【10/31新着】シグナルの意味(3) レーススタートでの点灯方法②

 

2020年 F1レギュレーション改訂概要 【2020年3月30日】

 

2020年3月30日、FIAは2020年シーズンのF1レギュレーションの改定を行いました。主に新型コロナウイルスの影響による開催スケジュールの変更や新たなテクニカルレギュレーションの適用が2022年シーズンへ先送りされたことなどを受けての内容となります。

 

 

スポーティングレギュレーション変更にはチームの60%以上の同意が必要

これまでF1のスポーティングレギュレーションは前年の4月30日以降に変更が行われる場合は全チームの同意が必要となっていました。今回のレギュレーション変更により、全チームの60%以上(10チーム中6チーム以上)の同意が得られれば、レギュレーション変更が認められることになりました。

 

2020 FORMULA 1 SPORTING REGULATIONS

2020年4月28日

1) 規定

1.2 本競技規則は、タイトル(「選手権」)に言及されているカレンダー年に実施される選手権に適用され、その改定は参加のすべての競技参加者の合意をもって前年の4月30日以降にのみ実施されるが、第1条3に規定される通りの場合、あるいはFIAが安全を理由にして実施する事前通告または遅延なく施行される改定は除く。

1.3 上記第1条2の条文に関わらず、第1条3a)に詳述される競技規則の特定条項は、FIAによる提案に続き、前年の4月30日以降に競技参加者の最低60%の合意をもって改定できる。その結果発生する、その他の条項および/あるいは付則の一切の改定も、この支配構造に従う。

a) 第19条、第20条、第21条7、第21条8、第21条9、第23条2、第24条、第25条1、第26条、第32条、第34条4、第34条5、第36条1および第36条2

疑義を避けるために、その他一切の条項および付則についての一切の修正は、全競技参加者の全員一致による合意を必要とする。

 

 

ファクトリーのシャットダウンの公平化

これまでのF1では夏休みとして8月に14日にわたってファクトリーをシャットダウン(閉鎖)し、その間の開発を禁止していました。2020年シーズンは新型コロナウイルスの影響により、8月に行われていたファクトリーのシャットダウンを前倒しし、3月から4月の間に行うことになりました。

これまでのシーズンではシャットダウンの期間は14日間でしたが、2020年シーズンは21日間のシャットダウンが義務付けられることになりました。

今回のレギュレーション変更では公衆衛生や政府の制限による理由によりシャットダウンが延長となった場合においても、一部のチームが不利にならないように、全てのチームが公平になるようにする文言が追加されました。

また、これまでシャットダウンはF1チームに対して行われており、パワーユニットサプライヤ―はシャットダウンの制限を受けることなく開発を行うことができました。今回のレギュレーション変更により、パワーユニットサプライヤ―にも21日間のシャットダウンの制限が課されることになりました。

 

2020 FORMULA 1 SPORTING REGULATIONS

2020年4月28日

21) 車両および要員の一般要件

21.8 すべての競技参加者は、3月、4月、5月および/あるいは6月中、連続した63日間の走行停止期間を守らなければならない。各競技参加者は、その期間を開始する24時間以上前までに、FIAに計画される走行停止期間を通知しなければならない。

この走行停止期間の間は、いかなるチームあるいはチームの関係者も、以下の活動を行うことはできず、また第三者にチームに代わってその実施を指示することもできない:

a) 風洞の運用あるいは使用(サービス作業およびメンテナンス活動を除く)。

b) 制限されるCFDシミュレーションについてコンピューター支援の運用あるいは使用(サービス作業およびメンテナンス活動を除く)。

c) 風洞部品、車両部品、テスト部品または工具の製作あるいは開発。

d) 車両部品の部分組み立てまたは車両の組み立て。

e) 設計、開発または製作に関係する、従業員、コンサルタントあるいは下請負人による一切の作業活動(走行停止期間直後に、レース走路にて実施される競技会の準備のための作業活動を除く)。

各競技参加者は、その供給業者に対し、その走行停止期間の日程を知らせなければならず、上記の活動の禁止を回避する意図を持った協定あるいは取り決めの一切を結んではならない。

公衆衛生上の懸念や政府の制限が当初想定されていた走行停止期間を越えて続いた場合、競技参加者とFIAは誠意をもって協議し、すべての競技参加者間で扱いが平等となるように、走行停止期間を延長する必要があるかどうか、および延長期間の長さを決定する。

