2024年 F1 第4戦 日本GP 開催概要

 

2020年 スーパーフォーミュラにおける赤旗によるセッション中断と再開の手順

2020年

 

赤旗は大雨などの天候の急変やアクシデントの発生など、安全上の理由で競技の続行が困難と競技長が判断した時に提示されます。他のカテゴリーと同様にスーパーフォーミュラにおいてもプラクティスセッション(公式予選等)と決勝で赤旗の運用手順が異なります。

 

出典:youtube.com

 

 

フリー走行・公式予選・ウォームアップ走行

フリー走行、公式予選、ウォームアップ走行では赤旗が提示されたら、全ての競技車両は減速して走行し、ピットインしなければなりません。赤旗が提示された後に記録されたラップタイムは無効となります。

タイムアタック中に赤旗が提示され、そのままピットインせずにタイムアタックを継続した場合、そのラップタイムが抹消されるだけでなく、赤旗無視(FIA国際モータースポーツ競技規則付則H項違反)と判定され、ペナルティとなる場合があります。

スーパーフォーミュラでは公式予選中にコースアウトした車両は自力で走行し復帰できた場合は、以降の公式予選セッションに出走することができますが、レースオフィシャルの手助けによって復帰した場合は再びコースインすることができません。

また、公式予選中に赤旗もしくは黄旗の原因と特定されたドライバーはペナルティの対象となる場合があります。

赤旗の原因が解消されると、レースコントロールはセッションの再開時間を決定し、チームに告知します。セッション再開時間になるとピットロード出口のシグナルがグリーンに変わり、走行再開となります。残りの走行時間は赤旗が提示された時の残り時間から再開しますが、残りの走行時間が1~2分しか無い場合は、公式予選ではタイム計測を行うことができないため、走行時間がわずかに延長される場合もあります。

 

 

2019年 全日本スーパーフォーミュラ選手権 統一規則

第27条 プラクティスセッション(公式予選等)

6. 公式予選中にコースアウトした車両は、当該予選中、赤旗中断中およびインターバル中に自力で走行し自己のピットに戻った場合は、以降の公式予選に出走することが許される。ただし、その際に何らかの理由により競技役員の手助けを受けピットに戻った場合は、再びコースインすることは許されない。ただし、第19条7.におけるケースを除く。
なお、黄旗もしくは赤旗提示の原因と特定されたドライバーは、罰則の対象となる場合がある。

 

 

決勝

レース中、大雨や濃霧のような天候の急変やアクシデント等により停止したマシンがコースを塞いでしまうなどして、安全に競技を継続することが困難であるとレースコントロールが判断した場合には、赤旗が振られ、レースは一時中断となります。

 

赤旗が提示されると

赤旗が振られると、コース全域で追い越しが禁止されます。赤旗提示後にピットインした場合は、レース再開後にドライブスルーペナルティが科されます。

全ての車両は安全に走行し、赤旗ラインの後方に整列しなければなりません。また、ピットロード出口は閉鎖され、ピットインしていた車両はコースインすることができなくなります。

全ての車両が赤旗ラインの後方に整列が完了した後、天候の回復やコース上に停止した車両の撤去作業が完了するなど、危険な状況が取り除かれるまでレースは中断となります。

赤旗の意味や赤旗ラインについてはこちらの記事を参照してください。

 

順位は赤旗提示前に戻る

コース上に停止した車両がコースを塞ぐなどして、赤旗ライン後方まで戻ることができなくなった車両がいたり、赤旗の提示により大きく順位が変動した場合など、レース審査委員会の承認のもと、赤旗が提示される前の順位に戻されます。

この時の順位は各車両の順位が特定できる最終のコントロールライン通過順となります。

赤旗提示によってレースが中断されている間も、計時システムは停止せずにカウントを継続し、周回数も記録されます。

 

赤旗中断中の作業

赤旗中断中はピットクルーによる作業が認められます。ただし作業がレースの再開の妨げとなってはなりません。

赤旗提示前に既にピットインしていた車両については給油が認められます。

 

 

赤旗後のレースの再開手順

天候が回復したり、コース上の危険が無くなった後、レースコントロールはレース再開時刻を決定し、チームに告知します。

赤旗中断後のレースの再開はセーフティカー先導で行われます。

レース再開に向けてカウントダウンが行われます。レース再開時間の10分前、5分前、3分前、1分前、15秒前には警告音とカウントダウンのボードが提示されます。

 

レース再開時間 10分前

警告音やボードの提示により、レース再開10分前がチームやドライバーに知らされます。

 

レース再開時間 5分前

警告音やボードの提示により、レース再開5分前がチームやドライバーに知らされます。

 

