【12/1新着】F1 第15戦 バーレーンGP クビアト選手とストロール選手の接触

 

ペナルティの対象『危険なドライブ行為』とは?

 

モータースポーツでは、レース中に順位を争っている車両同士が接触することは珍しくはありませんが、レギュレーションで車両同士をぶつけることが認められているわけではありません。

そのため、レース中の車両同士の接触に関しては、レースコントロールでどちらかのドライバーに過失はなかったか、違反性は無かったかなど、その都度検証されることになっています。

検証の結果、双方のドライバーに違反性が無いと判断された場合はペナルティが科されることはありません。このような接触は『レーシングアクシデント』と呼ばれます。

お咎めなし『レーシングアクシデント』とは?

 

接触した相手の車両をスピンさせてしまったり、コースの外へ押し出してしまったりすると、レースコントロールで検証され、接触の原因となったドライバーに過失があったと認められた場合は、『危険なドライブ行為』があったとして、そのドライバーにペナルティが科せられる場合があります。

そこで、どのような場合が、危険なドライブ行為に該当するのか解説してみたいと思います。

 

 

危険なドライブ行為

モータースポーツにおける車両同士の接触に関する競技規則はFIAの『国際モータースポーツ競技規則』に定められていません。レースシリーズごとに定められたスポーティングレギュレーションや特別規則書に定められています。

車両同士の接触の結果、相手のドライバーをスピンさせてしまったり、自走できないほどの大きなダメージを与えてしまった場合などは、『危険なドライブ行為』として審議の対象となり、ペナルティが科せられる場合があります。

ただし、ペナルティと判断されるには、接触の原因となったドライバーに過失があったかどうか、ぶつけられた側に過失はなかったか、接触によって順位の変動があったかなど総合的に審議され判定されます。

 

相手をスピンさせた

危険なドライブ行為のわかりやすい一例は、車両同士の接触の結果、相手の車両をスピンさせてしまった場合が挙げられます。

モータースポーツでは車両が前後に並んで接近して走行している状態のことを『テール・トゥ・ノーズ』と呼びます。このテール・トゥ・ノーズの状態では、前を走行している車両に進路の優先権があります。そのため、後ろを走行している車両は前の車両の走行を妨害してはならないことになっています。

後ろを走行している車両がブレーキングでミスをして、前を走行している車両に追突しスピンさせてしまった場合は、危険なドライブ行為と判定されます。

軽い接触であっても、相手をスピンさせてしまった結果、ガードレールに衝突させたり、複数台を巻き込むなどの重大なアクシデントを引き起こしてしまった場合は、危険なドライブ行為と判定されペナルティが科せられる場合があります。

 

2019年 F1 第10戦 イギリスGP

レッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペン選手とフェラーリのセバスチャン・ベッテル選手が順位を争っている中、ストウコーナーでマックス・フェルスタッペン選手がセバスチャンベッテル選手をオーバーテイクしました。

その直後のヴェイルコーナーの進入の際に、セバスチャン・ベッテル選手のブレーキが遅れ、マックス・フェルスタッペン選手に追突してしまいました。両ドライバー共に、スピンしてしまいましたが、その後、レースに復帰しました。

スチュワードはセバスチャン・ベッテル選手に過失があったと判断し、10秒のタイムペナルティが科せられました。

 

他のドライバーのコースアウトを強いるもの

車両同士の接触の結果、相手をコースの外へ押し出してしまった場合も危険なドライブ行為としてペナルティが科せられる場合があります。

ただし、順位の入れ替わりがあったかどうか、押し出された車両へのダメージがあったかなど、総合的に検証されるため、順位の変動が無かったり、車両へのダメージも無いと判断されるようなケースでは『レーシングアクシデント』と判定される場合もあります。

 

その他の危険なドライブ行為

車両同士の接触の結果、相手をスピンさせてしまったり、コースの外へ押し出してしまったりといった場合以外においても、以下のような場合は、危険なドライブ行為と判定される場合があります。

  • 接触した結果、相手が挙動を乱したところを追い越した
  • 相手の車両を走行ができなくなるくらいに損傷させた
  • イエローフラッグ区間を走行中に他の車両に接触した。
  • セーフティカー導入中に他の車両に接触した。
  • レッドフラッグが振られた後に他の車両に接触した。
  • チェッカーフラッグが振られて、レースが終了した後に他のドライバーに接触した。

 

ペナルティが科される場合は、接触の原因となったドライバーに過失が認められた場合のみです。お互い様と判断できるようなケースや、接触の原因がやむをえないと考えられるような場合は、レーシングアクシデントと判定される場合もあります。

 

警告として扱われる場合

ペナルティを科すほどではないものの、どちらか一方のドライバーに過失があると認められた場合は警告の意味として黒白旗(黒と白に斜めに2分割された旗)が提示される場合があります。

  • 追い越す際に強引にイン側に飛び込むなどして接触した。
  • 並走する相手をコース外に追い出したが順位変動はなかった。
  • 接触の結果、順位変動は無かったが、相手の車両を損傷させた。

 

黒白旗は警告を意味するため、再び同じような接触を起こした場合は、ペナルティが科せられる場合があります。

 

車両同士の接触の検証方法

レースコントロールではコース各所に設置されている監視カメラの映像やオブザベーションポストに配置されているコースマーシャルの監視内容を元に検証が行われます。

カメラで記録された映像だけでは判断ができないような場合は、ドライバーに事情聴取をしたりする場合もあるため、最終的な判定がレース後に行われる場合もあります。また、F1ではオンボードカメラによる映像やテレメトリーのデータを用いた検証も行われています。

サーキットごとに競技団が異なるため、車両同士の接触に対する判定結果に多少のばらつきがあることは避けられません。そのため、F1をはじめとしたFIA公認の国際レースをはじめ、国内のカテゴリーにおいても、SUPER GTやスーパーフォーミュラなどではシリーズを通して判定を公平に行うため、レースディレクターが派遣されています。

 

レギュレーション

2020 FORMULA 1 SPORTING REGULATIONS

38) レース中の事件
38.1 レースディレクターは一切のトラック上の事件、本競技規則あるいは国際モータースポーツ競技規則の違反の疑い(“事件”)の報告を競技審査委員会に対し行うことができる。検討され、調査の実施に進むか否かを決めるのは競技審査委員会の裁量に委ねられる。
競技審査委員会は、委員会自身が気づいた事件をも調査することができる。

 

2020 SUPER GT Sporting Regulations

第13条 インシデント
1. 競技会期間中いかなる場合においても「危険なドライブ行為」を行なってはならない。危険なドライブ行為とは、
a. 付則-7「GTAドライビング・モラルハザード防止制度」に抵触する行為
b. 他の競技車両のコースアウトを強いるもの
c. 他の競技車両による正当な追い越し行為を妨害するもの
d. 追い越しの最中に他の競技車両を不当に妨害するもの
e. FIA国際競技規則付則L項第4章第2条に違反したもの
等を指し、その行為が危険と判定されたものをいう。

©GTA

 

2020年全日本スーパーフォーミュラ選手権 統一規則

第15条 インシデント
1.大会期間中いかなる場合においても、「危険なドライブ行為」を行ってはならない。
本条項の「危険なドライブ行為」とは、
1) 衝突を起こしたもの 
2) 他のドライバーのコースアウトを強いるもの
3) 他のドライバーによる正当な追い越し行為を妨害するもの
4) 追い越しの最中に他のドライバーを不当に妨害するもの
5) FIA国際競技規則付則L項第4章第2条に違反したもの
等を指し、その行為が危険と判定された場合は、厳しく罰せられる。

 

 

   \ シェアする /

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です