2020年
2021年シーズンの内容については
こちらを参照ください。
競技車両同士がコース上で接触した場合は様々な角度から映像による検証が行われ審議されます。どちらか一方のドライバーに明らかな非がある場合はレース中でもペナルティが科されますが、判断が困難な場合はレース後に時間をかけて審議されます。当該ドライバーからの聴取やオンボードカメラの映像、必要に応じてテレメトリーデータの解析などが行われます。
ペナルティの内容はレース結果にタイム加算や周回数の減算といったものから、次のレースでのグリッド降格、出場停止処分など様々です。
2017年から接触に対するジャッジが緩和
2017年シーズンから接触に対するジャッジが緩和され、ペナルティとなるケースが減りました。どちらか一方のドライバーに明らかな過失があると考えられる場合以外のケースでは、少しくらいの接触は大目に見てもらえるようになりました。これはペナルティを恐れてオーバーテイクをためらってしまうことにより、F1の魅力が下がってしまうことを避けるための判断と考えられます。
【参考】2017年F1スペインGPでの接触
2017年F1スペインGPではフェリペ・マッサ選手がストフェル・バンドーン選手を追い越そうとして接触が発生しました。マッサ選手がバンドーン選手を追い越そうとイン側から並びかけますが、バンドーン選手はマッサ選手に気づかずに通常時と同じラインを走行してしまったためにイン側のマッサ選手の進路を妨害する形となり接触しました。
出典:youtube.com
この接触によってバンドーン選手は車両にダメージを負い、アウト側のグラベルにストップしリタイアとなってしまいましたが、レース審査委員会はレース後にバンドーン選手に対して次戦の第5戦モナコGPでの3グリッド降格ペナルティを課しました。
複数台の車両が左右に並んでコーナーに進入するときは、相手の走行するスペースを1車身分以上空けて走行しなければなりませんが、これに違反したことによって接触が発生したために、バンドーン選手に過失があったとしてペナルティが課せられたと考えられます。
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2020年4月28日
38) レース中の事件
38.1 レースディレクターは一切のトラック上の事件、本競技規則あるいは国際モータースポーツ競技規則の違反の疑い(“事件”)の報告を競技審査委員会に対し行うことができる。検討され、調査の実施に進むか否かを決めるのは競技審査委員会の裁量に委ねられる。
競技審査委員会は、委員会自身が気づいた事件をも調査することができる。
38.2 a) 事件に関係しているドライバーにペナルティを科すかどうかの決定は、競技審査委員会の裁量に任される。
競技審査委員会にとって、当該ドライバーが完全にあるいは圧倒的にその事件について咎められることが明らかでない限り、ペナルティは科されない。
b) 競技審査委員会が事件を調査中である場合は、事件に関与したドライバーの所属するすべてのチームに伝えるメッセージが、公式メッセージ送信システムにより送信される。
そのようなメッセージがレース終了後60分以内に告示されることを条件に、当該ドライバーが競技審査委員会の同意を得ずにサーキットを離れることは禁止される。
38.3 競技審査委員会は、事件に関与したいかなるドライバーに、以下のペナルティうち1つを科すことができる:
a) 5秒間のタイムペナルティ
ドライバーはピットレーンに進入し、自己のピットの停止位置に最低でも5秒間停止した後、レースに復帰しなければならない。ただし、当該ドライバーがレース終了前にピットストップを1度も行わないのであれば、ピットで停止しないことも選択できる。その場合は、当該ドライバーのレース経過時間に5秒が加算される。
b) 10秒間のタイムペナルティ
ドライバーはピットレーンに進入し、自己のピットの停止位置に最低でも10秒間停止した後、レースに復帰しなければならない。当該ドライバーはそれでもなお、レース終了までにそれ以外のピットストップを行わないのであれば、停止しないことを選択することができる。その場合、ペナルティの10秒は当該ドライバーのレース経過時間に追加される。
上記の両方の場合とも、当該ドライバーは、次にピットレーンに進入した時にペナルティを実施しなければならない。疑義を避けるために、これにはVSCあるいはセーフティカー手順が使用されている間にドライバーが行う一切の停止が含まれる。
c) ドライブスルーペナルティ
ドライバーはピットレーンに進入し、停止せずに、レースに復帰しなければならない。
d) 10秒間のストップアンドゴー・タイムペナルティ。
ドライバーはピットレーンに進入し、自己のピットの停止位置に最低でも10秒間停止した後、レースに復帰しなければならない。
上述の4種のペナルティのいずれかがドライバーに科され、当該ドライバーがレースリタイアによりそのペナルティに服することができない場合、競技審査委員会はそのドライバーの次回参加競技会でグリッド位置を下げるペナルティを科すことができる。
しかしながら、上述の4種類のペナルティの何れかが最後の3周回の間、あるいはレース終了後に科せられることになっ場合には、下記の第38条4b)は適用されず、上記a)の場合は5秒が当該ドライバーのレース経過時間に加算され、上記b)の場合は10秒加算され、上記c)の場合は20秒加算され、上記d)の場合は30秒加算される。
e) タイムペナルティ
f) 戒告
g) 当該ドライバーの次の競技会にて、グリッド位置をいくつか下げる。
上記7種類のペナルティのうち、いずれかが科せられた場合、控訴することはできない。
h) 競技失格
i) 当該ドライバーの次の競技会から出場停止
38.4 競技審査委員会が、第38条3a)、b)、c)あるいはd)のペナルティの何れかを科すことを決定した場合、下記の手順に従う。
a) 競技審査委員会は、科せられたペナルティの通告書を競技参加者に手渡し、その情報が公式メッセージ送信システムにも告示されすべてのチームが知らされることを確実にする。
b) 上記第38条3a)およびb)の場合を除き、競技審査委員会の決定が公式メッセージ送信システムにて当該チームに通告された時刻から、当該ドライバーはピットレーンへ進入する前に2回までコース上のラインを通過でき、また38条3d)のペナルティの場合は自己のガレージ向かい、タイムペナルティとして科せられた時間の間、自己のピットストップ位置に留まらなければならない。
しかしながら、当該ドライバーがペナルティを受ける目的で、すでにピット入口に居ない限り、VSC手順が使用されている場合あるいはセーフティカーが出動した後にペナルティを実施することはできない。セーフティカーの後方でまたはVSC手順の間でラインを通過した回数は、コース上でラインを通過できる最大数に追加される。
c) 上記第38条3a)またはb)のペナルティを受けて車両がピットレーンに止まっている間は、車両がペナルティ時間の静止をし終えるまでは車両に作業を行うことは禁止される。
d) 上記第38条3d)のタイムペナルティを受けて車両がピットレーンに止まっている間は、車両に作業を行うことは禁止される。ただし、エンジンが停止し再スタートに何らかの作業が必要な場合は、ペナルティの時間が経過した後に実施することができる。チームがエンジンを始動できない場合、当該車両はそのドライバーのガレージでのみ作業を行うことができる。
e) 第38条4b)、c)、またはd)に違反し、不履行があった場合には、当該車両は失格とされる場合がある。