2024年 F1 第22戦 ラスベガスGP 開催概要

 

2022年 F1の『レース距離』『レース時間』に関するルール

2022年

 

2023年シーズンの内容については
こちらを参照ください。

 

F1のレース距離は『305kmを超える最小の周回数』とレギュレーションで定められています。

また、周回数とは別にレースの最大時間は『2時間』と定められています。そのため、規定の周回数を完了していなくても、レースが終了となる場合があります。

 

 

F1のレース距離は約305km

F1のレース距離は『305kmを超える最小の周回数』とレギュレーションで規定されています。各グランプリにおけるレース距離が305~310km程度となっているのは、このレギュレーションによるものです。

例えば、F1日本グランプリは三重県にある鈴鹿サーキットで開催されますが、鈴鹿サーキットの1周の全長は5.807kmです。レース距離が305kmを超える最小の周回数と定められているため、周回数は53周となり、レース距離は307.471kmとなっています。

余談ですが、単純に1周の距離である5.807kmに周回数の53を掛けると307.771kmとなりますが、レース距離は307.471kmであり一致しません。これは、鈴鹿サーキットはスタートラインとフィニッシュラインが同じ位置ではないため、300メートルの差が発生しています。

 

モナコグランプリは約260km

F1のレース距離にも例外があり、モナコグランプリにおいては、『260kmを超える最小の周回数』と定められています。そのため、レース周回数は78周とされ、レース距離は260.286kmとなっています。

これは、モナコグランプリの開催地であるモンテカルロ市街地コースの平均速度がF1が開催されるサーキットの中で最も遅いことから例外として扱われています。

 

スプリントのレース距離は約100km

F1では2021年から土曜日に『スプリント』と呼ばれる距離の短いレースを開催する場合があります。スプリントのレース距離は『100kmを超える最小の周回数』と定められています。

 

 

フォーメーションラップはレース距離に含まれない

レースのスタートに先駆けて行われるフォーメーションラップはレースの周回数には含まれません。

レーススタート時にエンジンストール車両やメカニカルトラブルが発生するなどの理由でレースのスタートがやり直しになったり、エクストラフォーメーションラップが行われたりした場合は、その都度、レースの周回数が1周減算されます。

 

 

 

セーフティカー導入中はレース距離に含まれる

レース中、トラブルなどでコース上やコース脇に車両がストップしまった場合、車両撤去の作業を安全に行うために、セーフティカー(SC)が導入される場合があります。

セーフティカー導入中はコースの全域で追い越しが禁止され、セーフティカーを先頭とした隊列走行となりますが、この間はレース距離に含まれるため周回数はカウントされます。

雨などの影響により、安全に通常のレーススタートを行うことが難しいと判断された場合、セーフティカー先導によってレースがスタートする場合があります。これを『セーフティカースタート』と呼びます。

この場合、コース上の安全が確認されるまで、セーフティカーを先頭とした隊列走行が行われます。

 

 

セーフティカースタート時の周回数

F1ではセーフティカー先導によってレースがスタートとなった場合、セーフティカー先導で周回した周回数から1周を減算した周回数がレース周回数から減算されます。

例えば、53周のレースがセーフティカー先導でスタートとなり、セーフティカー先導による走行が3周にわたって行われた後でレースが再開された場合は、レース距離は2周減算され51周となります。

レースがセーフティカー先導でスタートした場合、フォーメーションラップは行われません。

 

 

 

F1のレース時間は最大2時間

F1のレース距離は『305kmを超える最小の周回数』とレギュレーションで定められていますが、レースの最大時間は『2時間』と定められています。

そのため、規定の周回数が完了していなくても、レースのスタートから2時間が経過した次の周がファイナルラップ(最終周)となり、トップの車両が次にコントロールラインを通過する際にチェッカーフラッグが振られ、レースが終了になります。

雨のためレーシングスピードが遅くなったり、複数回にわたってセーフティカー(SC)が導入される展開になった場合など、2時間でレースが終了になる場合があります。

ハンガリーGP(ハンガロリンク)やシンガポールGP(マリーナベイ市街地コース)のように、もともと平均速度が遅いサーキットでは、レース展開によってレース時間が2時間に迫ることは少なくはありません。

