2024年
F1だけでなくモータースポーツに参戦する車両には『カーナンバー』を付ける必要があります。
カーナンバーは重複することなく、ドライバーやチームと紐づけされて管理され、レース結果やペナルティが科せられる場合など、あらゆる場面でカーナンバーが併記されます。
カーナンバーはドライバーが好きな数字を選択
F1では2014年シーズンからカーナンバーはドライバー自身が好きな数字を選択できるようになりました。シーズンが変わったり、チームを移籍したりしても同じカーナンバーを使い続けることになっています。
二輪レースの世界最高峰の『MotoGP』では、以前からゼッケンナンバーは前年度のシリーズランキング順や所属するチームなどによらず、ライダー固有のナンバーとして付けられてきました。
2021年シーズンをもってMotoGPから引退したヴァレンティーノ・ロッシ選手が付けていたゼッケンナンバー『46』は世界的にも有名です。
F1においても、ルイス・ハミルトン選手が『44』、マックス・フェルスタッペン選手が『33』を意味するように、カーナンバーがドライバーのアイデンティティを象徴するような存在になっています。
カーナンバー『1』を使用できるのは前年度ドライバーチャンピオンだけ
F1ではカーナンバー『1』は前年度のドライバーチャンピオンだけが使用する権利を与えられます。
ただし、ドライバーチャンピオンであっても、カーナンバー『1』を使用せずに自身のカーナンバーを使用し続けることもできます。
ルイス・ハミルトン選手はチャンピオンを獲得してもカーナンバーを選択できるようになった2014年シーズン以降はカーナンバー『1』を使用せず、自身のナンバーである『44』を使用し続けました。
2016年シーズンのチャンピオンであるニコ・ロズベルグ選手はチャンピオン獲得後にF1から引退したため、2017年シーズンはカーナンバー『1』を使用できるドライバーはいませんでした。
2021年シーズンのドライバーチャンピオンを獲得したマックス・フェルスタッペン選手は2022年シーズンをカーナンバー『1』を付けて参戦しました。これは、2014年のセバスチャン・ベッテル選手以来のカーナンバー『1』の復活となりました。
2022年、2023年シーズンのドライバーチャンピオンを獲得したマックス・フェルスタッペン選手は2024年シーズンもカーナンバー『1』で参戦します。
カーナンバーには保有期限がある
F1ドライバーが設定したカーナンバーはそのドライバーがF1に参戦し続ける限り、そのナンバーを使用し続ける権利があります。
ただし、2シーズン連続でF1に参戦することができなかった場合、そのドライバーに付けられていたカーナンバーを保有する権利は消滅します。
また、前年度のドライバーズチャンピオンシップで優勝したドライバーがカーナンバー『1』を付けることを選択した場合、それまで、そのドライバーが付けていたカーナンバーは、次のシーズンのために予約されることになっています。
そのため、チャンピオンを獲得したドライバーがもともと付けていたカーナンバーを他のドライバーが奪うことはできません。
2013年シーズン以前のカーナンバー
F1では2013年シーズン以前は、前年度のコンストラクターズチャンピオンシップのランキング順に従ってカーナンバーが決められていました。
まず、前年度のドライバーズチャンピオンシップで優勝したドライバーがカーナンバー『1』を付け、そのチームメイトがカーナンバー『2』を付けます。
他のチームは前年度のコンストラクターズチャンピオンシップのランキング順に『3、4』、『5、6』、『7、8』・・・と付けていました。
ヨーロッパでは『13』は不吉な数字であると扱われていることから、カーナンバー『13』は付けられることはありませんでした。
1994年シーズンのF1では、前年度にチャンピオンを獲得したウイリアムズのアラン・プロスト選手が引退したため、ウイリアムズはデーモン・ヒル選手にカーナンバー『0』を付け、アイルトン・セナ選手にカーナンバー『2』を付けました。
このように、2013年シーズン以前のF1ではカーナンバーは毎年変更されることが当然となっていました。
レギュレーション
アーカイブ
2024/2/28発行版
9) CAR LIVERY AND COMPETITION NUMBERS
9.1 Car Livery
a) The provisions of the Code relating to national colours shall not apply to the Championship.
b) Both cars entered by a Competitor must be presented in substantially the same livery at every Competition, any significant change to this livery during a Championship may only be made with the agreement of the FIA and the Commercial Rights Holder.
c) In order that the cars of each Competitor may be easily distinguished from one another whilst they are on the track, the on-board cameras located above the principal roll structure of the first car must remain as it is supplied to the Competitor and the second car must be predominantly fluorescent yellow.
d) The name or the emblem of the make of the car must appear on the front of the nose of the car and in either case be at least 25mm in its largest dimension.
e) The name of the driver must appear on the external bodywork of the car and be clearly legible.
f) Each car will carry the competition number of its driver as published by the FIA at the beginning of the Championship or the competition number that has been allocated to his replacement in accordance with Article 32.4c). This number must be clearly visible from the front of the car and on the driver’s crash helmet.
9.2 Competition Numbers
a) Prior to the start of the 2014 FIA Formula One World Championship competition numbers were permanently allocated to drivers by ballot, such numbers must then be used by that driver during every Formula One World Championship Competition he takes part in throughout his career in Formula 1.
b) A driver’s career in Formula 1 will be deemed to have ended if he does not participate in a Competition for two (2) entire consecutive Championships.
c) Any new drivers, either at the start of or during a Championship, will also be allocated a permanent competition number in the same way.
d) The only exception to this allocation process will be for the reigning World Champion who will have the option to use the number one. The competition number that was previously allocated to him will be reserved for him in subsequent Championship if he does not retain the title of World Champion.