ピットロード

ピットロード制限速度

F1ではピットロードの制限速度は80km/h以下です。制限速度を超過したときのペナルティはセッションにより変わります。

フリー走行、公式予選

  • 1km/h毎に100ユーロ(最大1000ユーロ)の罰金が科せられます。

決勝

  • レース中にペナルティ(ドライブスルーペナルティなど)が科されます。

2019 F1 SPORTING REGULATIONS - 22) GENERAL SAFETY

 

ピット作業

F1ではピットイン時の作業に関わることのできるチームクルーの人数に制限はありません。タイヤ1本交換するためだけに3名のクルーが配置されています。

また、F1ではレース中の給油が禁止されているため、ピットストップ時の作業は実質タイヤ交換だけになります。そのため、最近のF1では非常に早いタイヤ交換作業が行われており、ピットストップの時間はたった2〜3秒程度です。

出典:youtube.com

 

ピットアウト時の危険なリリースの禁止

ピットロード上ではファストレーンを走行する車両に優先権があります。ファストレーンに走行している車両がいる場合は、ピットストップ中の車両は発進することはできません。

ファストレーンに走行車両がいるにも関わらず、ピットから車両を発進させた場合は危険なリリースとしてペナルティの対象となります。

 

ピットロードではファストレーンを走行する車両に優先権があり、ピットアウトする車両は安全ではない状態で車両を発進させると、ペナルティの対象となる。

 

2019 F1 SPORTING REGULATIONS - 28) PIT ENTRY, PIT LANE AND PIT EXIT

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赤旗によるセッションの中断

天候の悪化や大きなアクシデントの発生により、競技の続行が困難と判断された場合、全てのオブザベーションポストで赤旗が振られ、シグナルブリッジではレッドライトが点灯されます。

出典:youtube.com

フリー走行、公式予選

フリー走行および公式予選において赤旗が提示された時、全ての競技車両は減速してピットインしなければなりません。赤旗が提示されてセッションが中断されても残りの走行時間は延長されることなく、カウントダウンを続けます。

セッション再開の時間についてはタイミングモニターなどによってチームに伝えられます。残りの走行時間がわずかしか無い時は、赤旗をもってそのセッションが終了となる場合があります。

赤旗の提示により走行が妨げられ、タイム計測ができなかったとしても抗議は受け付けられません。

 

決勝

決勝において赤旗が提示された時、ピットロード出口のシグナルが赤となり、全ての競技車両は追い越しをすることなくピットインしなければなりません。ピットインした車両はピットロード出口ライン(赤旗ライン)手前からファストレーン上に1列に整列し停止し、レースが中断されます。レース中断中はファストレーン上でチームスタッフによる作業が認められています。

タイミングモニタ等でレース再開の時刻がチームへアナウンスされ、10分前からカウントダウンが始まります。また、セーフティカーが隊列の先頭に着きます。

 

レース再開 内容
3分前 全ての競技車両はタイヤを装着
2分前 トップ車両の前にいる周回遅れ車両がピットアウトしコースを1周走行する
1分前 エンジン始動

 

レース再開の時間になるとグリーンライトが点灯されレースはセーフティカー先導により再開します。レース再開2分前にピットアウトした車両が隊列の後ろに合流し、セーフティカーを先頭とした隊列が形成されます。その後の手順はセーフティカー運用ルールのセーフティカー解除の手順に従ってレースが再開されます。

 

赤旗中断のままレース終了

赤旗でレースが中断したまま再開できずに、そのままレースが終了となる場合もあります。F1では、この場合、レースが中断された周回の1周前の順位がレース結果となります。

 

2019 F1 SPORTING REGULATIONS - 41) SUSPENDING A RACE

 

2019 F1 SPORTING REGULATIONS - 42) RESUMING A RACE

 

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接触

競技車両同士がコース上で接触した場合は様々な角度から映像による検証が行われ審議されます。どちらか一方のドライバーに明らかな非がある場合はレース中でもペナルティが科されますが、判断が困難な場合はレース後に時間をかけて審議されます。当該ドライバーからの聴取やオンボードカメラの映像、必要に応じてテレメトリーデータの解析などが行われます。

ペナルティの内容はレース結果にタイム加算や周回数の減算といったものから、次のレースでのグリッド降格、出場停止処分など様々です。

 

2017年から接触に対するジャッジが緩和

2017年シーズンから接触に対するジャッジが緩和され、ペナルティとなるケースが減りました。どちらか一方のドライバーに明らかな過失があると考えられる場合以外のケースでは、少しくらいの接触は大目に見てもらえるようになりました。これはペナルティを恐れてオーバーテイクをためらってしまうことにより、F1の魅力が下がってしまうことを避けるための判断と考えられます。