レース再開時間 3分前

全ての車両はタイヤの装着が完了していなければなりません。
この時点でタイヤが装着されていない車両は最後尾からのスタートかピットレーンからのスタートになります。

赤旗提示前にピットインしていた車両はマーシャルカーの先導によりコースインし、コースを1周走行した後、赤旗ラインに整列している車両の後方に並ぶことができます。ただし、コースインするためにはレース再開時間の3分前にピットロード出口で待機していなければなりません。この時、赤旗提示後にピットインした車両はコースインすることができません。

グリッドでは、先頭車両とセーフティカーの間にいる周回遅れ車両はセーフティカーを追い越してマーシャルカーの先導によりコースを1周走行し、赤旗ラインに整列している車両の後方に並ぶことができます。

 

レース再開時間 1分前

チームクルーは車両のエンジン始動します。

チームクルーは15秒前ボードが提示されるまでにグリッドから退去しなければなりません。

 

レース再開時間 15秒前

チームクルーのグリッドからの退去完了

 

レース再開時間

グリーンライトが点灯され、セーフティカー先導によりレースが再開されます。
出遅れてしまった車両がいた場合は、最後尾の車両が赤旗ラインを通過する前であれば、元の順位に戻るために他の車両を追い越すことが認められます。
最後尾の車両が赤旗ラインを通過した後も動き出せなかった場合は、再スタート後、最後尾に並ばなければなりません。

最後尾の車両がピットロード出口付近を通過した後、ピットロード出口のシグナルがグリーンとなります。ピットインしていた車両はセーフティカーを先頭とした隊列走行に加わることができます。

 

セーフティカー先導走行

その後の手順はセーフティカーの運用手順に準拠します。通常のセーフティカー運用手順と同じく、セーフティカーがピットインした後、レースが再開されます。

 

 

赤旗中断のままレースが終了した場合

天候が回復しない等、赤旗によりレースが中断したまま再開できずにレースが終了となる場合もあります。

スーパーフォーミュラでは、この場合、レースが中断された周回の1周前の順位がレース結果となります。その場合に、与えられるポイントは以下のとおりです。

 

先頭車両が2周回を完了する前にレースが終了した場合

レースは成立せず、ポイントは与えられません。

 

先頭車両が2周回を完了し、走行距離がレース距離の75%未満で終了した場合

レースは成立し、ポイントの半分が与えられます。

 

先頭車両がレース距離の75%以上を完了した後に終了した場合

レースは成立し、全てのポイントが与えられます。

 

 

2020年 全日本スーパーフォーミュラ選手権 統一規則

第34条 レースの中断およびレースの再開

事故によってサーキットが閉鎖されたり、天候またはその他の理由で競技の継続が危険となったため、決勝レースを中断する必要が生じた場合、競技長は赤旗をすべての監視ポストで、また赤ライト(中断ライト)をライン上において提示することを命ずる。

1. レースの中断

1) 中断の合図提示後は、追い越しは禁止され、ピット出口は閉鎖される。
その後、全車は赤旗ラインの後方にゆっくりと進み、そこで先頭車両の位置に関わらず一列で停止しなければならない。その後、レースが再開される際のすべての車両のグリッドは、赤旗ラインに停止した順にスタッガードフォーメーションに配列されるものとする。
コースが閉鎖されたこと等によりグリッドに戻ることができなくなった車両がある場合、当該車両はコースが使用可能な状態になり次第グリッドに戻される。
この場合、レースが再開される際のすべての車両のグリッドは、審査委員会の承認のもと、レースが中断される前の順に配列されるものとし、各車両の位置が特定できる最終のコントロールライン通過順とする。
上記の全ての車両は、レースを再開することを許可される。
セーフティカーは、赤旗ラインの前方に進み出る。その後、オフィシャルカーがセーフティカーと赤旗ラインの間に縦列に停車する。

2) レース中断の間は、
- レースも計時システムも停止することはない。
- 車両が一旦赤旗ライン後方に停止した後、またはピットに入った後は作業を行うことができるが、この場合の作業がレースの再開の妨げとなってはならない。
- レース中断の合図が提示されたときに、すでにピット入口あるいはピットレーンにいた車両を除き、給油は禁止される。
- グリッド上には、チーム員と競技役員のみが立ち入りを認められる。

3) 車両はレース中断後にピットレーンに進入することができるが、中断後にピットレーンに進入した車両およびグリッドからピットレーンに移動した車両のドライバーに対し、レース再開後にドライビングスルーペナルティが課せられる。レース中断の合図が提示されたときに、すでにピット入口あるいはピットレーンにいた車両のドライバーについてペナルティを課されることはない。

