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2020年 F1 第10戦 ロシアGP ターン2でのトラックリミット

 

 

ターン2でのトラックリミット

F1ロシアGPではターン2のトラックリミット(走路外走行)に対するペナルティも話題となりました。四輪のモータースポーツではトラック(走路)はコースの両端に引かれた白線から白線までと定義されています。

『国際モータースポーツ競技規則 付則L項』にはトラックリミットについて以下のように記載されています。

 

国際モータースポーツ競技規則 付則L項

(2019年12月10日発行版)

第4章 サーキットにおけるドライブ行為の規律
第2条 追い越し、車両のコントロールと走路の範囲

c) ドライバーは常に走路を使用しなければならない。疑義を避けるため、走路端部を定めている白線は走路の一部と見なされるが、縁石は走路の一部とはみなされない。
理由のいかんにかかわらず車両が走路を退去した場合、下記2.d)を侵さずにドライバーは再び合流することができる。しかしながら、その再合流は、それを行うことが安全であり、その実施によって優位に立つことがない場合にのみ実施できる。走路に車両の一部分も接触していない状態であれば、ドライバーは走路を退去したものと判断される。

 

L項に記載のとおり、四輪のタイヤがすべて白線よりも外側にはみ出た場合、トラックリミットと判定されます。ロシアGPにおいてはフリー走行や公式予選ではトラックリミットと判定された周回のラップタイムは抹消され、決勝においては、2回のトラックリミットが確認された段階で黒白旗を提示し、それ以上のトラックリミットが確認されたドライバーはスチュワードに通告され、ペナルティを科す必要があるかどうかを審議されることになると事前にアナウンスされていました。

また、トラックリミットの違反をしてしまったドライバーに対しては、コース外を走行し、発泡スチロール製の『ボラード』と呼ばれる矢印が書かれた看板の間を通った後に、コースに復帰するように指示されていました。

それでもレース中には複数回のトラックリミットが発生し、ルノーのダニエル・リカルド選手には5秒のタイムペナルティが科されました。また、1周目にターン2でオーバーランし、ボラードの間を通過しようとしたマクラーレンのカルロス・サインツ選手はウォールにクラッシュし、セーフティカー導入の原因となってしまいました。その後、ハースのロマン・グロージャン選手もボラードを破壊してしまい、その対応のためにバーチャルセーフティカーが導入されました。

 

 

トラックリミットは紛れもなく違反行為であるため、違反したドライバーには何らかのペナルティは必要と考えます。ただし、トラックリミット違反をしてしまったドライバーに対して無条件でペナルティを科すのではなく、以前のようにトラックリミットによって得たアドバンテージを元の状態に戻すなどの対応をすれば許容するといった判断も必要ではないかと考えます。フリー走行や公式予選では現状どおり、ラップタイムを抹消することで反論は無いと考えます。

F1の場合は、各車両に無線機が搭載されているため、レースコントロールがトラックリミットによって得たアドバンテージを元に戻すように指示すれば良いだけではないでしょうか。従わない場合に限ってペナルティを科せば良いだけのように感じます。

ペナルティが多すぎるのは白熱したバトルに水を差すだけのように感じます。ペナルティがなければ存在するはずだったバトルが見られなくなる場合もあります。F1が面白くなくなる前にペナルティの運用方法も考え直していただきたいと思います。

 

 

 

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