2020年
2021年シーズンの内容については
こちらを参照ください。
全日本スーパーフォーミュラ選手権は『FIA Formula 2 Championship』やアメリカの『インディカーシリーズ』などと並び、F1直下のトップフォーミュラカテゴリーレースのひとつです。
前身となる全日本F2000選手権、全日本F2選手権、全日本F3000選手権、全日本選手権フォーミュラ・ニッポンを経て、2013年に全日本選手権スーパーフォーミュラ(現在は全日本スーパーフォーミュラ選手権)に名称変更すると共に日本だけではなくアジアのトップフォーミュラレースとして位置付けられています。
ダラーラ製『SF19』 (2019年シーズンから導入)
スーパーフォーミュラで使用されるマシンは2014年から採用されてきた『SF14』に代わり2019年から『SF19』が採用されています。2020年シーズンもSF19を使用してレースが開催されます。SF19はSF14同様にイタリアのダラーラ・オートモービル社がスーパーフォーミュラのために開発したマシンです。
SF19には『クイック&ライト』と言われたSF14のコンセプトが踏襲されています。オーバーテイクをよりしやすくするために空力性能の見直しが行われました。また、リアウイング両端にリアライトが装着され、すでにF1で導入されているドライバーの 頭部を保護する安全デバイスであるHALO(ヘイロー)も導入されました。これにより走行性能だけでなく安全性も強化されました。
制作 | ダラーラ・オートモービル (イタリア) |
全長 | 5,233 mm |
ホイールベース | 3,115 mm |
全幅 | 1,900 mm |
全高 | 960 mm |
最低重量 | 660 kg 以上 |
ギアボックス | リカルド製 6速パドルシフトシステム |
ブレーキ | ブレンボ製 キャリパー・カーボンディスク |
ステアリング | KYB製 電動パワーステアリングシステム |
フロントサスペンション | プッシュロッド トーションバースプリング |
リアサスペンション | プッシュロッド |
安全基準 | 2016 FIA セイフティレギュレーションに準拠 |
ダラーラ製『SF14』 (2014〜2018年シーズン)
スーパーフォーミュラでは2014年シーズンから2018年シーズンまでイタリア・ダラーラ社製の『SF14』が採用されました。当時のF1に迫る高い運動性能を持っており、導入初年度の2014年においてはレーシングカーの運動性能が最も試される鈴鹿サーキットの第1セクターでF1よりも速いタイムが計測されたことが話題となりました。スーパーフォーミュラが開催される全てのサーキットにおいてSF14がそれまでのコースレコードを更新しました。
SF14はカーボンファイバー製モノコックを採用し、リカルド製6速シーケンシャルトランスミッション(パドルシフト)やブレンボ製ブレーキ等を搭載し、ドライバーを含めた車両重量は660kgです。
制作 | ダラーラ・オートモービル (イタリア) |
全長 | 5,268 mm |
ホイールベース | 3,165 mm |
全幅 | 1,910 mm |
全高 | 960 mm |
最低重量 | 660 kg (ドライバー搭乗時) |
ギアボックス | リカルド 前進6速、パドルシステム |
ブレーキ | ブレンボ キャリパー、ブレンボ カーボン製ディスク |
ステアリングシステム | KYB 電動パワーステアリングシステム |
フロントサスペンション形式 | プッシュロッド トーションバースプリング |
リアサスペンション形式 | プッシュロッド |
安全基準 | FIA 2010 F1規定に基づく |
2リッター直列4気筒直噴ターボエンジン
2014年シーズンからスーパーフォーミュラのエンジンは2リッター直列4気筒直噴ターボエンジンを採用しています。このエンジンは『NRE(Nippon Race Engine)』と呼ばれ、SUPER GTのGT500クラスの車両に搭載されるエンジンと共通の仕様となっています。
スーパーフォーミュラとSUPER GTのエンジンを共通することによって、開発面においてもコストダウンに貢献しています。スーパーフォーミュラでは、トヨタとホンダの2社が各チームにエンジンを供給しています。2019年シーズンからマシンはSF14からSF19へ変更になりましたが、エンジンは変わらず2リッター直列4気筒直噴ターボエンジンであるNREを継続採用しています。
メーカー / 型式 | 本田技研工業株式会社製 / HR-417E トヨタ自動車株式会社製 / TRD Biz-01F |