走行停止期間の開始から50日後、競技参加者による申請があり、FIAの事前の書面による承認があれば、各競技参加者は、長いリードタイムのプロジェクトにリモートで作業するため最大10名の人員のサービスを使用することができる。そのような人員すべての氏名および仕事の肩書、すべての支援資材および、そのような人材が請け負う仕事の内容を含めたその完全な詳細は、どのような作業についても開始の最低10日前には、FIAに通知されなければならない。これらの人員は、走行停止期間の残りの期間について変更されてはならず、この作業は車両の空力に関連するプロジェクトの作業に一切関わるものであってはならない。

21.10 すべてのパワーユニット製造者は、3月、4月、5月および/あるいは6月中、連続した49日間の走行停止期間を守らなければならない。各パワーユニット製造者は、そのF1活動に関連し、期間を開始する24時間以上前までに、FIAに計画される走行停止期間を通知しなければならない。

例外は、法律や労働組合が異なる閉鎖期間を課している国に拠点を置く工場である。この場合、これらの工場は、走行停止期間の数日を、現地で課せられた期間に置き換える場合がある。これに影響を受けるPU製造者は、FIAに対し、自身のスタッフがこれらの期間中、走行停止されていない国で働くことを許可されていないことを宣言しなければならない。

この走行停止期間中は、いかなるパワーユニット製造者あるいはパワーユニット製造者の関係者も、以下の活動を行うことはできず、また第三者供給業者にパワーユニット製造者のために、あるいはそれに代わってその実施を指示することもできない:

a) テスト施設の運営あるいは使用(一切のサービスおよびメンテナンス活動は除く)

b) パワーユニットパーツ、テストパーツ、またはツールの製造または開発

c) パワーユニット(またはその部品)のサブアセンブリまたはパワーユニットのアセンブリ

d) パワーユニットのエンジニアリング、設計、開発、製造、またはPUのベンチテストに従事する従業員、コンサルタント、または下請け業者によるあらゆる作業活動。

各パワーユニット製造者は、走行停止期間の日付を供給業者に通知しなければならず、上記の活動の禁止を回避する意図でいかなる合意または取り決めを締結してはならない。

公衆衛生上の懸念や政府の制限が当初想定されていた走行停止期間を越えて続いた場合、パワーユニット製造者とFIAは誠意をもって協議し、すべてのパワーユニット製造者間で扱いが平等となるように、走行停止期間を延長する必要があるかどうか、および延長期間の長さを決定する。

走行停止期間の開始から36日後、パワーユニット製造者による申請があり、FIAの事前の書面による承認があれば、各パワーユニット製造者は、長いリードタイムのプロジェクトにリモートで作業するため最大10人の人員のサービスを使用できる。そのような人員すべての氏名および仕事の肩書、すべての支援資材および、そのような人材が請け負う仕事の内容を含めたその完全な詳細は、どのような作業についても開始の最低10日前には、FIAに通知されなければならない。これらの人員は、走行停止期間の残りの期間について変更されてはならない。

21.11 走行停止期間中、F1に関連しない支援プロジェクトのみを目的とした活動はすべて、第21条10の規則違反とは見なされないが、FIAより書面の承認があることを条件とする。

 

 

パワーユニットを構成するエレメント数制限の変更

F1の2020年シーズンは当初、過去最大となる22戦で争われる予定でした。ところが、新型コロナウイルスの影響により、第1戦オーストラリアGPと第7戦モナコGPの開催中止が正式発表され、第8戦アゼルバイジャンGPまでの他のレースも開催延期が決定されています。

F1ではシーズンを通して使用できるパワーユニットを構成するエレメントの数に制限があります。今後、2020年シーズンはさらに開催レース数が減少する可能性もあることから、使用できるエレメントの数が開催されるレース数が14戦以下になった場合、11戦以下になった場合に応じて以下のように変更されることになりました。

 

エレメント 当初(22戦) 14戦以下 11戦以下
ICE 3 2 2
TC 3 2 2
MGU-K 3 2 2
MGU-H 3 2 2
ES 2 2 1
CE 2 2 1