4) レース再開により、レースが中断されたときにピット入口あるいはピットレーンにいた車両の内、レース中断後にピットレーンへ進入した車両を除きピットを出ることができる。この場合、レース再開の3分前ボード提示後にオフィシャルカーの先導により1周回を完了する車両列の後方へ合流することが許される。ただし、3分前ボードが提示された時点でピットレーン出口にいた車両に限られる。
レース中断後にピットレーンへ進入した車両は、この場合のコースインは認められない。上述の事項を条件として、ピット出口よりレースを再開しようとする全ての車両は、他車を不当に遅らせることがない限り、自力で出口にたどり着いた順にレース再開をすることができる。

5) これらの状況下では、ファストレーンでの作業が許可されるが、かかる作業はすべて以下に限られる:
- エンジンの始動および当該行為に関連する準備;
- 冷却および加熱装置の取り付けおよび取り外し;
- ホイール交換;
ドライバーは常に競技役員の指示に従わなければならない。

2. レースの再開

1) 遅延はできる限り短く保たれ、再開の時刻がわかると直ちに、チームはピット放送等を通じて知らされる。いかなる場合にも、少なくとも10分前の警告が知らされる。

2) スタート再開前に、10分前、5分前、3分前、1分前、及び15秒前のボード(またはシグナル)が表示される。それらのいずれのボード(またはシグナル)も警告音を伴うものとする。

3) 3分前ボード(またはシグナル)が提示されるまでに、すべての車両はホイールを装着していなければならない。このボード(またはシグナル)以降のホイールの取り外しはピットレーンにおいてのみ許可される。3分前ボード(またはシグナル)提示時にすべてのホイール装着がされていない車両はすべて、グリッドの最後尾かピットレーンからスタートしなければならない。この状況では、黄旗を持った競技役員が、グリッドを離れることのできる全車両が赤旗ラインを通過し終えるまで、(3分前に)ホイール装着のなかった車両がグリッドを離れないよう制する。
3分前ボード(またはシグナル)提示後、コースの周回時間を考慮し、適切な時点で、先頭車両と赤旗ラインの間にいる車両は、オフィシャルカーの先導により追い越しをすることなく、もう1周回を完了するよう合図され、セーフティカー後方の車両列に合流しなければならない。

4) 1分前ボード(またはシグナル)が提示された後にエンジンは始動されなければならず、チームのスタッフはすべて、15秒前ボード(またはシグナル)が提示されるまでに、すべての機材を持ってグリッドから退去する。15秒ボード(またはシグナル)が提示された後で援助が必要となったドライバーは、腕を挙げなければならない。グリッドを離れることができる残りの車両が出発すると、競技役員が車両をピットレーンに押すよう指示される。この場合、黄旗を持った競技役員が当該車両の脇に立ち、後ろのドライバーに警告を与える。

5) レースはグリーンライトが点灯すると、セーフティカーの後方より再開される。
セーフティカーは、以下の場合を除き、1周回後にピットに入る。
- すべての車両がセーフティカー後方でまだ整列されていない。
- チームクルーがまだグリッド上の物を撤去している。
- さらに介入が必要な状況が重ねて発生している。

6) グリーンライトが点灯すると、セーフティカーは後続のすべての車両と共にグリッドを離れる。その際、車両は赤旗ライン後方に整列した順序で、車両5台分の距離以下を保って続く。列最後尾の車両がピットレーン終了地点を通過するとすぐに、ピット出口のライトがグリーンに変わる。その時ピットレーンにいる車両はすべて、コースに出て、セーフティカー後方の車両隊列に合流することができる。

7) この周回の間の追い越しは、赤旗ラインを離れる際に遅れてしまい、その後ろの車両がその車両を追い越さないと隊列の残りを不当に遅らせることになってしまう場合にのみ許される。この場合、ドライバーはレース中断前の順序を取り戻す場合においてのみ追い越しが許される。

8) 赤旗ラインを離れる際に遅れてしまったドライバーは、残りの車両がラインを通過した後も動かなかった場合、他の走行している車両を追い越してはならない。当該車両はセーフティカー後方の車両列の最後尾につかなければならない。2名以上のドライバーが関与した場合には、グリッドを離れた順に、隊列の最後尾に整列するものとする。

9) 審査委員会により、この周回中に不必要に他の車両を追い越したと判断されたドライバーに対しては、第15条8.1)①あるいは②のいずれかのペナルティが課せられる。

10) この周回の間は、FIA国際競技規則付則H項2.9.15~2.9.18が適用される。

11) レースが再開できなかった場合は、レースは中断の合図が出された周回の1つ前の周回が終了した時点の結果が採用される。

12) 1大会2ヒート制の場合、本条項は、ヒート毎に適用する。

13) ピットレーンの赤旗ラインを使用してレースを再開する実施方法は別途規定する。

 

 

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