排気量 | 2,000cc |
仕様 | 直列4気筒、ダイレクトインジェクション |
過給器 | ターボチャージャー(ギャレット製) |
最低重量 | 85 kg |
出力 | 405 kw (550 PS) 以上 |
出力制限方法 | 燃料リストリクターによる燃料流量制限 |
TOYOTA TRD Biz-01F エンジン
オーバーテイクシステム
近年の四輪レースではレース中のオーバーテイクの機会を増加させるため、様々なシステムの導入が検討されています。
F1では『DRS(Drag Reduction System)』が導入され、前を走行する車両との距離が1秒以内となったときにDRSを発動させることができます。DRSを発動させると、リアウイングのエレメントが動き、一時的に空気抵抗を減少させることで最高速度が伸びるようになっています。
アメリカのインディカーシリーズでは『プッシュトゥパス』と言うシステムが導入されています。プッシュトゥパスを使用している間、一時的にターボエンジンの過給圧を上げ、エンジン出力を向上させます。使用できる時間はあらかじめ決められています。
スーパーフォーミュラでは『オーバーテイクシステム』と呼ぶシステムが採用されています。オーバーテイクシステムが作動するとレギュレーションで規定されているエンジンへの燃料流量が1時間あたり5kg増加します。これにより、エンジンの出力が50馬力程度アップすると言われており、レース中のオーバーテイクの機会を増加させることに貢献します。
オーバーテイクシステムが作動している間はロールバーのLEDランプが点滅し、観客がオーバーテイクシステムの作動を知ることができます。
2018年シーズンまではオーバーテイクシステムを1回作動させると、エンジンの出力が20秒間増加するシステムとなっており、レース中に5回の使用が認められていました。
2019年シーズンからはマシンが『SF19』へ変更されることに併せて、オーバーテイクシステムの仕様も変更されることになりました。新たなオーバーテイクシステムは上限100秒の時間制に変更となりました。
使用回数に制限はありませんが、1度オーバーテイクシステムを作動させると100秒間は次のオーバーテイクシステムを使用することができません。この間はロールバーのLEDランプがゆっくりと点滅します。オーバーテイクシステムを連続して使用することでブロックし続けることを防ぐためにこのような仕様となっています。
オーバーテイクシステムの残時間はロールバーに設置されているLEDランプの色で分かるようになっています。残時間が100秒から20秒の時は緑色に点灯します。残時間が20秒以下になると赤色に点灯します。オーバーテイクシステムを全て使い切るとLEDは消灯します。
タイヤはヨコハマタイヤのワンメイク
スーパーフォーミュラのタイヤはヨコハマタイヤのワンメイクです。2015年まではブリヂストンがタイヤを供給していました。
2017年シーズンの第4戦ツインリンクもてぎから、それまで使用されてきた『ミディアムタイヤ』に加えて、新たに『ソフトタイヤ』が導入されました。決勝ではソフトタイヤとミディアムタイヤの両方の仕様が義務付けられることとなりました。
ソフトタイヤは一般にミディアムタイヤよりも耐久性は低くなりますが、グリップ力が高い特性を持っています。ソフトタイヤのサイドウォールは赤くペイントされ、ミディアムタイヤと外見で区別できるようになっています。
ソフトタイヤの導入から2019年シーズンまではソフトタイヤとミディアムタイヤの2スペックタイヤによってレースが争われてきました。
2020年シーズンは、これまでの2スペックタイヤが廃止され、全てのレースにおいてソフトタイヤの1スペックで開催されます。
メーカー | 横浜ゴム株式会社製 |
サイズ | フロント:250/620/R13 リア:360/620/R13 |
コースレコード
サーキット | タイム | ドライバー | シーズン |
鈴鹿サーキット | 1分35秒907 | 中嶋 一貴 | 2017年 |
オートポリス | 1分25秒937 | 平川 亮 | 2018年 |
スポーツランドSUGO | 1分03秒953 | 山本 尚貴 | 2019年 |
富士スピードウェイ | 1分22秒572 | アンドレ ロッテラー | 2014年 |
ツインリンクもてぎ | 1分31秒083 | 平川 亮 | 2020年 |
岡山国際サーキット | 1分12秒429 | 石浦 宏明 | 2015年 |
スーパーフォーミュラ ロゴマーク
©JRP
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