2021年
2022年シーズンの内容については
こちらを参照ください。
SUPER GTは『GT500クラス』と『GT300クラス』の2つのクラスの車両が混走をしてレースが行われることが特徴のレースシリーズです。
GT500クラスとGT300クラスで車両規則がそれぞれ異なり、速度も異なるため、GT500クラスとGT300クラスは別々のレースとして争われます。
SUPER GT『GT500クラス』
GT500クラスの競技車両はGTアソシエーションが定める『Class1 (クラス・ワン)』に準拠して製作された車両である必要があります。
現在では、トヨタ、ホンダ、日産の3社の自動車メーカーがGT500クラスに参戦する車両を開発しています。
DTMとのつながり
SUPER GTのGT500クラスは以前からドイツツーリングカー選手権『DTM』と車両規定の統合を目指し、その技術規則を『Class1』と定めました。
2014年からSUPER GTはDTMとトランスミッションやブレーキ、リヤウイングなどの部品の共通化を始めました。
2017年の車両規定ではDTMとの共通化がさらに進み、これによりダウンフォースレベルが2016年車両から25%程度削減されました。
2019年はDTMとのエンジンの共通化が完了しました。スーパーフォーミュラと共にSUPER GTで2014年から採用している2リッター直列4気筒直噴ターボエンジンがDTMにも採用されることになりました。
2019年のシーズン終了後には、正式なレースではないものの、富士スピードウェイでSUPER GTとDTMの交流戦が初めて開催されました。
2020年シーズンはボッシュが供給するエンジン・コントロール・ユニット (ECU)やマルチディスプレイが統一仕様としてSUPER GTのGT500クラスのすべての車両に搭載されました。
また、2020年の車両規則では『搭載されるエンジンの位置は車室より前部に配置されなければならない』と定められ、GT500車両はフロントエンジン車であることが規定されました。
これまでHonda NSX-GTは市販車と同様にミッドシップエンジン車として参戦してきましたが、2020年シーズンからフロントにエンジンを搭載したFR仕様になった新しいNSX-GTで参戦しています。
しかし、2020年にこれまでDTMに参戦していたアウディが2020年シーズンをもってDTMから撤退することを発表しました。DTMへの参戦する自動車メーカーがBMWの1社になってしまうことから、DTMの存続が危ぶまれました。
DTMは、これまでSUPER GTと築いてきた『Class1』の車両規定を廃止し、2021年シーズンはFIA GT3車両で争われることになりました。残念ながら、SUPER GTとDTMが共通の車両規定で正式なレースが行われることは実現しませんでした。
しかしながら、DTMの変化によって、SUPER GTのGT500クラスは世界最速のGTカーによる唯一無二のレースとなりました。
SUPER GT 『GT500クラス』
2021年 『Class1』参戦車両
- TOYOTA GR SUPRA
- Honda NSX-GT
- NISSAN GT-R NISMO GT500
TOYOTA GR SUPRA
Honda NSX-GT
出典:honda.co.jp
NISSAN GT-R NISMO GT500
出典:nismo.co.jp
SUPER GT『GT300クラス』
GT300クラスの競技車両はGTアソシエーションが定める『GT300』、『GT300MC』、『FIA-GT3』に準拠して製作された車両である必要があります。
2021年シーズンのSUPER GT GT300クラスの参戦車両については、詳細が発表され次第、順次掲載します。
SUPER GT 『GT300クラス』
2021年『GT300』参戦車両
『GT300』の車両規定は2020年シーズンまで、『JAF-GT300』と呼ばれていました。GT500クラスとは異なるSUPER GT独自の車両規格として、全日本GT選手権の時代から採用されてきました。
『GT300』の車両規格は、ゼロから車両を開発する必要があるため、参戦コストが高騰してしまうことからプライベーターにとっては負担となり、現在では『GT300』の車両で参戦するチームが少なくなっています。
- TOYOTA GR Supra
- TOYOTA GR 86
- SUBARU BRZ
SUPER GT 『GT300クラス』
