アルガルヴェで開催された2021年F1第3戦ポルトガルGPでは、ハースのニキータ・マゼピン選手に対して、ブルーフラッグ(青旗)無視のため5秒間のタイムペナルティとペナルティポイント1が科せられました。
スチュワードのレポートによると、マゼピン選手はピットアウトをした直後で、トップを走行していたレッドブルのセルジオ・ペレス選手がメインストレートでマゼピン選手に迫ったとのことです。
アルガルヴェはピットロード出口のすぐ先にターン1があり、緩い右コーナーのターン2はストレートとほぼ同等、その後のヘアピンのようなターン3でマゼピン選手がペレス選手の進路を塞ぐような形となりました。
ペレス選手は接触をさけるため、タイヤをロックするハードなブレーキングを強いられました。この行為がブルーフラッグ無視と判定されました。
F1ではブルーフラッグ無視の目安として、3ポスト区間でブルーフラッグを無視し続けるとスチュワードへ通告されペナルティを科せられる可能性があることが一般的となっています。
今回のケースはオブザベーションポストや灯火パネルでブルーフラッグが提示されていたかどうか定かではありませんが、ピットロード出口からターン3までは2ポスト区間しかありません。
また、スチュワードのレポートには、ピットアウト直後の出来事であったため、無線による警告もできなかったと記載されています。
今回のケースでは、周回遅れの車両が先行する車両の進路を妨害する行為が、一発でブルーフラッグ無視のペナルティが科せられる対象となることが明確となりました。
少し厳しいペナルティではありますが、チームの無線でトップの車両が迫っていることを教えることはできたはずなので、防ぐことができたペナルティだったかもしれません。
ポルトガルGPでのペナルティはこのマゼピン選手の1件だけでした。波乱のあったエミリア・ロマーニャGPと異なり、ポルトガルGPはクリーンなグランプリだったと言えます。