2022年
『N-ONE OWNER’S CUP』とは?
N-ONE OWNER’S CUPはホンダの軽自動車である『N-ONE』を使用したナンバー付きワンメイクレースで2014年にスタートしました。モータースポーツ初心者からベテランドライバーまで数多くのエントリーを集めています。
ナンバー付きの軽自動車のレースであるため、中古車をベース車両にすることでモータースポーツを始めるにあたりネックとなるレース車両費用を安く抑えることができます。
また、レースに参戦できるN-ONEのトランスミッションは『CVT仕様』と定められているため、ヒール・アンド・トゥのような運転技術ができないモータースポーツ初心者やAT限定免許しか所有していないドライバーが参加するには最適なシリーズとなっています。
N-ONEをレース仕様に仕立てるためのパーツは指定されたものに限定されるなど、改造範囲が非常に狭くなっています。タイヤもエコタイヤの装着が指定されています。そのため、ノーマルのN-ONEにロールケージを組み、バケットシートと4点式シートベルトなどの安全装備を装着しただけと言っても過言ではありません。
N-ONE OWNER’S CUP
ロゴマーク
©HORS
N-ONE OWNER’S CUP
参戦車両
N-ONE OWNER’S CUPに参戦できる車両はN-ONE(型式:DBA-JG1、6BA-JG3)のターボモデルのCVT仕様、FF車(前輪駆動車)に限られます。
車両の改造範囲は『N-ONE OWNER’S CUP特別規則書』に定められます。
Honda N-ONE (6BA-JG3)【新型】
N-ONEは2020年にフルモデルチェンジをしました。この新型N-ONEでもN-ONE OWNER’S CUPへ参戦することが認められています。
ただし、参戦できる車両の仕様は以下のとおりと定められています。
- 型式:6BA-JG3
- 駆動方式:FF
- タイプ:ターボモデル
- トランスミッション:CVT
今回のフルモデルチェンジでN-ONEに6速マニュアルトランスミッション(MT)仕様が追加されましたが、MT仕様車で参戦することは認められていません。
Honda N-ONE (DBA-JG1)【旧型】
駆動方式・車名・型式・トランスミッション
駆動方式 | FF |
車名・型式 | ホンダ DBA-JG1 |
トランスミッション | 無段変速オートマチック (トルクコンバーター付) |
寸法 ・ 重量 ・ 乗車定員
全長 / 全幅 / 全高 | 3,395 mm / 1,475 mm / 1,610 mm |
ホイールベース | 2,520 mm |
トレッド (前) | 1,305 mm |
トレッド (後) | 1,305 mm |
最低地上高 | 150 mm |
車両重量 | 850 kg |
乗車定員 | 4 名 |
客室内寸法 | 2,020 mm / 1,300 mm / 1.240 mm |
エンジン
エンジン型式 | S07A / 水冷直列3気筒横置 |
弁機構 | DOHC チェーン駆動 吸気2 排気2 |
総排気量 | 658 cc |
内径×行程 | 64.0 × 68.2 |
圧縮比 | 9.2 |
燃料供給装置形式 | 電子制御燃料噴射式 (ホンダPGM-FI) |
使用燃料種類 | 無鉛レギュラーガソリン |
燃料タンク容量 | 35 |
性能
最高出力 | 47 kW [64 PS] / 6,000 rpm |
最大トルク | 104 N・m [10.6 kgf・m] / 2,600 rpm |
走行燃料消費率 | 25.8 km/L |
主要燃費向上対策 | アイドリングストップ装置 / 可変バルブタイミング / 自動無段変速機(CVT) / 電動パワーステアリング |
最小回転半径 | 4.5 |
動力伝達・走行装置
変速比 (前進) | 3.152 ~ 0.577 |
変速比 (後退) | 2.722 ~ 1.248 |
減速比 | 4.894 |
ステアリング装置形式 | ラック・ピニオン式 (電動パワーステアリング仕様) |
タイヤ | 155/65R14 75S |
主ブレーキの種類・形式 (前) | 油圧式ベンチレーテッドディスク |
主ブレーキの種類・形式 (後) | 油圧式リーディング・トレーリング |
サスペンション方式 (前) | マクファーソン式 |