 

【参考】2017年F1スペインGPでの接触

2017年F1スペインGPではフェリペ・マッサ選手がストフェル・バンドーン選手を追い越そうとして接触が発生しました。マッサ選手がバンドーン選手を追い越そうとイン側から並びかけますが、バンドーン選手はマッサ選手に気づかずに通常時と同じラインを走行してしまったためにイン側のマッサ選手の進路を妨害する形となり接触しました。

出典:youtube.com

この接触によってバンドーン選手は車両にダメージを負い、アウト側のグラベルにストップしリタイアとなってしまいましたが、レース審査委員会はレース後にバンドーン選手に対して次戦の第5戦モナコGPでの3グリッド降格ペナルティを課しました。

複数台の車両が左右に並んでコーナーに進入するときは、相手の走行するスペースを1車身分以上空けて走行しなければなりませんが、これに違反したことによって接触が発生したために、バンドーン選手に過失があったとしてペナルティが課せられたと考えられます。

 

2019 F1 SPORTING REGULATIONS - 38) INCIDENTS DURING THE RACE

 

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ペナルティ

F1では明らかな規則違反や過失が認められる接触行為に対して、審査委員会はレース中にペナルティを執行します。ペナルティが科せられる理由としては以下のように規則書に明記されています。

  • 本競技規則41条に基づきレースの中断を必要とするもの。
  • 本競技規則もしくは国際競技規則を侵害するもの。
  • 1台以上の車両の反則スタートを引き起こしたもの。
  • 衝突を起こしたもの。
  • ドライバーのコースアウトを強いるもの。
  • ドライバーによる正当な追い越し行為を妨害するもの。
  • 追い越しの最中に他のドライバーを不当に妨害するもの。

F1でレース中に執行されるペナルティは以下の4種類があります。

 

5秒間のタイムペナルティ

ドライバーはピットインし、自身のピットに少なくとも5秒間停止しなければなりません。ピットストップ時に消化することも可能ですが、ペナルティ消化中にピットクルーが車両に触れることは認められません。ペナルティを消化しないままレースを終了することも可能で、その場合はレース結果に5秒加算されます。

 

10秒間のタイムペナルティ

基本的には上記の5秒間のタイムペナルティと同じで、停止時間が10秒間になったものです。

 

ドライブスルーペナルティ

ドライバーはピットインし自身のピットに停止することなく、コースへ復帰しなければなりません。

 

10秒間のストップアンドゴー タイムペナルティ

ドライバーはピットインし自身のピットに少なくとも10秒間停止し、コースへ復帰しなければなりません。5秒間/10秒間のタイムペナルティと異なり、ペナルティ消化と同時にピット作業を行うことができません。

2017 F1 SPORTING REGULATIONS -18) SANCTIONS

 

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スペアカーの使用、パワーユニット、ギアボックス交換

スペアカーの使用

F1ではスペアカーの使用を禁止されています。1レースイベントにおける1チームが使用できるマシンの数は2台と規定されています。

 

パワーユニット交換

F1のパワーユニットは以下の6つの要素から構成されています。

  • ICE (エンジン)
  • MGU-K (運動エネルギー回収システム)
  • MGU-H (熱エネルギー回収システム)
  • ES (エナジーストア)
  • TC (ターボチャージャー)
  • CE (コントロールユニット)


出典:honda.co.jp

各コンポーネントはシーズンを通して使用できる数に制限があり、年々見直しが行われています。2019年シーズンにおける各コンポーネントの使用制限数は以下の通りです。

  • ICE、MGU-H、TC
     年間3基まで
  • MGU-K、ES、CE
     年間2基まで

 

これらの構成要素を自由に組み合わせることができます。例えば、エンジン(ICE)を交換したとしても、エンジン以外のコンポーネントは流用することができます。

最初に各コンポーネントの規定数を超えて使用する場合、10グリッド降格のペナルティが科されます。次回以降は5グリッドの降格ペナルティとなります。

複数のコンポーネントを規定数を超えて使用する場合は、グリッド降格のペナルティはコンポーネント毎に加算されます。

15グリッドを超える降格ペナルティが科された場合は、グリッド最後尾からのスタートとなります。最後尾スタートとなるドライバーが複数いる場合には、ペナルティが科された時間が早い方のドライバーが前方のグリッドに着きます。

 

 

ギアボックス交換

各ドライバーはギアボックス1基を6レース連続で使用する必要があります。ギアボックス交換を行った場合は決勝のスターティンググリッドが5グリッド降格となります。

 

2019 F1 SPORTING REGULATIONS - 23) SPARE CARS, ENGINES AND GEARBOXES