レースが2時間で終了するレギュレーションのことを『2時間ルール』と呼ぶことがあります。F1では、レース時間が2時間に近づいてくると国際映像の周回数のカウント表示が周回数から残りレース時間に変わります。

 

スプリントは最大1時間

スプリントのレース距離は約100kmですが、レース時間は『最大1時間』と定められています。

 

 

赤旗中断時のレース時間はスタートから最大3時間

レース中にレッドフラッグ(赤旗)が振られてレースが一時中断となった場合、中断となっている時間はレース時間の2時間には含まれません。

ただし、中断時間を含むレース時間がカウントされており、中断時間を含むレース時間が3時間を経過した時点でレースは終了となります。

 

スプリントは最大1時間30分

スプリントの場合、中断時間を含むレース時間が1時間30分を経過した時点でスプリントは終了となります。

 

2022年 F1第18戦 日本グランプリ

2022年10月9日、鈴鹿サーキットで3年ぶりに開催されたF1第18戦日本グランプリでは、レース1周目に200Rでフェラーリのカルロス・サインツ選手がクラッシュ、その後セーフティカーが導入されましたが雨脚が強くなったこともあり、赤旗が振られレースが一時中断となりました。

天候が回復せず2時間あまりの中断の後、レースはセーフティカー先導で再開されました。中断時間を含む最大レース時間が3時間と定められていることもあり、すでに当初の53周を完了することは不可能な状態でした。

レースのスタートから3時間が経過した28周目がファイナルラップとされ、28周が終了した時点でトップを走行していたレッドブルのマックス・フェルスタッペン選手からチェッカーフラッグが振られ、レースが終了となりました。

2時間ルールではレース時間が2時間を経過した次の周回がファイナルラップとなりますが、3時間ルールではプラス1周がなく3時間を経過した周回がファイナルラップとなります。

また、当初のレース周回数の53周に対して28周しか完了していませんでしたが、レースが正式に終了したことによりポイントはフルポイントが与えられました。

 

 

周回数の90%を走行すれば完走扱い

F1ではレースが終了する前に車両のトラブルなどによってリタイヤしてしまい、チェッカーフラッグを受けることができなかったり、周回遅れになってしまい規定の周回数を完走できない場合があります。

この場合、トップの車両が完了した周回数の90%(端数切捨)以上を完了していれば、完走として扱われます。

『ルマン24時間耐久レース』のような耐久レースではチェッカーフラッグを受けなければレースを完走したとして扱われない場合があります。F1ではチェッカーフラッグを受けたとしても、先頭の車両が完了した周回数の90%以上を完了していなければ、完走として扱われません。

 

 

2022年 F1 レース距離

ラウンド グランプリ レース距離
第1戦 バーレーンGP 5.412 km × 57周 = 308.238km
第2戦 サウジアラビアGP 6.174km × 50周 = 308.450km
第3戦 オーストラリアGP 5.303km × 58周 = 307.574km
第4戦 エミリア・ロマーニャGP 4.909km × 63周 = 309.050km
第5戦 マイアミGP 5.412km × 57周 = 308.326km
第6戦 スペインGP 4.675km × 66周 = 308.424km
第7戦 モナコGP 3.337km × 78周 = 260.286km
第8戦 アゼルバイジャンGP 6.003km × 51周 = 306.049km
第9戦 カナダGP 4.361km × 70周 = 305.270km
第10戦 イギリスGP 5.891km × 52周 = 306.198km
第11戦 オーストリアGP 4.318km × 71周 = 306.452km
第12戦 フランスGP 5.842km × 53周 = 309.690km
第13戦 ハンガリーGP 4.381km × 70周 = 306.630km
第14戦 ベルギーGP 7.004km × 44周 = 308.052km
第15戦 オランダGP 4.252km × 72周 = 306.144km
第16戦 イタリアGP 5.793km × 53周 = 306.720km
中止 ロシアGP 5.848km × 53周 = 309.745km
第17戦 シンガポールGP 5.065km × 61周 = 308.828km
第18戦 日本GP 5.807km × 53周 = 307.471km
第19戦 アメリカGP 5.513km × 56周 = 308.405km
第20戦 メキシコGP 4.304km × 71周 = 305.354km
第21戦 サンパウロGP 4.309km × 71周 = 305.909km
第22戦 アブダビGP 5.281km × 58周 = 306.183km