ICE:エンジン
TC:ターボチャージャー
MGU-K:モーター・ジェネレーター・ユニット・キネティック
MGU-H:モーター・ジェネレーター・ユニット・ヒート
ES:エナジー・ストア
CE:コントロール・エレクトロニクス

 

2020 FORMULA 1 SPORTING REGULATIONS

2020年4月28日

23) スペアカー、エンジン、およびギアボックス

23.3 a) 複数チームのドライバーをしていない限り(下記第23条3 c)参照)、また下記に記されている追加数を条件とし、各ドライバーは、選手権のシーズンの間、最大3基のエンジン(ICE)、3つのモータージェネレーター熱ユニット(MGU-H)、3つのターボチャージャー(TC)、2つのエネルギー貯蔵装置(ES)、2つのコントロール電子機器(CE)および3つのモータジェネレータ運動ユニット(MGU-K)を使用することができる。

FIAの同意をもって(その唯一の裁量で)、最初に参加する選手権シーズンの新パワーユニット製造者(付則9に定義される)の提供するパワーユニットを使用している一切のドライバーについては、上記a)の数が1つ増やされる。

選手権のレース数が14以下に下がった場合、各ドライバーは最大2基のエンジン(ICE)、2つのモータージェネレーター熱ユニット(MGU-H)、2つのターボチャージャー(TC)、2つのエネルギー貯蔵装置(ES)、2つのコントロール電子機器(CE))および2つのモータジェネレータ運動ユニット(MGU-K)を使用することができる。

選手権のレース数が11以下に下がった場合、各ドライバーは最大2基のエンジン(ICE)、2つのモータージェネレーター熱ユニット(MGU-H)、2つのターボチャージャー(TC)、1つのエネルギー貯蔵装置(ES)、1つのコントロール電子機器(CE))および2つのモータジェネレータ運動ユニット(MGU-K)を使用することができる。

 

 

2022年シーズンに向けた空力テストの禁止

当初、F1では2021年シーズンから新しいテクニカルレギュレーションへ変更となり、新たなF1マシンによって争われる予定でした。新型コロナウイルスの影響による景気後退のため、開発費の増加がチームの大きな負担になることから、2021年シーズンから適用される予定であったテクニカルレギュレーションは2022年シーズンに先送りされることになりました。

2021年シーズンは2020年シーズンのテクニカルレギュレーションを踏襲するため、F1マシンに大きな変化はありません。FIAは2020年シーズンの間に2022年シーズンに向けたF1マシンの開発を制限するために、2020年3月28日から2020年12月31日までの間は、スケールモデルによる風洞を使ったテストを禁止することになりました。

同様に、コンピュータを使った空力シミュレーションであるCFD(数値流体力学)についても2020年3月28日から2020年12月31日までの間は、CFDを使った2022年シーズンに向けた開発を禁止することになりました。

2022年シーズンの開発を2020年の間に行うことによって開発費の増加や資金力のあるチームとないチームとの格差が発生しないようにするためと考えられます。風洞を使ったテストの実施は2020年、2021年のF1マシンの開発のみ認められます。

 

2020 FORMULA 1 SPORTING REGULATIONS

2020年4月28日

付則 8
空力テストに関わる制約事項 (ATR)

1. 制限を受ける風洞実験 (RWTT)

1.4 2022年シーズンに向けた開発を目的とするテストを防ぐために、2020年3月28日から2020年12月31日までの間は、2020年または2021年F1技術規則に実質的に準拠したスケールモデルを使用してのみRWTTを実行できる。2022年F1技術規則に部分的または完全に準拠している、および/または実質的にそこから派生している車のジオメトリを使用して、風洞試験を行うことはできない。

2. 制約を受けるCFD (RCFD) シミュレーション

2.4 2022年シーズンに向けた開発を目的とするCFDシミュレーションを防ぐために、2020年3月28日から2020年12月31日までの間は、2020年または2021年F1技術規則に実質的に準拠したジオメトリを使用してのみRCFDを実行できる。2022年F1技術規則に部分的または完全に準拠している、および/または実質的にそこから派生している車のジオメトリを使用して、CFDシミュレーションを行うことはできない。

 

 

 

 

関連記事

 

次の記事へ

2020年 F1ドライバーラインナップ、F1マシン一覧

 

前の記事へ

2020年 F1 レギュレーション 変更点

 

 

SNS・シェアはこちら