2024年 F1 第22戦 ラスベガスGP 開催概要

 

『黒白旗』とは?

 

 

黒白旗『黒と白に斜めに2分割された旗 Black and White Flag』はレギュレーションではスポーツマン精神に反する行為を行ったドライバーに提示されます。

黒白旗はコントロールライン付近のオブザベーションポストでゼッケンボードと共に不動(静止)表示されます。

黒白旗は国際モータースポーツ競技規則 付則H項では『黒と白に斜めに2分割された旗』と記載されています。また、『警告旗』とも呼ぶ場合もありますが、一般的に黒白旗と呼ばれるため、本サイトにおいては『黒白旗』と表記します。

具体的には、車両同士の接触を起こしたドライバーに対してペナルティを科すほどではないものの、どちらか一方のドライバーに過失があると認められた場合や、最近では『トラックリミット』と呼ばれる走路外走行を繰り返し行った場合などに提示されます。

 

 

レギュレーション

 

国際モータースポーツ競技規則 付則H項

(2021年12月23日発行版)

2.5.4.1 競技長旗信号

f) 黒と白に斜めに2分割された旗:
この旗は一度だけ表示され、該当するドライバーが以下のことを認識するための警告とされる。
「当該ドライバーがスポーツ精神に反する行為をした旨の報告が行われた。」

 

 

提示されるとき

黒白旗はレースフラッグの中でも運用される機会が少なく、実際に提示されている場面をあまり見かけることはありません。

以下に示す、車両同士の接触に対する提示やトラックリミット違反に対する提示のケースが大半ではないかと思います。

 

車両同士の接触

黒白旗は主に他の車両との接触行為や妨害行為に対して、ペナルティを科すほどではないが、どちらか一方のドライバーに非があると考えられる場合に警告の意味で提示されます。

相手に接触しながら、強引に追い越したり、ブロックしたりしたような場合が挙げられます。

黒白旗を提示されたにも関わらず、同様の行為を繰り返した場合は悪質と判断され、ペナルティが科せられる場合があります。

 

トラックリミット違反

近代のサーキットは車両が走行することを認められている『走路』の外側のランオフエリアがアスファルト舗装されている場合が多くあります。

そのため、走路の外側を走行してもタイムロスがほとんど無いばかりか、コースレイアウトによっては速く走ることができてしまいます。これを走路外走行と呼び、最近では『トラックリミット』違反と言われます。

当然、レース中であっても走路外走行は禁止されてます。しかしながら、走路外走行を1回しただけでペナルティを科すのは厳しすぎと言えます。そこで、走路外走行を繰り返したドライバーに対してペナルティを科す前に黒白旗を提示して警告するのが一般的な運用となっています。

黒白旗が提示されたにも関わらず、走路外走行を再度繰り返した場合はペナルティが科せられる場合があります。

F1ではレース中にトラックリミット違反を3回行ったドライバーに対して、黒白旗が提示されることになっています。黒白旗を提示されたにも関わらず、トラックリミット違反をしたドライバーに対してはペナルティが科せられます。

2021年F1第2戦エミリア・ロマーニャGPではトラックリミット違反を繰り返した角田裕毅選手に対して黒白旗が提示されました。その後もトラックリミット違反を行ったとして、スチュワードは角田裕毅選手に対して5秒間のタイムペナルティとペナルティポイント1を科しました。

 

 

SUPER GTでの運用

SUPER GTにおいては車両同士の接触に対する警告として黒白旗が提示される機会が増えています。

SUPER GTの場合、黒白旗が提示されたにもかかわらず、同様の行為を行うと、ペナルティが科せられることになっています。

また、黒白旗の提示はペナルティではないためレース結果に影響を及ぼすことはなく、提示するにあたってレース審査委員会の了承をとる必要もありません。

ただし、レースリザルトには黒白旗が提示されたことが明記され、SUPER GTモラルハザードポイントが1ポイント加算となります。

 

 

黒白旗が提示された事例

 

2020年 SUPER GT 第6戦 鈴鹿サーキット

鈴鹿サーキットで開催されたSUPER GT 第6戦では、GT500クラスのトップ争いをしていた8号車『ARTA NSX-GT』の前にピットストップを済ませた12号車『カルソニック IMPUL GT-R』がピットアウトしました。

8号車は12号車のピットストップの1周前にピットストップを済ませており、タイヤが温まっている8号車が、まだタイヤが温まっていない12号車に迫る展開となりました。

鈴鹿サーキットのバックストートで8号車は12号車の背後まで迫りましたが、このとき、12号車はタイヤを温めるために車両を左右にジグザグに走行する、いわゆるウィービング走行をしました。

すぐ背後に8号車が迫っているにも関わらず、複数回の進路変更をしたとして、12号車をドライブしていた平峰一貴選手に対して黒白旗が提示されました。

 

 

フラッグの意味

赤旗
黄旗

オイル旗

青旗

白旗

緑旗

黒白旗

オレンジディスク

黒旗

チェッカー

国旗