2024年 F1 第6戦 マイアミGP 開催概要

 

たまには魅力的な市販車も『トヨタ GRヤリス』

 

TOYOTA GR YARIS

たまには、モータースポーツと関連のある魅力的で個性的な市販車の紹介をしたいと思います。現在、国内のカーディーラーで購入できるクルマで最もモータースポーツに最も深い関係のある車種といえば、トヨタ自動車の『GRヤリス』ではないでしょうか。

出典:toyota.jp

もともと、ヤリスは日本では『ヴィッツ』という名称で販売されていましたが、今回のモデルはヤリスとして販売されることになりました。ヤリスとなってもトヨタを代表するコンパクトカーに変わりはありません。

現在、トヨタは世界ラリー選手権(WRC)にヤリスをベースとした『ヤリスWRC』で参戦しています。WRCでブランド力を高めたヤリスを国内でも展開していきたいのだと考えられます。

ヤリスのレーシーなバージョンとなるGRヤリスは2020年1月に開催された『東京オートサロン2020』で発表され、直後にWEBでの先行予約が始まりました。2020年9月末頃からすでに納車が始まっているそうです。

最近のカーラインナップは燃費、環境性能、安全装備(自動運転)といったところばかりが注目されており、走行性能を重視したFUNなクルマが少なくなっています。ヤリスは日常の移動のためのコンパクトカーの位置付けですが、GRヤリスはヤリスWRCで培ったパフォーマンスを市販車に反映した非常にスパルタンで特に走りを追及したモデルとなっています。

 

 

GRヤリス 専用設計

トヨタは一般的なコンパクトカーユーザーのために『ヤリス』をラインナップしますが、GRヤリスは走行性能を高めるために、通常のヤリスと大きく異なる部分がいくつかあります。

 

3ドアボディ

GRヤリスのボディは専用の3ドアボディを採用し、フレームの剛性を高めています。また、ルーフの後端を下げるデザインを取り入れることによって空力性能も高めています。

余談ですが、一昔前はスポーツカーと言えば、2ドアのクーペ、もしくは3ドアのハッチバックが主流でしたが、最近は後席ドアの無い2ドアもしくは3ドアのモデルが少なくなってきました。これは、若者のスポーツカー離れが進んだこと、以前のスポーツカーユーザーが家族が増えるなどして使い勝手を求めたことなどが原因であると考えられます。

また、ボディの剛性を高めるためにスポット溶接個所を増やしたり、軽量化のため、ルーフはカーボン、ドアはアルミでつくられています。

 

1.6Lターボエンジン

ヤリスは1.5L自然吸気エンジンですが、GRヤリスは1.6Lターボエンジンを搭載しています。

GRヤリスの車両重量1280kgに対して、エンジン出力は200kW(272PS)、トルクは370N・m(37.7kgf・m)もあるため、エンジンパフォーマンスには申し分ありません。パワーウエイトレシオは4.71kg/PSに達します。

 

GR-FOUR (4WD)

ヤリスの駆動方式はFFですが、GRヤリスは『GR-FOUR』と呼ぶ4WDを採用しています。4WDを採用する理由は当然ながらWRCを意識しているためで、ラリー車のベース車としてGRヤリスを活用できるようにするためだと考えられます。

 

専用生産ライン

GRヤリスは専用設計が多いことと、高い精度で生産する必要があるため、手作業の多い専用の『GR Factory』と呼ばれる製造ラインで生産されています。

 

TOYOTA GAZOO Racing YARIS CUP

これまで、ナンバー付きのヴィッツを使用したワンメイクレースである『TOYOTA GAZOO Racing Netz Cup Vitz Race』が開催されてきましたが、2021年からはヤリスを使った『TOYOTA GAZOO Racing Yaris Cup』を開催することが発表されています。

レギュレーションの詳細はまだ明らかにされていませんが、Yaris Cupは参戦費用を軽減するため、1.5LエンジンのFF車である『RS』グレードを使用するのではないかと推測します。現時点でRSグレードにはマニュアルトランスミッション車の設定がありませんが、Yaris Cupのスタートに合わせて追加されるのかもしれません。

TOYOTA GAZOO Racing Yaris Cupのレギュレーションの詳細は2020年12月に発表される予定で、2021年6月にシリーズが開幕する予定となっています。

また、ラリー用の競技車両のベース車として『RC』グレードが設定されています。GRヤリスの特徴である1.6Lターボエンジン、4WDのパフォーマンスを継承しています。

 

ディスプレイオーディオ

GRヤリスにはディスプレイオーディオが標準装備されています。スマートフォンをディスプレイオーディオに接続することによって、カーナビを使用したり、スマートフォンに保存されている音楽を聴いたりすることができます。オプションによってスマートフォンを接続しなくてもカーナビの機能を追加することもできます。

また、トヨタ車が他の車種で展開しているスマートフォン連携などのコネクテッド機能をGRヤリスでも使用することができます。GRヤリスは走りを追及したモデルですが、日常の使い勝手が考慮され、他のトヨタ車と同等の快適装備が搭載されています。

 

安全性能

GRヤリスはすべてのグレードにメーカーオプションとして、『Toyota Safety Sense』を装備することができます。サーキット走行をする上で、安全装備は不要となるため、走りを重視したクルマは安全装備が削られる場合が多いですが、GRヤリスはドライバーの安全を考慮し、装備の有無を選択できるようになっています。

レーダークルーズコントロールが停車までサポートしていないのが残念ですが、停車までサポートするためには電動パーキングブレーキを採用するしかありませんので、仕方がないところかと思います。

 

車両価格 (税込)

RZ “High performance”
 4,560,000円

RZ
 3,960,000円

RS
 2,650,000円

RC
 3,300,000円

各グレードの違いはトヨタ自動車のサイトトヨタ自動車のサイトでご確認ください。

 

 

まとめ

GRヤリスのような走りを追及したクルマはモータースポーツファンのためのクルマだと考えます。販売台数が見込めるクルマでは無いため、車両価格が高いのは仕方ありません。しかし、1人もしくは2人で乗る機会が多い方でしたら、これほど楽しいクルマは他に無いと思います。

環境性能が求められる現在において、このような高出力なガソリンエンジン車を販売してくれるだけでもありがたいです。今後は、CAFEのような燃費規制を達成しなければならないため、このようなクルマは発売されないかもしれません。

先日、日産がフェアレディZのコンセプトカーを発表しましたが、運転して楽しいクルマはこれからも無くならないでほしいと思います。そのためには、モータースポーツファンが応援しなければならないと考えます。

ちなみに、現在、トヨタはGRヤリスのパフォーマンスをさらに向上させた『GRヤリスGRMN (仮称)』を開発中しているようです。エンジン出力は300馬力を超え、さらなる軽量化とエアロパーツによる空力の向上が図られているようです。期待したいですね。

GRヤリスは個人的に気になっているクルマのうちの1台です。詳細を知りたい方はトヨタのウェブサイトをご覧ください。これからも、モータースポーツと関係の深い魅力的なクルマが登場したら紹介したいと思います。

 

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