2024年 F1 第24戦 アブダビGP 開催概要

 

2022年『全日本スーパーフォーミュラ選手権』とは?

2022年

 

全日本スーパーフォーミュラ選手権は『FIA Formula 2 Championship』やアメリカの『インディカーシリーズ』などと並び、F1直下のトップフォーミュラカテゴリーとして日本を代表するモータースポーツカテゴリーのひとつです。

全日本スーパーフォーミュラ選手権は前身となる全日本F2000選手権、全日本F2選手権、全日本F3000選手権、全日本選手権フォーミュラ・ニッポンを経て、2013年に全日本選手権スーパーフォーミュラ(現在は全日本スーパーフォーミュラ選手権)に名称変更すると共に、日本だけではなくアジアのトップフォーミュラレースとして位置付けられています。

 

 

 

 

ダラーラ製『SF19』 (2019年シーズンから導入)

スーパーフォーミュラで使用されるマシンは2014年から採用されてきた『SF14』に代わって、2019年から『SF19』が採用されています。2021年シーズンに引き続き、2022年シーズンもSF19を使用してレースが開催されます。SF19はSF14同様にイタリアのダラーラ・オートモービル社がスーパーフォーミュラのために開発したマシンです。

SF19には『クイック&ライト』と言われたSF14のコンセプトが踏襲されています。オーバーテイクをよりしやすくするために空力性能の見直しが行われました。また、リアウイング両端にリアライトが装着され、すでにF1で導入されているドライバーの 頭部を保護する安全デバイスである『HALO (ヘイロー)』も導入されました。これにより、走行性能の進化だけでなく安全性も強化されました。

 

出典:toyotagazooracing.com

制作 ダラーラ・オートモービル (イタリア)
全長 5,233 mm
ホイールベース 3,115 mm
全幅 1,900 mm
全高 960 mm
最低重量 660 kg 以上
ギアボックス リカルド製 6速パドルシフトシステム
ブレーキ ブレンボ製 キャリパー・カーボンディスク
ステアリング KYB製 電動パワーステアリングシステム
フロントサスペンション プッシュロッド トーションバースプリング
リアサスペンション プッシュロッド
安全基準 2016 FIA セイフティレギュレーションに準拠

 

 

【参考】ダラーラ製『SF14』 (2014〜2018年シーズン)

スーパーフォーミュラでは2014年シーズンから2018年シーズンまでイタリア・ダラーラ社製の『SF14』が採用されました。当時のF1に迫る高い運動性能を持っており、導入初年度の2014年においてはレーシングカーの運動性能が最も試される鈴鹿サーキットの第1セクターでF1よりも速いタイムが計測されたことが話題となりました。

スーパーフォーミュラが開催される全てのサーキットにおいてSF14がそれまでのコースレコードを更新しました。

SF14はカーボンファイバー製モノコックを採用し、リカルド製6速シーケンシャルトランスミッション(パドルシフト)やブレンボ製ブレーキ等を搭載し、ドライバーを含めた車両重量は660kgです。

 

制作 ダラーラ・オートモービル (イタリア)
全長 5,268 mm
ホイールベース 3,165 mm
全幅 1,910 mm
全高 960 mm
最低重量 660 kg (ドライバー搭乗時)
ギアボックス リカルド 前進6速、パドルシステム
ブレーキ ブレンボ キャリパー、ブレンボ カーボン製ディスク
ステアリングシステム KYB 電動パワーステアリングシステム
フロントサスペンション形式 プッシュロッド トーションバースプリング
リアサスペンション形式 プッシュロッド
安全基準 FIA 2010 F1規定に基づく

 

 

2リッター直列4気筒直噴ターボエンジン

2014年シーズンからスーパーフォーミュラのエンジンは2リッター直列4気筒直噴ターボエンジンを採用しています。このエンジンは『NRE (Nippon Race Engine)』と呼ばれ、SUPER GTのGT500クラスの車両に搭載されるエンジンと共通の仕様となっています。

スーパーフォーミュラとSUPER GTのエンジンを共通することによって、開発面においてもコストダウンに貢献しています。スーパーフォーミュラでは、トヨタとホンダの2社が各チームにエンジンを供給しています。2019年シーズンからマシンはSF14からSF19へ変更になりましたが、エンジンは変わらず2リッター直列4気筒直噴ターボエンジンであるNREを継続採用しています。

 

メーカー / 型式 本田技研工業株式会社製 / HR-417E
トヨタ自動車株式会社製 / TRD Biz-01F
排気量 2,000cc
仕様 直列4気筒、ダイレクトインジェクション
過給器 ターボチャージャー(ギャレット製)
最低重量 85 kg
出力 405 kw (550 PS) 以上
出力制限方法 燃料リストリクターによる燃料流量制限

 

TOYOTA TRD Biz-01F エンジン

出典:toyotagazooracing.com

 

