2024年 F1 第22戦 ラスベガスGP 開催概要

 

『オイルフラッグ』とは?

 

 

オイルフラッグはコース上にオイルがあり路面が滑りやすくなっていることを意味します。

国際モータースポーツ競技規則 付則H項ではオイルフラッグのことを『赤と黄の縦縞のフラッグ Red and Yellow striped Flag』と記述されています。

本サイトでは、一般的な呼び方となっている『オイルフラッグ』と表記させていただきます。

オイルフラッグは他のフラッグと異なり、フラッグは振らず不動(静止)表示となります。

オイルフラッグが提示されているオブザベーションポストの前方のコース上がオイルで滑りやすくなっていることを意味します。

オイルフラッグはコース上の落下物や砂利などに対しても提示され、頻度としてはオイルよりもこちらの方が多いです。

 

 

レギュレーション

 

国際モータースポーツ競技規則 付則H項

(2021年12月23日発行版)

2.5.5 マーシャルポストで使用される信号

c) 赤の縦縞のある黄旗:
これは、当該旗を通り越したトラック上に、オイルまたは水があるために摩擦抵抗が低下している箇所があることをドライバーに知らせるために、不動表示される。表面が正常に復帰しない限り(状況にもよるが)、4周回以上の間表示される。この旗が表示された直後の区域は緑旗を表示する必要はない。

 

 

オイルが路面に流れている

モータースポーツでは、コース上にオイルなどの液体が流れ出ると路面が滑りやすくなるため、その手前のオブザベーションポストではオイルフラッグが提示されます。

ミッションオイルやブレーキフルード、クーラント、ガソリンなどの場合はコース上に漏れても滑りにくい傾向にあります。

液体が流れ出ていても、路面が滑らないと確認された場合、提示されたオイルフラッグが撤去される場合があります。

ただし、エンジンオイルが流れ出ている場合は、路面が非常に滑りやすくなるため、大きなアクシデントの原因となる可能性が高いことからオイルフラッグは重要なフラッグであると言えます。

 

 

雨で路面が滑りやすくなった

雨が降り始め、路面がドライの状態から濡れて滑りやすくなってきた時にもオイルフラッグが提示されます。

はじめから雨が降っていて、路面がウェットの状態の場合、オイルフラッグは提示されません。

 

出典:youtube.com

 

 

コース上に落下物が落ちている

コース上にパーツの破片などの落下物がある場合もオイルフラッグが提示される場合があります。

落下物の場所がレーシングラインを外していたり、走行に影響を及ぼさないようなものであると判断された場合には、オイルフラッグが提示される場合があります。

レーシングライン上に大きな落下物があり、明らかに危険と判断された場合にはオイルフラッグではなく、イエローフラッグが提示されることがあります。

 

 

コース上に砂利が撒かれた

ブレーキングに失敗しオーバーランしてしまうなどしてコースを外れた車両がコースに復帰した場合など、路面にグラベルの砂利が撒かれることがあります。

レーシングライン上に砂利が撒かれるなどして、走行に影響を及ぼす可能性があると判断された場合にはオイルフラッグが提示される場合があります。

 

 

SUPER GTではオイルフラッグを振る場合がある

SUPER GTにおいてはオイルなどの影響により、路面が非常に滑りやすいと判断された場合にはオイルフラッグを振動表示する特別な運用があります。

後述の2012年のスーパー耐久シリーズで発生したOSAMU選手の死亡事故を受けて導入されたとされています。

 

出典:youtube.com

 

2012年 スーパー耐久シリーズ 第5戦 鈴鹿サーキット

2012年に鈴鹿サーキットで開催されたスーパー耐久シリーズ第5戦の決勝レース1で35号車の『assetテクノZ33』からオイル漏れが発生しました。これにより、第1コーナーから第2コーナーにかけてオイルが撒かれてしまいました。

現場手前のオブザベーションポストではすぐにオイルフラッグが提示されたようですが、後続の70号車の『Olive SPA+KOTA RACING NSX』がオイルにより、第1コーナーの進入でコントロールを失い、左側のガードにクラッシュしました。

さらに、その直後にOSAMU選手がドライブしていた63号車の『レイジュンZ33リール』も同様にコントロールを失い、じゅうぶんに減速できないまま、マシンの左側からタイヤバリアに激突しました。

OSAMU選手はすぐにドクターヘリで四日市市の三重県総合医療センターに搬送されましたが、残念ながら死亡が確認されました。

SUPER GTシリーズではこの事故を受けて、路面がオイルなどにより非常に滑りやすいと判断された場合はオイルフラッグを振動提示する独自のルールが導入されたと言われています。

また、余談ではありますが、このとき、OSAMU選手はまだ導入過渡期であり、装着の義務付けもなかった『HANS (Head and Neck Support)』を装着していませんでした。そのため、スーパー耐久シリーズでは翌年の2013年シーズンからHANSの装着が義務付けられることになりました。

2017年以降は国内で開催される全てのJAF公認レースでHANSの装着が義務付けられています。

 

 

フラッグの意味

赤旗
黄旗

オイル旗

青旗

白旗

緑旗

黒白旗

オレンジディスク

黒旗

チェッカー

国旗