富士スピードウェイで開催された2022年スーパーフォーミュラ第6戦では、スタート直後の第1コーナーでTCS NAKAJIMA RACINGの大湯都史樹選手とcarenex TEAM IMPULの平川亮選手が接触し、平川選手がスピンしました。さらに平川選手は後続のTEAM GOHの三宅淳詞選手と接触し、平川選手と三宅選手はそのままリタイヤとなりました。
詳細をご存じではない方は、レースハイライト映像をご覧ください。
大湯選手と平川選手との接触
大湯選手のオンボード映像では、大湯選手が左フロントタイヤで平川選手の右リアタイヤに追突したことにより、平川選手がスピンするのが確認できます。
三宅選手と大湯選手との接触
一方で、大湯選手は後方の三宅選手に追突されているように見えます。
大湯選手自身も追突されたことが接触の原因になったことを表明しています。
何故自分にペナルティなのか…
飛ばされてしまったが故の接触で、今回の裁定には納得いきませんが、
3ピットをしたにも関わらず10位でポイントを獲得👍ファステストも記録出来ましたしあらゆる手応えを掴めました🙋♂️
次戦は大事なもてぎ2連戦‼︎
夏本番🥵あっついぞぉ〜🏖🍧#SFormula pic.twitter.com/ho6vLGQ8ML— Toshiki Oyu/大湯都史樹♨️ (@Oyu_Toshiki0804) July 17, 2022
大湯選手に対してドライビングスルーペナルティ
レース中、大湯選手に対して、平川選手との接触における過失があったとして、ドライビングスルーペナルティが科せられました。
レースリザルトでは大湯選手のペナルティの理由が『他車への衝突行為+コースアウト』との記載に留まっていますが、国際映像では『DRIVING THROUGH PENALTY FOR CAR 65 – CAR 20 CAUSING A COLLISION AT TURN1 (No.65にドライビングスルーペナルティ – ターン1でのNo.20との衝突を起こしたもの)』と表示されましたので、ペナルティの理由は第1コーナーでの平川選手との接触によるものと判断できます。
疑問点
仮に三宅選手が大湯選手に接触していなかったとしても、大湯選手のイン側に三宅選手がいるため、平川選手のラインを確保するために大湯選手がイン側へ寄るのは無理があります。
大湯選手は行き場が無く平川選手に接触してしまったと考えるのが妥当で、過失は無かったとしてレーシングアクシデントと判断されるべきだったと考えます。
三宅選手が大湯選手に追突したことが事実であれば、過失があったドライバーは大湯選手ではなく、三宅選手と判断するのが妥当で、三宅選手にペナルティを科すべきだったのではないかと考えます。
今回のアクシデントの裁定結果が妥当であったのかどうか疑問が残ります。
まとめ
今回の富士スピードウェイで開催されたスーパーフォーミュラ第6戦では、スタート直後のアクシデントの裁定結果に疑問が残りました。
ただし、レースコントロールも根拠があって大湯選手にレギュレーションに反する行為があったと判定し、さらにレース審査委員会がその判定を認めた上にペナルティを課す判断をしているので、その裁定結果は尊重すべきものであると言えます。
また、チーム側もレース審査委員会の裁定に不服があれば正式な手続きをして抗議するべきであったと考えます。ただし、レース中に科せられたドライビングスルーペナルティはレース中に消化しなければならず、消化してしまった後で抗議が認められたとしてもレース結果が覆ることが無いことは事実です。
スーパーフォーミュラでは、レースコントロールの裁定の経緯について詳細が明らかにされることはほとんどありませんが、今回の件については疑問が残るため、詳細を明らかにしていただけるとドライバーにとってもファンにとっても良い方向に進むのではないかと考えます。
スーパーフォーミュラがより良いレースシリーズへ成長していくことを望みます。
追記
上記の判定に関すると考えられますが、スーパーフォーミュラを統括するJRP(日本レースプロモーション)が7月22日にSNSで以下のメッセージを配信しました。
ファンの皆様へ pic.twitter.com/F1i64M7bwU
— SUPER FORMULA (@SUPER_FORMULA) July 22, 2022
公平公正な判定を実現するために議論を進めていくとのことです。
期待したいです。