2021年シーズンのスーパーフォーミュラは第5戦終了時点で、第1戦、第2戦、第5戦で優勝したTEAM MUGENの野尻智紀選手がチャンピオンシップで独走状態となっています。
ところが、2021年シーズンのスーパーフォーミュラのポイントシステムは予選では上位3位、決勝では上位10位のドライバーにポイントが与えられ、さらに全7大会中、上位5大会で獲得したポイントが有効となる有効ポイント制を導入しているため、ポイントの計算方法も複雑となっています。
今シーズンのスーパーフォーミュラはツインリンクもてぎで開催される第6戦と鈴鹿サーキットで開催される第7戦の残り2レースが残っていますが、第6戦で野尻智紀選手がチャンピオンを決定する可能性もあることから、チャンピオン決定の条件を明確にしたいと思います。
ポイントスタンディング (第5戦 ツインリンクもてぎ 終了時)
下記は第5戦終了時点のポイントスタンディングの上位5位の状況です。
今シーズンのスーパーフォーミュラは上位5大会で獲得したポイントが有効となりますので、第5戦終了時点では、単純にこれまでの5大会で獲得したポイントがすべて有効となります。
順位 | No. | ドライバー | 獲得ポイント | 有効ポイント | 第1戦 | 第2戦 | 第3戦 | 第4戦 | 第5戦 |
1 | 16 | 野尻 智紀 | 76 | 76 | 23 | 22 | 3 | 5 | 23 |
2 | 64 | 大湯 都史樹 | 41 | 41 | 17 | 2 | 2 | 15 | 5 |
3 | 19 | 関口 雄飛 | 39.5 | 39.5 | 8 | 0.5 | 14 | 17 | |
4 | 5 | 福住 仁嶺 | 34 | 34 | 11 | 3 | 20 | ||
5 | 20 | 平川 亮 | 31 | 31 | 8 | 15 | – | 8 |
トップの野尻智紀選手は第1戦、第2戦、第5戦で優勝し、76ポイントを獲得しています。ランキング2位の大湯都史樹選手は41ポイントを獲得し、優勝はありません。
大湯都史樹選手が第6戦でポールポジションを獲得(3ポイント)し、決勝で優勝(20ポイント)し、かつ、野尻智紀選手がノーポイントで終わったとしても、野尻智紀選手は76ポイント、大湯都史樹選手が64ポイントとなり、野尻智紀選手のトップは変わりません。
野尻智紀選手が第6戦でチャンピオンを決定する条件
ランキング2位の大湯都史樹選手が第6戦と第7戦の両方でポールポジションを獲得(3ポイント×2)し、決勝で優勝(20ポイント×2)した場合、合計で46ポイントを獲得し、獲得ポイントは87ポイントとなります。
ただし、有効ポイント制のため、第2戦(2ポイント)と第3戦(2ポイント)で獲得したポイントは無効となり、有効ポイントは83ポイントとなります。
また、ランキング3位の関口雄飛選手が第6戦と第7戦の両方でポールポジションを獲得し、決勝で優勝した場合、獲得ポイントは85.5ポイントとなりますが、有効ポイントは85ポイントとなります。
関口雄飛選手が第6戦と第7戦でフルポイントを獲得し、シーズン終了時点で野尻智紀選手と関口雄飛選手が85ポイントで並んだ場合、野尻智紀選手の上位獲得ポイントは(23、23、22)、関口雄飛選手の上位獲得ポイントは(23、23、17)となることから、この場合は野尻智紀選手が上位となります。
したがって、野尻智紀選手はシーズン終了時点で有効ポイントが85ポイント以上であれば、関口雄飛選手、大湯都史樹選手の順位に関わらず無条件でチャンピオンが確定することになります。
第6戦で有効ポイントが85ポイント以上となる条件
野尻智紀選手は第5戦終了時点で76ポイントを獲得していますが、上位5大会の有効ポイント制のため、第6戦終了時点で有効ポイントが85ポイント以上を確定するためには、第6戦で12ポイント以上を獲得する必要があります。
予選で3位以上であれば、決勝で3位以上、もしくは予選で4位以下であっても、決勝で2位以上であれば、有効ポイント85ポイント以上を確定できます。
公式予選 | 決勝 | 獲得ポイント |
1位 (3ポイント) | 1位 (20ポイント) | 23 |
2位 (15ポイント) | 18 | |
3位 (11ポイント) | 14 | |
4位 (8ポイント) | 11 | |
2位 (2ポイント) | 1位 (20ポイント) | 22 |
2位 (15ポイント) | 17 | |
3位 (11ポイント) | 13 | |
4位 (8ポイント) | 10 | |
3位 (1ポイント) | 1位 (20ポイント) | 21 |
2位 (15ポイント) | 16 | |
3位 (11ポイント) | 12 | |
4位 (8ポイント) | 9 | |
4位以下 (0ポイント) | 1位 (20ポイント) | 20 |
2位 (15ポイント) | 15 | |
3位 (11ポイント) | 11 | |
4位 (8ポイント) | 8 |
いずれにせよ、関口雄飛選手と大湯都史樹選手が大逆転でチャンピオンを獲得するためには、第6戦と第7戦の両方でポールポジションを獲得し優勝することが必須となります。野尻智紀選手のポイント獲得の状況によっては、他の条件がありますが、複雑なため割愛します。
有効ポイント制は新型コロナウイルス感染拡大による渡航制限により欠場を強いられるドライバーを救済するために導入されましたが、チャンピオン決定の条件が非常にわかりづらいです。公平性も重要ですが、ファンにとっては、獲得したポイントがそのまま有効となる通常のポイントシステムの方が良いと考えます。
もし、本記事の内容が間違っていましたらご指摘いただけると助かります。