2021年
2022年シーズンの内容については
こちらを参照ください。
スーパー耐久シリーズでは2018年シーズンからフルコースイエロー(FCY)が導入されています。
フルコースイエローはWEC(世界耐久選手権)をはじめとした海外のレースでは既に運用されていましたが、国内のシリーズとしてはスーパー耐久が初めての運用となりました。
国内では2020年シーズンからSUPER GTとスーパーフォーミュラにおいてもフルコースイエローが導入されることになりましたが、2020年シーズンにおいては、どちらのカテゴリーにおいても実際に運用されることはありませんでした。
フルコースイエローはセーフティカーを導入するまでもないけれども、安全上の理由で必要であると判断した場合に導入されます。
フルコースイエローが導入されると、コース全域で追い越しが禁止となり、速度が50km/hに制限されます。
すべての車両の速度が同時に50km/hに制限されるため、各車両のタイム差がキープされたまま、コース上の安全を確保することができます。
フルコースイエローが導入されるとき
フルコースイエローの導入
FCYボードの提示
(追い越し禁止)
※FCY原因の現場の手前のポストではダブルイエロー(黄旗2本)を提示
FCYボード + イエローフラッグ
(制限速度50km/h + 追い越し禁止)
FCY宣言と同時にタイミングモニターやレースコントロール無線によってチームへフルコースイエローの導入が伝えられます。
FCYボードが提示されてから約10秒が経過した後、すべてのオブザベーションポストでは、FCYボードに加えてイエローフラッグの振動が提示されます。
この時点から、コース上での制限速度は50km/hに制限され、追い越しの禁止も継続された状態となります。この状態がフルコースイエローの状態となります。
フルコースイエローが導入されると
セーフティカーが導入された場合、セーフティカーを先導とした縦列走行となるため、それまで築いてきたタイム差が無くなってしまいます。
フルコースイエローの場合はすべての競技車両に対して一斉に速度が50km/hに制限されます。そのため、フルコースイエロー導入前のタイム差がそのままキープされます。
フルコースイエローが導入されている間にストップしてしまった車両の撤去作業などを行います。
フルコースイエロー導入中はピットイン禁止
スーパー耐久ではFCYボードが提示されてから、フルコースイエロー解除の合図となるグリーンフラッグが振られるまでの間はピットインが禁止されます。
フルコースイエロー導入中にピットインした場合は60秒以上のペナルティストップが科せられます。
フルコースイエロー導入中はペナルティを消化できない
フルコースイエローが導入されている間にペナルティストップペナルティやドライブスルーペナルティを消化することはできません。
ただし、FCYボードが提示されたときに、ピットインしていた場合は、ペナルティを消化することが認められます。
フルコースイエローの解除
フルコースイエローの導入中にストップした車両の撤去作業が完了したなど、コース上の危険が取り除かれたと判断されたらレースが再開されます。
レース再開に向けて、フルコースイエロー解除宣言がタイミングモニターやレースコントロール無線を通じてチームへ伝えられます。
そのあと、すべてのオブザベーションポストで提示されているFCYボードとイエローフラッグが撤去され、グリーンフラッグが振られます。これがフルコースイエロー解除の合図となり、レースが再開されます。
グリーンフラッグが振られるまでは80km/hの速度制限を守る必要があり、追い越しも禁止されます。
グリーンフラッグ
(FCY解除)
セーフティカーへの切り替え
フルコースイエローが導入された後、レースコントロールがコース上の危険な状況が解消されないと判断した場合は、フルコースイエローからセーフティカーの導入へ切り替わる場合があります。
この場合、オブザベーションポストで提示されているFCYボードは一斉に『SCボード』に切り替わります。
イエローフラッグの振動はそのまま継続されます。この時点でフルコースイエローは終了し、セーフティカーの導入に切り替わるため、この時点で50km/hの速度制限は解除されます。その後は、セーフティカーの運用に切り替わります。
ZONE50
スーパー耐久シリーズのスポーツ規則には『ZONE50』というコースの一部分に限定した速度規制のルールが定められています。しかしながら、ZONE50の本格的な運用はまだ行われておらず、現状はコース全域における50km/hの速度制限の運用に留まります。
公式通知の一例
ピレリ スーパー耐久シリーズ2018 第6戦 岡山国際サーキット
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