2020年
レッドフラッグ(赤旗)は大雨などの天候の急変や大きなアクシデントの発生など、安全上の理由で競技の続行が困難と競技長が判断した時に振られます。レッドフラッグが振られた時点で競技は中断となります。他のカテゴリーと同様にSUPER GTにおいてもセッション毎にレッドフラッグの運用方法が異なります。
出典:youtube.com
フリー走行・公式予選・ウォームアップ走行
フリー走行、公式予選、ウォームアップ走行ではレッドフラッグが振られたら、全ての競技車両は減速して走行し、他車を追い越すことなく、ピットインしなければなりません。レッドフラッグが振られた後に記録されたラップタイムは無効となります。
タイムアタック中にレッドフラッグが提示され、そのままピットインせずにタイムアタックを継続した場合、そのラップタイムは無効となるだけでなく、赤旗無視(FIA国際モータースポーツ競技規則 付則H項 違反)と判定され、ペナルティとなる場合があります。
SUPER GTでは公式予選でレッドフラッグが提示される原因となった車両は、以降のセッションには出走することができません。また当該セッションで記録されたラップタイムは抹消となります。公式予選Q1でコースアウトなどによってレッドフラッグの原因となってしまった車両は、それまでにいくら速いラップタイムを記録していたとしても必然的に予選最後尾となってしまいます。
©GTA
決勝
決勝中にレッドフラッグが振られたら、全ての競技車両は『赤旗ライン』に進み、GT300クラスがアウト側1列、G500クラスがイン側1列に整列しなければなりません。基本的に赤旗ラインはコントロールライン付近に設定されます。SUPER GTでは、レッドフラッグが提示された後にピットインすることは認められません。
出典:youtube.com
全ての競技車両が赤旗ライン手前で停止するとレースは中断となります。ドライバーは車両から降りることができます。また、レッドフラッグによりレースが中断となっている間も以下の作業を行うことが認められています。
- ドライバーの乗降
- シートベルトの脱着の補助
- ドライバー無線の装着
- ドリンクボトル、クールスーツの接続
- 日除け・雨避けカバーの設置
- 窓ふき、曇り除去
レッドフラッグの提示によってレースが中断されている間も、計時システムは停止せずにカウントを継続し、周回数も記録されます。
アクシデントによりレッドフラッグが提示された場合は、レースが中断されている間に車両の回収作業など、レース再開に向けた活動が行われます。悪天候によりレースが中断となった場合は、天候の回復を待ちます。
レースコントロールではレース再開の時刻が協議され、決定次第、チームに告知されます。
赤旗中断からのレース再開の手順
レース再開 5分前
赤旗ラインの手前に停止した車両の隊列はトップの車両が先頭に並んでいるとは限りません。そのため、レース再開時刻の5分前になったら、GT500クラス、GT300クラスのそれぞれのトップ車両の前にいる周回遅れの車両がオフィシャルの指示によってスタートします。この周回遅れの車両は他車を追い越すことなくコースを1周し、各クラスの最後尾に着きます。
レッドフラッグが振られたときにピットインしていた車両は、周回遅れの車両がスタートした後にピットアウトすることができます。他車を追い越すことなくコースを1周し、各クラスの最後尾に着きます。
レース再開 3分前
レース再開時刻の3分前になると、全ての作業が禁止されます。ドライバー、競技役員以外の人はコース上から退去しなければなりません。
レース再開 1分前
レース再開時刻の1分前になると、レース再開に向けて、ドライバーは車両のエンジンを始動します。
レース再開
レッドフラッグによるレース中断後の再開はセーフティカー先導により行われます。
レース再開時刻になるとグリッド前方でグリーンフラッグが振られ、セーフティカーの先導によって隊列がスタートします。オブザベーションポストでは、『SCボード』と『イエローフラッグの振動』が提示されます。
以降の手順はセーフティカー運用ルールに従います。セーフティカーを先頭とした隊列走行を行います。悪天候によりレース中断となった場合は、セーフティカー先導による隊列走行が数周に渡って行われる場合があります。その後、通常のセーフティカー解除の手順でレースが再スタートとなります。
出典:youtube.com
赤旗中断のままレース終了
レッドフラッグが振られてレースが中断となった場合、通常はレース再開に向けて進められます。しかし、安全上の理由が解決できないなどの理由によって、レースが再開できずに、中断されたままレースが終了となる場合もあります。この場合、SUPER GTでは、レースが中断された周回の1周前の順位がレース結果となります。
第37条 レースの中断およびレースの再開
レースの中断およびレースの再開についての細部運用規定は付則-4「決勝レース中の赤旗によるレース中断およびレースの再開」に定める。
1. レース中断
事故によってサーキットが閉鎖されたり、天候またはその他の理由で競技の継続が危険となったため、決勝レースを中断する必要が生じた場合、競技長は赤旗をすべてのマーシャルポストで提示する。
赤旗中も計時は停止しないで継続される。(周回数カウントも連続される)
2.レースの再開
レースの再開は、再開時刻が事前にチームに告知され、セーフティカースタートによって行われる。
レースが再開できなかった場合は、レースは中断の合図が出された周回の1つ前の周回が終了した時点の結果が採用される。
©GTA
関連記事
次の記事へ
前の記事へ
第29条 プラクティスセッション(公式予選等)
4. 競技長はレースディレクターと協議し、コースの安全性の確保、または清掃、車両の回収のために必要な場合には、赤旗を表示することにより公式予選を中断することができる。
赤旗提示以降の計測は無効とする。
公式予選中断の場合、予選時間の延長/短縮は競技会審査委員会が決定する。このように公式予選が中断された場合でもドライバーおよび競技車両の予選通過に対する影響についての抗議は受け付けられない。
5. 公式予選中、または公式予選中断時に、何らかの理由により競技役員の手助けを受けピットに戻った競技車両は、公式予選の残りの時間内に再びコースインすることはできない。公式練習での適用、および第18条ドライバーの遵守事項3項におけるケースを除く。
公式予選の各セッションで赤旗提示の原因と特定された車両は、当該セッションを含む残りの予選の走行はできない。また、当該セッションのタイムは抹消される。