サスペンション方式 (後) | 車軸式 |
スタビライザー形式 (前) | トーション・バー式 |
N-ONE OWNER’S CUP
2022年 開催スケジュール
ラウンド | 日程 | 開催地 |
第1戦 | 3/6 | モビリティリゾートもてぎ |
第2戦 | 4/9~4/10 | 富士スピードウェイ |
第3戦 | 4/23~4/24 | 鈴鹿サーキット |
第4戦 | 5/22 | 十勝スピードウェイ |
第5戦 | 5/22 | 十勝スピードウェイ |
第6戦 | 6/12 | 筑波サーキット |
第7戦 | 6/18 | スポーツランドSUGO |
第8戦 | 6/26 | 岡山国際サーキット |
第9戦 | 7/17 | 鈴鹿サーキット |
第10戦 | 7/30 | オートポリス |
第11戦 | 8/20~8/21 | モビリティリゾートもてぎ |
第12戦 | 9/25 | 富士スピードウェイ |
第13戦 | 10/9 | スポーツランドSUGO |
第14戦 | 10/15 | 岡山国際サーキット |
第15戦 | 11/13 | オートポリス |
FINAL | 11/26 | 鈴鹿サーキット |
ラウンド | 日程 | 開催地 |
第1戦 | 3/7 | ツインリンクもてぎ |
第2戦 | 4/3~4/4 | 富士スピードウェイ |
第3戦 | 4/24 | 鈴鹿サーキット |
第4戦 | 5/15 | オートポリス |
第5戦 | 5/30 | 筑波サーキット |
第6戦 | 6/19 | スポーツランドSUGO |
第7戦 | 6/27 | 岡山国際サーキット |
第8戦 | 7/11 | 十勝スピードウェイ |
第9戦 | 7/11 | 十勝スピードウェイ |
第10戦 | 7/25 | 鈴鹿サーキット |
第11戦 | 7/31 | オートポリス |
第12戦 | 8/28 | ツインリンクもてぎ |
第13戦 | 10/2 | 岡山国際サーキット |
第14戦 | 10/10 | スポーツランドSUGO |
第15戦 | 10/17 | 富士スピードウェイ |
FINAL | 10/30 | 鈴鹿サーキット |
ライセンス
N-ONE OWNER’S CUPに参戦するには普通自動車免許とJAFが発行する『国内競技運転者許可証A (国内A級ライセンス)』以上を保有している必要があります。
2022年シーズンからスーパーフォーミュラ、SUPER GTもしくは同等カテゴリーへの参加実績があるドライバー、もしくはスーパー耐久シリーズにおけるプラチナドライバーについてはFINALへの参加が認められなくなりました。
参加料
N-ONE OWNER’S CUPの1戦あたり参加料は34,000円(税抜)です。
基本的なレギュレーション
N-ONE OWNER’S CUPのスポーティングレギュレーションは独自のルールがほとんどありません。
ただし、共通ルールである国際モータースポーツ競技規則や各サーキットが定める特別規則を遵守する必要があります。
公式予選
公式予選は基本的に20分間の走行時間で行われ、ベストラップタイムの速い順に決勝のグリッドが決定されます。
公式予選での上位3位のドライバーのベストタイム平均値の130%が公式予選通過基準タイムとなります。
フューチャーズレース
筑波サーキットで開催される大会においては、予選最多出走台数が60台、決勝レース最多出走台数が30台以下と定められています。公式予選で30位以内に入れなかったドライバーは予選落ちとなるのですが、予選落ちしたドライバーによる決勝レース『フューチャーズレース』が開催されます。
筑波サーキット以外で開催される大会においては、予選最多出走台数と決勝レース最多出走台数がイコールとなっているため、公式予選通過基準タイムをクリアできれば、決勝へ出場することができます。
決勝
N-ONE OWNER’S CUPでは約30kmのレース距離で争われます。
レースのスタートは『スタンディング方式』で行われます。
開催地 | 周回数 | レース距離 |
十勝スピードウェイ | 9 | 30.6 km |
スポーツランドSUGO | 8 | 28.7 km |
モビリティリゾートもてぎ | 7 | 33.6 km |
筑波サーキット | 15 | 30.7 km |
