでFCYボードと黄旗の振動が提示されます。この時点でコース全域で追い越し禁止となり、80km/hの速度制限が行われます。
セーフティカー導入中のピットイン禁止が一部緩和へ
2019年シーズンではセーフティカー導入中はレースが再開するまでピットインが禁止されていましたが、2020年シーズンからセーフティカー導入中のピットイン禁止が一部で緩和されます。
セーフティカー導入後、先頭車両の前方にセーフティカーが着き、セーフティカーの後ろにすべての競技車両が整列した状態になった後、レースコントロールからタイミングモニターなどを通して『PIT LANE OPEN』の表示が行われます。この時点からピットインしピット作業を行うことが認められますが、ドライバー交代は禁止されます。
セーフティカー導入のためドライバー交代できない場合の対応方法を明確化
SUPER GTではセーフティカー導入中にドライバー交代を行うことが認められていません。また、1名のドライバーが当初のレース距離の2/3を超えて運転してはならないと定められています。
セーフティカー導入中のためドライバー交代ができず、1人のドライバーの運転距離がレース距離の2/3を超えてしまった場合は、セーフティカーの退去周にドライバー交代を行わなければならないことが定められました。
©GTA
GT300クラスのウエイトハンデの計算方法が変更に
2019年シーズンまでは獲得ポイントに伴うウエイトハンデの計算方法は以下のとおりでしたが、GT300クラスのみウエイトハンデの計算方法が改められることになりました。
2019年シーズンよりもポイントを多く獲得した上位チームほど厳しいウエイトハンデとなるため、GT300クラスは常に上位の結果を継続することがより難しくなります。
2019年シーズン (GT500クラス/GT300クラス 共通)
- 獲得ポイント × 2kg (第6戦まで)
- 獲得ポイント × 1kg (第7戦)
- ウエイトハンディ無し (第8戦)
2020年シーズン (GT300クラスのみ)
- 獲得ポイント × 3kg (第6戦まで)
- 獲得ポイント × 1.5kg (第7戦)
- ウエイトハンディ無し (第8戦)
※GT500クラスのウエイトハンデの計算方法は2019年シーズンから変更ありません。
GT300クラスの完走したチームに与えられるチームポイントの変更
SUPER GTでは上位に入賞できなくても、レースを完走したチームに対してチームポイントが与えられます。2020年シーズンからGT300クラスにおいてトップ車両から2周遅れで完走したチームに与えられるポイントが1ポイントから2ポイントに変更されました。
ドライバーに与えられるポイントに変更はありません。
2019年シーズン
- トップ車両、トップ車両と同一周回またはトップ車両に1ラップ遅れの完走車:3ポイント
- トップ車両に2ラップ以上遅れの完走車:1ポイント
2020年シーズン
- トップ車両、トップ車両と同一周回またはトップ車両に1ラップ遅れの完走車:3ポイント
- トップ車両に2ラップ遅れの完走車:2ポイント
- トップ車両に3ラップ以上遅れの完走車:1ポイント
レースディレクターが順位を戻すように指示できる
SUPER GTではシリーズを通して公平な判定を行うためにレースディレクター(服部尚貴氏)を各大会に派遣しています。2020年シーズンから黒白旗の提示を伴う走路外走行による追い越し、接触を伴う追い越しに対して、レースディレクターが上げた順位を元に戻すように指示できるようになりました。
第13条 インシデント
6. 決勝レース中に執行される罰則は、以下の通りとする。
3) 上記に加え、レースディレクターはいかなる特別な手順にも従わず黒白旗提示を伴う次の行為に対し、走行の順番を戻す指示をすることができる。
① 走路外走行による追い越し
② 接触を伴う追い越し
これらはレースディレクターの権限に属し、レース中の指示によって通知される。この権限はペナルティおよび/または複数のペナルティを課す審査委員会の権限とは関係ない。ただし、レース中に上記指示が実行されなかった場合は、本条10.に従うものとする。
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第35条 最大運転距離
1名のドライバーが総計で当初のレース距離の2/3を超えて運転してはならない。ただし、ドライバーの交替前にセーフティカーが出動しセーフティカー活動中にドライバー交替を行えなかった場合は本条の適用が免除されるが、セーフティカーの退去周にドライバー交替を行わなければならない。オーガナイザーは、当初のレース距離の2/3に相当する周回数(小数点以下切捨)を競技会特別規則に明記すること。