2023年
SUPER GT (スーパーGT)は1994年に前身となる『全日本GT選手権 (JGTC)』がスタートし、2005年に『SUPER GT』へ名称変更すると共にFIA公認の国際レースとなりました。1998年からオートバックスがタイトルスポンサーとなり、『AUTOBACS SUPER GT SERIES』として日本を代表する四輪レースとなっています。
SUPER GTのレース車両の外見は市販車がベースとなっていますが、中身は市販車と全く別物のレース専用車両となっています。GTとは『Grand Touring (グランド・ツーリング)』の略で、動力性能に優れたスポーツカーを意味します。
SUPER GTの特徴として車両規定の異なる『GT500』クラスと『GT300』クラスの2クラスの車両が混走しレースが行われます。
SUPER GTのクラス分け
GT500クラス / GT300クラス
GT500クラスとGT300クラスはそれぞれに車両規定が定められていますが、GT500クラスの方がパワフルで速い車両で、TOYOTA、NISSAN、Hondaの国内の自動車メーカー3社が参戦しています。
GT300クラスにはプライベーターと呼ばれる自動車メーカーではない、レーシングチームやチューニングショップがベースとなったチームが多く参戦しています。世界のGTカーレースのスタンダードとなっている『FIA GT3』規定車両によるGT300クラスへの参戦が認められており、現在ではFIA GT3規定車両がGT300クラスの大半を占めています。
GT300クラスの車両は様々な車両規定が混在するため、車両の違いによる性能差が生まれます。車両の性能差はSUPER GTを主催するGTアソシエーションによって管理され、レース毎にBop(Balance of Performance)と呼ばれる性能調整が行われています。その中で車両重量、エアリストリクター径、最大加給圧などが決められており、車両の違いによる性能差を少なくすることでイコールコンディションを保つようにしています。
タイヤはマルチメイク
F1をはじめとして、近年のモータースポーツにおいては1社のタイヤメーカーが指定したタイヤを供給する『ワンメイクタイヤ』を採用するカテゴリーが多くなっていますが、SUPER GTでは複数のタイヤメーカーが様々な種類のタイヤを供給する『マルチメイクタイヤ』を採用しています。
現在では、ブリヂストン、ミシュラン、ヨコハマタイヤ、ダンロップといった複数のタイヤメーカーが各チームにタイヤを供給しています。SUPER GTでは車両だけではなくタイヤの開発においても激しい争いが行われています。
ドライバーは1チーム2名
SUPER GTでは1チームあたり2名のドライバーを登録する必要があります。レースの途中でピットインしドライバーを交替することが規則で義務付けられています。
サクセスウエイト
獲得したポイントに応じてマシンに『サクセスウエイト』と呼ばれるウエイトを積載しなければならない独自のルールがあります。ウエイトを積むことにより車両の運動性能が落ちるため、SUPER GTはシリーズを通して勝ち続けることが難しいシリーズとなっており、レースは常に接戦となります。
DTMとの交流
SUPER GTを主催するGTアソシエーションはGT500クラスの車両規則とドイツツーリングカーマスターズ(DTM)の車両規則を統一化させる活動を長らく行ってきました。この車両規則は『Class1』と呼ばれ、2019年シーズンからDTMが2リッター直列4気筒ターボエンジンが採用されたことにより、SUPER GTとDTMの車両規則はほぼ統一されました。
2019年はドイツのホッケンハイムサーキットで開催されるDTM最終戦にSUPER GT車両が参戦する予定です。また11月には富士スピードウェイにて交流戦という形でSUPER GTとDTM車両によるレースが行われました。
しかし、2020年にこれまでDTMに参戦していたアウディが2020年シーズンをもってDTMから撤退することを発表しました。DTMへの参戦する自動車メーカーはBMWの1社になってしまうことから、DTMとの存続が危ぶまれました。
DTMは、これまでSUPER GTと築いてきた『Class1』の車両規定を廃止し、2021年シーズンはFIA GT3車両で争われることになりました。残念ながら、SUPER GTとDTMが共通の車両規定で正式なレースが行われることは実現しませんでした。
コースレコード
GT500クラス
サーキット | マシン | ドライバー | タイム | シーズン |
岡山国際サーキット | MOTUL AUTECH GT-R | ロニー クインタレッリ | 1分16秒602 | 2019年 |
富士スピードウェイ | ENEOS X PRIME GR Supra | 山下 健太 | 1分25秒764 | 2021年 |
鈴鹿サーキット | WedsSport ADVAN GR Supra | 国本 雄資 | 1分44秒112 | 2022年 |
チャーンインターナショナルサーキット | MOTUL MUGEN NSX-GT | 武藤 英紀 | 1分23秒341 | 2018年 |
セパンインターナショナルサーキット | TAKATA 童夢 NSX | 小暮 卓史 | 1分54秒306 | 2007年 |
スポーツランドSUGO | WedsSport ADVAN GR Supra | 阪口 晴南 | 1分09秒627 | 2022年 |
オートポリス | Red Bull MOTUL MUGEN NSX-GT | 大湯 都史樹 | 1分31秒389 | 2021年 |
モビリティリゾートもてぎ | STANLEY NSX-GT | 牧野 任祐 | 1分35秒194 | 2022年 |
GT300クラス
サーキット | マシン | ドライバー | タイム | シーズン |
岡山国際サーキット | SUBARU BRZ R&D SPORT | 山内 英輝 | 1分24秒286 | 2022年 |
富士スピードウェイ | SUBARU BRZ R&D SPORT | 山内 英輝 | 1分34秒395 | 2021年 |
鈴鹿サーキット | K-tunes RC F GT3 | 中山 雄一 | 1分55秒531 | 2018年 |
チャーンインターナショナルサーキット | VivaC 86 MC | 松井 孝允 | 1分32秒102 | 2016年 |
セパンインターナショナルサーキット | ARTA CR-Z GT | 高木 真一 | 2分03秒025 | 2013年 |
スポーツランドSUGO | SUBARU BRZ R&D SPORT | 山内 英輝 | 1分16秒834 | 2019年 |
オートポリス | TOYOTA GR SPORT PRIUS PHV apr GT | 嵯峨 宏紀 | 1分42秒039 | 2021年 |
モビリティリゾートもてぎ | ARTA NSX GT3 | 木村 偉織 | 1分44秒798 | 2022年 |
SUPER GT ロゴマーク
©GTA
SUPER GT 視聴方法
2023年シーズンのSUPER GTは『J SPORTS』で放送されます。レース後はSUPER GT公式YouTubeチャンネルで各レースのダイジェストが配信されます。
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