2024年 F1 第6戦 マイアミGP 開催概要

 

2021年 F1 第4戦 スペインGP レッドブルの『たわむ』リアウイング問題

 

スペインGPの開催期間中にメルセデスのルイス・ハミルトン選手がレッドブルのマシンのリアウイングが『たわむ』ことによって、ストレート走行時にドラッグ(空気抵抗)の量を減らし、その結果、ストレートスピードを向上していると発言したことが話題となりました。

スペインGPでのレッドブルの後方に向けたオンボードカメラの映像を見ると、ハミルトン選手の指摘のとおり、リアウイングが後方へたわんでいる様子が確認できます。

 

F1テクニカルレギュレーションの3.9.3ではリアウイングのエンドプレートに1000Nの過重を後方へかけた時に水平に1度以上ゆがんではならないと記載されています。

レッドブルは、この『たわむ』リアウイングがテクニカルレギュレーションに適合していることを確認しており、スペインGPでもFIAの車検にパスしています。

現行のテクニカルレギュレーションには適合しているものの、実際にリアウイングが後方へたわんでいる様子を映像で確認できるため、レギュレーションの『抜け道』を利用しているのではないかと疑われるのはやむを得ないと考えられます。

 

2021 FORMULA 1 SPORTING REGULATIONS

3.9 Bodywork flexibility

3.9.3 Bodywork may deflect by no more than one degree horizontally when a load of 1000N is applied simultaneously to its extremities in a rearward direction 825mm above the reference plane and 20mm forward of the forward edge of the rear wing endplate at 825mm above the reference plane.

【参考】2020 FORMULA 1 SPORTING REGULATIONS (日本語版)
3.9.3 車体は、基準面から上方825mmで、リアウイングのエンドプレート前端部から前方20mmで基準面から上方825mmの地点に、1000Nの負荷が末端部に同時に後ろ方向へかけられた場合、水平に1度以上歪んではならない。

 

FIAは走行中にボディワークが『たわむ』ことによって空力性能が変化することを禁止しており、様々な評価をパスしなければならないレギュレーションになっていますが、レギュレーションの『抜け道』を利用したアドバンテージを禁止するために、テクニカルレギュレーションの3.9.9に記載のとおり、新たなテストを追加できることを策定しています。

すでに、この『たわむ』リアウイングを規制するためのレギュレーション改定案がチームへ配信されたようで、リアウイングの構造修正を行う期間を考慮し、第8戦フランスGPから施行されるのではないかと言われています。

 

2021 FORMULA 1 SPORTING REGULATIONS

3.9.9 In order to ensure that the requirements of Article 3.8 are respected, the FIA reserves the right to introduce further load/deflection tests on any part of the bodywork which appears to be (or is suspected of), moving whilst the car is in motion.

【参考】2020 FORMULA 1 SPORTING REGULATIONS (日本語版)
3.9.9 FIAは第3条8の要件が遵守されることを確実にするため、車両の走行中に動きがあるとみられる(あるいはそのように疑われる)車体のいかなる部分に対しても負荷/偏向試験を行う権利を留保する。