富士スピードウェイ | 7 | 31.9 km |
鈴鹿サーキット | 6 | 34.8 km |
岡山国際サーキット | 8 | 29.6 km |
オートポリス | 7 | 32.7 km |
タイヤ
N-ONE OWNER’S CUPで使用できるタイヤは日本自動車タイヤ協会(JATMA)が定めるラベリング制度において転がり抵抗性能の等級がA以上、ウェットグリップ性能の等級がa~dの範囲内にある『低燃費タイヤ (エコタイヤ)』のみと定められています。
公式予選、決勝を通して使用できるタイヤは4本までに制限されます。事前の車検時に使用するタイヤにマーキングが行われます。
2ラウンドが開催される大会においては、両ラウンドの公式予選および決勝を通して使用できるタイヤは最大8本までに制限されます。
使用するタイヤの銘柄とサイズは同一でなければならず、タイヤの裏組みは禁止されています。
やむを得ない理由の場合に限り、レース審査委員会の承認を受けてタイヤの交換が認められます。ただし、タイヤ1本を交換すると決勝のスターティンググリッドが20グリッドダウンとなります。さらに交換するタイヤが1本ずつ増えるたびに10グリッドダウンのペナルティとなります。
その他のルール
公式予選が開始される前に実施される参加受付が完了した後は、車両(ボディ)交換、エンジン交換、トランスミッション交換が禁止されます。
Hondaワンメイクレース事務局(HORS)が認めた場合を除き、無線通信設備の使用は禁止されます。
ポイント
決勝の順位の結果に応じて、以下のポイントが与えられます。
N-ONE OWNER’S CUPでは有効ポイント制を採用しています。上位3大会で獲得したポイントと最終戦(FINAL)で獲得したポイントの合計で最も多いポイントを獲得したドライバーがチャンピオンとなります。
第1戦~第15戦
1位 | 2位 | 3位 | 4位 | 5位 | 6位 | 7位 | 8位 | 9位 | 10位 |
50 | 45 | 40 | 36 | 32 | 28 | 25 | 22 | 19 | 16 |
11位 | 12位 | 13位 | 14位 | 15位 | 16位 | 17位 | 18位 | 19位 | 20位 |
14 | 12 | 10 | 8 | 7 | 6 | 5 | 4 | 3 | 2 |
完走したドライバーに1ポイント加算
予選、決勝を通じ、全車に罰則が無く完走した場合、全車に1ポイント加算
※フューチャーズレースにおいても、予選、フューチャーズレースを通じ、全車に罰則が無く完走した場合、全車に1ポイントが与えられます。
FINAL
1位 | 2位 | 3位 | 4位 | 5位 | 6位 | 7位 | 8位 | 9位 | 10位 |
70 | 60 | 54 | 49 | 46 | 43 | 40 | 38 | 36 | 34 |
11位 | 12位 | 13位 | 14位 | 15位 | 16位 | 17位 | 18位 | 19位 | 20位 |
32 | 31 | 30 | 29 | 28 | 27 | 26 | 25 | 24 | 23 |
21位 | 22位 | 23位 | 24位 | 25位 | 26位 | 27位 | 28位 | 29位 | 30位 |
22 | 21 | 20 | 19 | 18 | 17 | 16 | 15 | 14 | 13 |
31位 | 32位 | 33位 | 34位 | 35位 | 36位 | 37位 | 38位 | 39位 | 40位 |
12 | 11 | 10 | 9 | 8 | 7 | 6 | 5 | 4 | 3 |
完走したドライバーに2ポイント加算
獲得したポイントが同じ場合は、以下の順に順位が決定されます。
- 最終戦(FINAL)の決勝順位
- 当該シーズン内における罰則数の少ない者
- 第1戦~第15戦の上位順位およびその回数
- 総獲得ポイント数
歴代チャンピオン
シリーズ | ドライバー |
2014 | 岸野 治男 |
2015 | 岩間 浩一 |
2016 | 吉田 綜一郎 |
2017 | 坂井 拓斗 |
2018 | 小林 天翔 |
2019 | 西郷 倫規 |
2020 | 岩間 浩一 |
2021 | 川福 健太 |
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