バーレーン・インターナショナル・サーキットで開催されたF1バーレーンGPの決勝では、レース終盤の44周目のメインストレートでアルピーヌのエステバン・オコン選手がアストンマーティンのセバスチャン・ベッテル選手をオーバーテイクしました。
その後のターン1に向けたブレーキング時にベッテル選手が止まりきれずに前方のオコン選手に追突しました。
*Ocon stays perfectly straight*
Sebastian Vettel: "Why did he have to change line?" pic.twitter.com/59kJnVMzYD
— Vincent Bruins (@VincentJBruins) March 28, 2021
スチュワードによる裁定
ベッテル選手のオコン選手への追突がレース終盤に発生したこともあり、レース中に審議が行われましたが、裁定はレース終了後に持ち越されることになりました。
接触自体はベッテル選手がブレーキングで止まりきれず、オコン選手に追突したものであり、オコン選手のブレーキングにも問題無かったと考えられることから、優先権がある前方を走行していたオコン選手に接触の責任は無いと考えられます。
レース後、スチュワードは様々なアングルの映像とテレメトリーの分析の結果、接触の原因がベッテル選手にあったと判断し、10秒のタイムペナルティとペナルティポイント2を科しました。
ベッテル選手は公式予選でのダブルイエロー無視によるペナルティと合わせて、1大会で5ポイントのペナルティポイントが科せられることになってしまいました。
ペナルティポイントは累積で12ポイントに達するとスーパーライセンスが停止となり、次戦へ出場することができなくなります。1戦のライセンス停止後に12ポイントが減算されます。
ペナルティポイントは新たなシーズンがスタートしてもリセットされず、12ヶ月間にわたって残ります。
2台がサイドバイサイドの状態で走行していた場合などは、接触の原因が双方にあったと判断され、レーシングアクシデントとして判定される場合がありますが、今回のように、前方と後方の関係、いわゆるテールトゥノーズの状態では、前方を走行する車両に進路の優先権があります。
そのため、後方を走行している車両が前方を走行している車両に接触したり、追突するなどしてスピンをさせたり、走行を妨害するなどの行為を行った場合は、後方を走行している車両に責任がある場合が多いと言えます。
レギュレーション
第4章 サーキットにおけるドライブ行為の規律
第2条 追い越し、車両のコントロールと走路の範囲
d) 重大な過誤を繰り返したり、あるいは車両に対するコントロールの欠如(走路から離脱するような)が見受けられるときは、大会審査委員会に報告され、一切の当該ドライバーに対し失格に至るまでの罰則を適用することができる。