オーバーテイクシステム

近年の四輪モータースポーツではレース中のオーバーテイクの機会を増やすため、様々なシステムの導入が検討されています。

F1では『DRS (Drag Reduction System)』が導入され、前方を走行する車両との距離が1秒以内となったときにDRSを作動させることができます。DRSを作動させると、リアウイングのエレメントが動き、一時的にドラッグと呼ばれる空気抵抗を減少させることで最高速度が伸びるようになり、オーバーテイクがしやすくなります。

アメリカのインディカーシリーズでは『プッシュトゥパス』と呼ぶシステムが導入されています。プッシュトゥパスを使用している間、一時的にターボエンジンの過給圧を上げ、エンジン出力を向上させます。使用できる時間はあらかじめ決められています。

スーパーフォーミュラでは『オーバーテイクシステム (OTS)』と呼ぶシステムが採用されています。オーバーテイクシステムが作動するとレギュレーションで規定されているエンジンへの燃料流量が1時間あたり5kg増加します。これにより、エンジンの出力が50馬力程度アップすると言われており、レース中のオーバーテイクの機会を増加させることに貢献します。

オーバーテイクシステムが作動している間はロールバーのLEDランプが点滅し、観客がオーバーテイクシステムの作動を知ることができるようになっています。

2018年シーズンまではオーバーテイクシステムを1回作動させると、エンジンの出力が20秒間増加するシステムとなっており、レース中に5回の使用が認められていました。

2019年シーズンからはマシンが『SF19』へ変更されることに併せて、オーバーテイクシステムの仕様も変更されることになりました。新たなオーバーテイクシステムは上限100秒の時間制に変更となりました。

2021年シーズンはレース中に使用できるオーバーテイクシステムの作動時間は200秒へ延長されました。

オーバーテイクシステムの使用回数に制限はありませんが、1度オーバーテイクシステムを作動させると100秒間は次のオーバーテイクシステムを使用することができません。この間はロールバーのLEDランプ『オーバーテイクランプ (OTL)』がゆっくりと点滅します。オーバーテイクシステムを連続して使用することでブロックし続けることを防ぐためにこのような仕様となっています。

オーバーテイクシステムの残時間はロールバーに設置されているオーバーテイクランプの色で分かるようになっています。残時間が200秒から20秒の時は緑色に点灯します。残時間が20秒以下になると赤色に点灯します。オーバーテイクシステムを全て使い切るとLEDは消灯します。

 

出典:http://jaf-sports.jp/

オーバーテイクランプ (OTL)の点灯モード

グリーン(常灯)
 残時間200秒~20秒

レッド(常灯)
 残時間20秒未満

消灯
 残時間0秒

グリーン(点滅)/レッド(点滅)
 オーバーテイクシステム作動中

グリーン(スロー点滅)/レッド(スロー点滅)
 オーバーテイクシステム使用制限中

 

 

タイヤはヨコハマタイヤのワンメイク

スーパーフォーミュラのタイヤはヨコハマタイヤのワンメイクです。2015年まではブリヂストンがタイヤを供給していました。

2017年シーズンの第4戦ツインリンクもてぎから、それまで使用されてきた『ミディアムタイヤ』に加えて、新たに『ソフトタイヤ』が導入されました。決勝ではソフトタイヤとミディアムタイヤの両方の仕様が義務付けられることとなりました。

ソフトタイヤは一般にミディアムタイヤよりも耐久性は低くなりますが、グリップ力が高い特性を持っています。ソフトタイヤのサイドウォールは赤くペイントされ、ミディアムタイヤと外見で区別できるようになっています。

ソフトタイヤの導入によって2019年シーズンまではソフトタイヤとミディアムタイヤの2スペックタイヤによってレースが争われてきました。しかしながら、パフォーマンスの高いソフトタイヤの寿命が想定よりも長かったことから、レースの大半をソフトタイヤで走りきることができていました。

そのため、2020年シーズン、2021年シーズンでは2スペックタイヤが廃止され、すべてのレースにおいてソフトタイヤの1スペックで開催されました。

 

メーカー 横浜ゴム株式会社製
サイズ フロント:250/620/R13
リア:360/620/R13

 

2023年シーズンからタイヤにサステナブル素材を使用

2022年2月17日、横浜ゴムは2023年以降もスーパーフォーミュラへのタイヤ供給を継続することを発表しました。あわせて、2023年シーズンからサステナブル素材を活用したレーシングタイヤを供給する予定であることが明らかにされました。

 

 

 

コースレコード

サーキット タイム ドライバー シーズン
鈴鹿サーキット 1分34秒442 ニック キャシディ 2020年
オートポリス 1分24秒140 野尻 智紀 2020年
スポーツランドSUGO 1分03秒953 山本 尚貴 2019年
富士スピードウェイ 1分19秒972 野尻 智紀 2020年
ツインリンクもてぎ 1分29秒757 野尻 智紀 2021年

 

 

スーパーフォーミュラ ロゴマーク

 

 

©JRP

 

スーパーフォーミュラ 視聴方法

2022年シーズンのスーパーフォーミュラは『J SPORTS』で放送されます。レース後はスーパーフォーミュラ公式YouTubeチャンネルで各レースのダイジェストが配信されます。

 

 

 

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