2024年
スーパーフォーミュラでは、2020年のレギュレーション変更で『フルコースイエロー (FCY)』に関する記載が追加されましたが、フルコースイエローの実践での導入は未だに行われていません。
近年のF1ではコースマーシャルがコース上でストップした車両の撤去作業やコース上の落下物(デブリ)などの回収作業を行う場合は、原則としてイエローフラッグではなく、セーフティカー(SC)やバーチャル・セーフティカー(VSC)を導入して行われています。
スーパーフォーミュラにおいても、F1と同様にストップした車両の撤去作業を行う場合は、イエローフラッグではなくセーフティカーを導入する場面が増えました。
しかし、スーパーフォーミュラでは、セーフティカーの導入がレース結果を左右する場合が多いことからフルコースイエローの運用が期待されていましたが、2020年シーズンから2023年シーズンの4年間でフルコースイエローが実践で運用されることはありませんでした。
2024年でのスーパーフォーミュラにおけるフルコースイエローの導入についての詳細はまだ発表されていません。
『フルコースイエロー (FCY)』とは?
フルコースイエロー(FCY)はセーフティカーと同様に、コース上やコース脇でストップしてしまった車両の撤去作業を行う場合など、セーフティカーを導入するほとではないけれども、ダブルイエロー(イエローフラッグ2本)での対応では作業を行うコースマーシャルに危険が及ぶとレースコントロールが判断した場合に導入されます。
スーパーフォーミュラでは、コース上に車両がストップしてしまうなど、危険な状況が発生した場合、これまでは『セーフティカー (SC)』が導入されていました。
セーフティカーが導入されると、それまでのタイム差が無くなってしまうため、セーフティカー導入前にピットインを済ませていたチームが有利になってしまいます。
スーパーフォーミュラではセーフティカーを導入したことによって、レース結果が決まってしまったり、ストップ車両の撤去作業が行われるたびにセーフティカーが導入され、レースが仕切り直しになってしまったりするケースが度々発生しました。
フルコースイエローは導入された時点で、すべての車両に対して追い越しが禁止されると共に、60〜80km/h程度の制限速度が設定されます。制限速度はレースカテゴリーごとに設定されます。
すべての車両が速度を落として走行している間にストップ車両の撤去作業を行なうなどして、コース上の危険な状況を取り除きます。セーフティカーと異なり、それまでの各車両間のタイム差がキープされるため、競技としての公平性が保たれます。
フルコースイエローの詳細については、こちらの記事を参照ください。
他のレースカテゴリーでのフルコースイエローの導入状況
フルコースイエロー(FCY)はWECをはじめとする海外のレースカテゴリーではすでに運用されています。
国内のレースカテゴリーではスーパー耐久シリーズが2018年シーズンから他のカテゴリーに先駆けてフルコースイエローを導入し、SUPER GTでは2021年シーズンからフルコースイエローの導入を開始しました。
SUPER GTでのフルコースイエロー
SUPER GTでは2020年シーズンからフルコースイエローの運用を開始する予定でした。しかし、各車両に新たに搭載されたフルコースイエローを知らせるディスプレイの表示にタイムラグが発生することが分かり、結果として不公平につながるとして、2020年シーズンにおけるレース中の運用は見送られることになりました。
その後、2021年シーズンの富士スピードウェイで開催された第2戦からSUPER GTでのフルコースイエローの実践での導入が開始されました。セーフティカーよりも競技の公平性が保たれつつ、中断時間も短くなったことからSUPER GTでのフルコースイエローの導入は成功であったと考えられます。
スーパーフォーミュラでのフルコースイエロー運用ルール
スーパーフォーミュラでのフルコースイエローの運用ルールは詳細が発表され次第、掲載します。
レギュレーション
アーカイブ
第35条 FCY (フルコース・イエロー)
FIA国際競技規則付則 H 項の規定に準じて、FCY(フルコース・イエロー)による速度制限を課す場合がある。実施要件については別途公示される。