 

ラウンド グランプリ レース距離
第1戦 バーレーンGP 5.412 km × 57周 = 308.238km
第2戦 エミリア・ロマーニャGP 4.909km × 63周 = 309.050km
第3戦 ポルトガルGP 4.653km × 66周 = 306.826km
第4戦 スペインGP 4.675km × 66周 = 308.424km
第5戦 モナコGP 3.337km × 78周 = 260.286km
第6戦 アゼルバイジャンGP 6.003km × 51周 = 306.049km
第7戦 フランスGP 5.842km × 53周 = 309.690km
第8戦 シュタイアーマルクGP 4.318km × 71周 = 306.452km
第9戦 オーストリアGP 4.318km × 71周 = 306.452km
第10戦 イギリスGP 5.891km × 52周 = 306.198km
第11戦 ハンガリーGP 4.381km × 70周 = 306.630km
第12戦 ベルギーGP 7.004km × 44周 = 308.052km
第13戦 オランダGP 4.252km × 72周 = 306.144km
第14戦 イタリアGP 5.793km × 53周 = 306.720km
第15戦 ロシアGP 5.848km × 53周 = 309.745km
第16戦 トルコGP 5.338km × 58周 = 309.396km
第17戦 アメリカGP 5.513km × 56周 = 308.405km
第18戦 メキシコGP 4.304km × 71周 = 305.354km
第19戦 サンパウロGP 4.309km × 71周 = 305.909km
第20戦 カタールGP 5.380km × 57周 = 306.660km
第21戦 サウジアラビアGP 6.174km × 50周 = 308.450km
第22戦 アブダビGP 5.281km × 58周 = 306.183km

 

 

レギュレーション

2022 FORMULA 1 SPORTING REGULATIONS

2022/3/15発行版

5) CHAMPIONSHIP EVENTS

5.1 Events are reserved for Formula One cars as defined in the Technical Regulations.

5.2 Each Event will have the status of an international restricted competition.

5.3 A sprint session will take place at up to three (3) Events.

a) The distance of each sprint session, from the start signal referred to in Article 43.11 to the end-of-session signal referred to in Article 59.1, shall be equal to the least number of complete laps which exceed a distance of 100km. However, should one (1) hour elapse before the scheduled sprint session distance is completed, the leader will be shown the end-of-session signal when he crosses the control line (the Line) at the end of the lap following the lap during which the one (1) hour period ended, provided this does not result in the scheduled number of laps being exceeded. Only under the circumstances below will any exception be made to the above:

i) Should the sprint session be suspended (see Article 57) the length of the suspension will be added to this period up to a maximum total sprint session time of one and a half (1.5) hours.

ii) If the formation lap is started behind the safety car (see Article 49.1)) the number of sprint session laps will be reduced by the number of laps carried out by the safety car minus one.

5.4 The distance of all races, from the start signal referred to in Article 44.10 to the end-of-session signal referred to in Article 59.1, shall be equal to the least number of complete laps which exceed a distance of 305km. However, should two hours elapse before the scheduled race distance is completed, the leader will be shown the end-of-session signal when he crosses the control line (the Line) at the end of the lap following the lap during which the two (2) hour period ended, provided this does not result in the scheduled number of laps being exceeded. Only under the circumstances below will any exception be made to the above:

a) The distance of the race in Monaco shall be equal to the least number of complete laps which exceed a distance of 260km.

b) Should the race be suspended (see Article 57) the length of the suspension will be added to this period up to a maximum total race time of three (3) hours.

c) If the formation lap is started behind the safety car (see Article 49.1)) the number of race laps will be reduced by the number of laps carried out by the safety car minus one.

5.5 The maximum number of Events in the Championship is 24 the minimum is 8.

5.6 The final list of Events is published by the FIA before 1 January each year.

5.7 An Event which is cancelled with less than three months’ written notice to the FIA will not be considered for inclusion in the following year’s Championship unless the FIA judges the cancellation to have been due to force majeure.

5.8 An Event may be cancelled if fewer than twelve (12) cars are available for it.

 

 

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