2021年『GT300MC』参戦車両
『GT300MC』の車両規定は2020年シーズンまで、『JAF-GT300MC』と呼ばれていました。
『GT300MC』は『GT300』の車両開発コストを低減させるため、童夢が開発したカーボンモノコック(マザー・シャシー)をベースとした車両規格として2015年に採用されました。
車両の外観は自由に決めることができるため、『GT300』車両規定のようなオリジナルの車両を安価で開発できるようになりました。
現在では、ロータス・エヴォーラやトヨタ86が参戦しています。
- Lotus EVOLA
- TOYOTA 86
SUPER GT 『GT300クラス』
2021年『FIA-GT3』参戦車両
『FIA-GT3』車両規定は、FIA GT選手権の車両規定の『グループGT1』と『グループGT2』の下位カテゴリーとして定められた『グループGT3』がベースとなっています。
現在では、FIA GT選手権のプロモーターであったSROモータースポーツ・グループがFIA GT3の車両規定を定め、世界統一のGT車両規格として、世界中のスポーツカーメーカーがFIA GT3に準拠した車両を開発しています。
- NISSAN GT-R NISMO GT3
- Honda NSX GT3
- LEXUS RC F GT3
- AMG GT
- BMW M6 GT3
- Audi R8 LMS
- Ferrari 488GT3
- Porsche 911 GT3 R
- Lamborghini Huracan GT3 EVO
SUPER GT GT500クラス
2020年『JAF-GT500』参戦車両
- NISSAN GT-R
- LEXUS LC500
- Honda NSX-GT
SUPER GT GT300クラス
2020年『JAF-GT300』参戦車両
- TOYOTA PRIUS PHV
- SUBARU BRZ
- TOYOTA GR SUPRA
SUPER GT GT300クラス
2020年『JAF-GT300 MC』参戦車両
- LOTUS EVOLA
- TOYOTA 86
SUPER GT GT300クラス
2020年『FIA-GT3』参戦車両
- AMG GT
- Aston Martin Vantage GT3
- PORSCHE 911
- NISSAN GT-R
- Honda NSX GT3
- AUDI R8
- LEXUS RC F
- LAMBORGHINI HURACAN GT3
- BMW M6
車両規則
これまで、JAFが発行している『国内競技車両規則』にSUPER GTの車両規則も掲載されていましたが、2021年シーズンから国内競技車両規則への記載は無くなり、GTアソシエーションが定める車両規則といった文言のみとなりました。
GT500クラスとGT300クラスの外見上の違い
SUPER GTではGT500クラスとGT300クラスの異なるクラスの車両が同時に走行します。TOYOTA GR Supra、Honda NSX、NISSAN GT-R NISMOはGT500クラスとGT300クラスの両方に参戦しているため、車両だけでクラスを判別するのは初心者にとっては難しいです。
そこで、ヘッドライトとゼッケンベースの色がGT500クラスとGT300クラスで異なっており、外見だけでクラスを判別できるようになっています。
GT500クラスの車両は白いヘッドライトと白いゼッケンベース、GT300クラスの車両は黄色いヘッドライトと黄色いゼッケンベースとなっています。
GT500クラス
ヘッドライト、ゼッケンベース:白色
GT300クラス
ヘッドライト、ゼッケンベース:黄色
ゼッケンベースの違い
アーカイブ
FIAインターナショナルシリーズ SUPER GT 適用車両規則
JAF申請のFIAインターナショナルシリーズとして開催される同シリーズは、FIA国際競技規則第2条4項に基づき、クラス毎にそれぞれ以下の車両規定が適用される。
(1) GT500:シリーズオーガナイザー (公認団体:株式会社GTアソシエイション)が定めるクラス1 (class1)
(2) GT300:①シリーズオーガナイザー (公認団体:株式会社GTアソシエイション)が定めるGT300 (GT300)
②シリーズオーガナイザー (公認団体:株式会社GTアソシエイション)が定めるGT300MC (GT300MC)
③FIAグループGT3 (FIA-GT3)