【12/1新着】F1 第15戦 バーレーンGP クビアト選手とストロール選手の接触

 

『ペナルティ』が科されるまでの流れ

 

レース中、接触の原因となったドライバーやトラックリミット違反を複数回したドライバーに対して『ドライブスルーペナルティ』や『タイムペナルティ』などのペナルティが科されているのを確認できるかと思います。どのようにしてレース中にペナルティがドライバーに対して科されているのかご存じでしょうか?

ペナルティはレースを取り仕切る競技長が科すわけではありません。競技長は違反行為を確認し、アウトと判定すればスチュワードへ通告します。スチュワードが違反行為に対して、どのようなペナルティを科すかどうかを決定します。国内のレースにおいてはスチュワードは『審査委員』と呼ばれています。

モータースポーツにおいても、実際の裁判のように被疑者(ドライバー)、検察官(競技長)、裁判官(スチュワード)のような関係となっています。このように、競技長の独断でペナルティが科されることがない仕組みになっています。

 

 

オフィシャルによる違反行為の確認

レース中、レギュレーションに反する行為は、コースやピットに配置されたレースオフィシャルによって監視されています。そして、現場のオフィシャルの判断で違反であると確認された、もしくは違反である可能性が高く、検証する必要があると判断された場合、その行為がコントロールタワーへ報告されます。

コース委員
  • コース上での接触
  • フラッグ無視
  • トラックリミット など

 

ピット、グリッド、パドック委員
  • ピットロード速度違反
  • スタート手順違反 など

 

技術委員
  • ピット作業違反
  • 車両規定違反 など

 

レースコントロールでの判定

現場からの報告はサーキットのレースコントロールに集約されます。現場からの報告を受けて、競技長がその違反行為の検証を行います。コースやピットの全域はサーキットに設置された複数台の監視カメラによって映像として記録されています。報告のあった行為を映像で確認して、違反に相当するかどうかの判定を行います。

サーキットを転戦するようなレースシリーズにおいては、シリーズを通して公平な判定を行うため、レースディレクターが派遣される場合があります。レースディレクターは競技長と協力して違反行為に対する判定を決定します。

報告された行為が違反であると判定された場合、スチュワード(審査委員)への通告が行われます。競技長やレースディレクターはペナルティを科す権限を持っていません。

 

スチュワードの裁定

競技長やレースディレクターから通告を受けた違反行為をスチュワードが確認し、最終判定を行います。スチュワードが違反行為であると決定すると、違反を犯したドライバーに対してペナルティが科されることになります。どのようなペナルティが科されるのかは、違反行為の重大性や過去の判例などから不公平の無いようにスチュワードが決定します。

スチュワードは複数名のモータースポーツ有識者から構成されています。もし、スチュワードが競技長やレースディレクターの判定が間違っていると判断した場合は、判定が覆りセーフと決定される場合もあるようです。

また、レース中に判定を決定するのが困難な場合は、判定はレース後に持ち越されることになります。レースを終えたドライバーに事情を聴取したり、オンボードカメラの映像を確認したりするなどして、判定が決定される場合もあるようです。

また、F1ではイエローフラッグ区間で減速していたかどうかの確認のため、テレメトリーのデータを確認することもあるそうです。

 

ペナルティの執行

ドライバーに科されるペナルティの内容がドライブスルーペナルティやペナルティストップなどの場合は、レース中に執行されます。コースではペナルティを示すゼッケンボードが提示され、タイミングモニターなどを通じてチームにも通知されます。

レース中に科されたペナルティはすぐに消化しなければなりません。ペナルティを無視して走行を継続すると更なるペナルティが科される可能性が高くなります。また、レース中に科されたペナルティに対する抗議はできないことになっています。

レース距離の都合上、レース中にペナルティを科すことができなかった場合は、レース結果に対して科せられたペナルティに相当するタイムの加算が行われます。

 

【参考】レースディレクターとは?

通常、F1やSUPER GTのようなレースシリーズは様々なサーキットを転戦して開催されます。サーキットが変わると、レースを運営する競技長をはじめとした競技役員やレースオフィシャルも変わります。

そのため、違反行為に対するアウト、セーフの判定基準に多少のばらつきが生じます。そのため、レースシリーズのオーガナイザーからレースディレクターが派遣され、サーキットが変わってもシリーズを通して公平な判定ができるように競技長と調整しながら判定を行います。

違反行為に対する判定の基準がばらつかないようにするのがレースディレクターの役割ですので、通常は1名のレースディレクターがシリーズ全体を仕切ります。F1のレースディレクターはマイケル・マシ氏が務めています。また、SUPER GTのレースディレクターはレーシングドライバーの服部尚貴氏が務めています。

 

まとめ

上記のようなフローでペナルティを科すかどうかが判断されています。明らかにペナルティと分かるような違反行為でも、慎重に審議されているため、ペナルティが執行されるまでに、時間がかかっているのが現状です。他のスポーツでは現場の審判の判定が正しいと扱われることが多いため、誤審の問題がしばしば起こります。

モータースポーツにおいても、映像技術が進歩する以前は現場のコースマーシャルの判定を信じてペナルティが科されていたこともあったようです。しかし、現在のモータースポーツにおいては、記録された映像を元に、ペナルティを科すかどうかの判断が行われています。

サーキットやレースシリーズの違いによって、異なる点もあるかと思いますが、モータースポーツにおけるペナルティが執行されるおおよそのフローを紹介しました。

 

 

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