2021年
他の四輪モータースポーツカテゴリーと同様にスーパー耐久においてもピットロードでは、制限速度やピット作業に関する守らなければならないレギュレーションがあります。
ピットロード制限速度
モータースポーツファンにとっては常識かもしれませんが、ピットロードには制限速度があります。ピットロードを走行する時は、いかなる場合でも制限速度を超えないように走行しなければなりません。
スーパー耐久でのピットロードの制限速度は『50km/h』です。国内のモータースポーツカテゴリーではSUPER GTと同じです。
制限速度を超過すると、ペナルティが科せられます。ペナルティの裁量はセッションによって変化します。
ピットロードの制限速度はF1では80km/h、国際モータースポーツ競技規則 付則H項では60km/hと定められています。そのため、スーパー耐久のピットロード制限速度は他のモータースポーツカテゴリーと比較して遅い速度に設定されています。
フリー走行や公式予選でピットロードの制限速度を超過するとペナルティが課せられますが、罰金で済まされるケースが多いです。
罰金の金額は超過した速度に応じて審査委員会が決定します。
レース中のピットイン時にピットロードの制限速度を超えて走行すると、ドライブスルーペナルティのようなレース結果に影響するペナルティが科せられます。
わずかな超過であっても、ピットアウトのタイミングがコンマ数秒早くなるだけで、レース結果に影響する場面もあります。
ドライブスルーペナルティなどのペナルティが科せられると、30秒程度のタイムロスに相当するため、レース中の制限速度の超過はかなり厳しいペナルティと言えます。
ピットエリアでバックギアを使って自力で後退することは禁止されています。
スーパー耐久に限らずモータースポーツにおいては常識的なルールとなっています。
自身のピットエリアを行き過ぎてしまった場合や、ピット内にバックで停車させたい場合などは、ピットクルーの手押しによって後ろに押し進めることができます。
スーパー耐久では各ピットの前にある作業エリアに出ることが出来るピットクルーは最大7名と規定されています。
このうち最大5名のクルーがピットの作業エリアでの車両の作業につくことができます。
車両誘導員、給油中のホース保持等の補助要員、消火要員はクルーとしてカウントされません。
タイヤ交換は2名以下で行う
スーパー耐久では、タイヤ交換の一連作業を行うピットクルーの人数が2名以下と定められています。
また、クルーは車両へ装着するタイヤ、車両から外したタイヤを平置きの状態にする必要があります。他のクルーにタイヤを手渡したり、タイヤを転がして移動するなどの行為が禁止されています。
給油は最大2名のクルーによって行う必要があります。給油中は少なくとも1名のクルーが消火要員として消火器を持って待機しなければなりません。
スーパー耐久では給油作業中は以下の行為以外の作業を行うことが禁止されています。また、作業はドライバーとメカニック2名以下で行わなければなりません。
- ドライバーの降車、または乗車補助
- シートベルト装着の補助
- トランスポンダーの交換、または設定変更
-
通信機器の配線接続、ドリンクボトル入れ替えと配管接続、ドライバークーリングシステムの氷交換と配管の接続
- 窓拭きと保護フィルムを剥がす作業
スーパー耐久ではピットエリアに停止したときはエンジンを停止しなければなりません。
当然、レース中のピット作業の間もエンジンは停止しなければならず、タイヤ交換や給油作業を終えたあと、ドライバーがエンジンを始動しピットアウトします。
この際のエンジン始動は、ドライバーが車載のスターターを使って行う必要があります。
エンジン始動は四輪が接地された状態で行わなければならず、エアジャッキ等でタイヤが浮いた状態でエンジンを始動するとペナルティが科せられる場合があります。
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